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番外編➊親権譲渡と最大級の愛

第2章【離婚と私。ときどきタロジロ

愛息子タロジロの「なんで?」回答ラブレターです。
 
タロジロが親になるならば、お母ちゃんのように我が子を愛してほしいと今日だけは願う。
 
親に会えない子どもや子どもに会えない親は、親の愛は深く、子はたくましいと忘れないで。 
 
守るべき大切なモノさえ見極めれば、人生はシンプルになり、きっと愛と幸せに包まれるから。 
 
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2021年2月18日。 
私は親権をお父ちゃんに譲渡し、離婚裁判を和解させた。

裁判所を出ると、ハラハラ舞う雪が体をふんわり包み込む。強く打ち鳴らす私の鼓動を、神様は癒そうとしたのかな。
 
今日だけは誰が何と言おうと声を大にしていう。私は控えめに言ってもイイ女でイイ母だ! 
 
降り積もる白い雪の清さすら、タロジロへの私の愛には敵わない。 

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「裁判所はまどかさんを信じています。まどかさんの愛情はタロウくんとジロウくんに必要不可欠です」

裁判官が私の目を見据えて口にする。 
 
タロジロの幸せをただただ願い続けた4年目。親権譲渡を覚悟した私に、裁判所はバックアップを決めた。 
 
最終期日を目前に、裁判官はお父ちゃんの代理人弁護士へこう促す。

「まどかさんの希望する面会交流ができるよう、代理人はお父さんに働きかけてください」 
 
私の希望はタロジロの希望だ。その希望は、親子が自由に会える「普通」の状況をさす。 

しかし。親子が自由に会える面会交流を、裁判所で決定するのは困難である。
 
面会交流は基本、貧回で限定的。
月に1回/2-3時間程度を推奨される。
民法による定めはなく慣例としての運用だ。
 
定めがないので、裁判所での面会交流の取り決めには何ら拘束力がない。

養育費も似たようなもんだ。
 
親権におけるシステムエラーの一部といえる。 
 
制度不備の中、いわゆる社会的地位の高い裁判官から、私はお父ちゃんに面会交流の真意を伝えてもらいたかった。 
 
マジョリティ思考は、「権力」の言葉なら頭に入りやすいかもしれない。お父ちゃんの思考の変化は、タロジロの幸せに直結する。 
 
私が欲しいのはタロジロの幸せだけだ。
親権ではない。

そして、タロジロが幸せなら、きっと私が傷付けたお父ちゃんの心も癒されるはずなんだ。
 
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最終期日で裁判官はお父ちゃんへ訴えかけた。

まどかさんは信用できる人物である。
タロジロへのまどかさんの愛情は必須だ。
離婚しようが父母は父母に変わりない。
面会交流はタロジロのためである。
親のエゴで制限してはならない。
子どもは親の所有物ではないんだ。
面会交流の価値観を共有した和解をすすめる。

3年以上静かに叫び続けた私の声が、第三者によってお父ちゃんへ投げかけられる奇跡が起きた。 
 
裁判官は私へ最後の言葉がけをした。

子どもと海外まで逃げるほどの葛藤は、
日常の大きな痛みを想像でき、
大切に産み育てた子どもがいなくなった現実は、
心身耐えがたい状況に違いない。 
 
傷つきが多くとも伏せることなく、
3年以上に渡って裁判所に赴き、
この裁判では弁護士を付けず、
全期日に一人で挑み、
取り乱す様子もない。 
 
あらゆる負の感情を抑え、
夫となお向き合おうとするも、
想いは伝わりにくく、
心のさらなる痛みを想像するが、
子どもたちへの真の愛情を感じられる。
 
タロジロが大きくなった時、
親権を譲渡したことを含め、
お母さんとしての愛情はきっと伝わる。 
 
私はあなたの愛を信じている。
ただ、お父さんが信じるかはわからない。
面会交流がうまくいかなければ、
裁判所をまた頼ってほしい。 
 
お母さんとしてだけでなく、
どうかまどかさん自身の人生を歩み、
幸せになってください。
 
私のタロジロへの愛が、一度は絶望した社会を小さく包みこんだ。 
 
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予想するに、このまま争い続けたら、私は親権者になれる可能性が高かった。 
 
判決は調査官調査に委ねる傾向が強く、調査されるタロジロの意思ははっきりしている。 

しかしながらどれほど調査を主張しても、珍しいことに、家裁では実施をのらりくらりとかわされた。

家裁をあきらめ高裁へあげると、調査官調査の実施見込みは高いが、裁判はさらに1-2年ほど続き、足掛け約5年の争いになる。 
 
父母のいがみ合いは子どもたちに影を落とす。
ゆえに6年前、私は離婚を決めたんだ。
 
お父さんと楽しく、
お母さんと楽しく、
ふたつのおうちで家族仲良く暮らせばいいと。
 
子どもは一瞬で成長する。
これ以上の裁判所での時間は不毛だ。 
 
私の親権譲渡による裁判終結を、特にタロウは望んでいない。

でも、私はタロジロに胸を張って言える。
 
お母ちゃんはがんばりました。
 
大切なモノを守るには本物の優しさが必要だ。
母の背中を見て育て!! 
 
親権譲渡はタロジロへ贈る最大級の私の愛だ。
 
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ーーーー➋へつづくー 
Facebook編2021.02.19記 
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子の連れ去りとひとり親
100%片親を失う子どもたち
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タロジロがいつか読んでくれるといいな。


きっと大丈夫。
あなたもがんばって。

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