カーテン越しに見る幸せ
コロナ禍になってから、どうしたわけか、季節ごとに始まっていた父の老人性鬱が陰を潜めた。
以前なら、急に暖かい日があったり、
私が、なんとなく日差しが春めいてきたなーと感じたとたん、
まるで私の気持ちに連動するかのように、父の感情は不安定になり、眉間に皺を寄せ、ため息をついては、日になんども声をあげて泣き、そしてそれは年4回、季節の変わり目ごとに1ヶ月半〜2ヶ月近く続く、というのを繰り返してきた。
お?
ということは、
1年のうち半年〜8ヶ月もの間、私の気分は、父の憂鬱に振り回されていたことになる。気づいてなかったわ。
そうか。そりゃ大変だったなぁ。
よく頑張ったね、私。
ところがなぜか去年から、季節の変わり目になっても、父はそうした姿を見せることがほとんどなくなった。まあ、全然なくなったという訳ではないけれど。
日差しは春めいているのに、カーテンの向こうで、父は落ち着いて金魚の世話をしている。
今日、こんな穏やかな気持ちで、父を見ていられることに幸せを感じている。
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