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深夜の花咲か爺さん

【深夜の花咲か爺さん】

昨日の深夜。

リビングでうたた寝してしまっていた私は、父がトイレに起きた音で目が覚めた。

いかんいかん。ベッドへ行って寝なくては…

ぼんやりと時計を見ると、24時をすぎたあたり。父がトイレに起きる時間としては少し早めだが、今日も暑さで、たくさんお茶を飲んだし、寝室の様子を見に行かなかったから、寝苦しくて起きちゃったのかもしれないな。

寝ぼけ眼で、そう思っていた時だった。

ガチャリ

うぉっ😳?!?!

一瞬で目が覚めた私は、文字通り飛び起きた😆!

父は、トイレを終えて、パジャマ姿のまま、今まさに玄関を出たところ。速攻で、猫のシッポでもつまむように、父のパジャマの裾を2度ひっぱった。

私「どこ行くの?」

すると父は少しだけ振り返って
「ちょっと電気を消しに行くだけだ」とのこと。

どこの電気だよーーー😑
外は真っ暗なんですけど💧

数年前から、ふいに父がパジャマ姿で、庭の金魚のあたりに行ってしまうことが起こり始めた。夏ならまだいいが、真冬でもお構いなし。

それは、年に1〜2回から始まり、少しずつ、少しずつゆっくりと増え、今年は1〜2ヶ月に1回といったところだろうか。

私は父と同じ部屋で寝ているのだが、隣のベッドでぐっすり眠り込んでしまうと、父がトイレに起きようが、玄関を出ようがほとんど気づかない。

が、有難いことに、同居する弟は、別の部屋で寝ていても、父が玄関を出る音ですぐに目が覚める。

数ヶ月前にも、父が深夜に玄関を出たと聞いていたから(もちろん、私は寝ていて気づかなかったけれどw)

このくらいの頻度になってくると、心理的には、もう慣れっこに♪

どこの電気を消すのか知らんが、どーぞどーぞご自由に😊

どうせ、また、いつものように、金魚のあたりにでも行って戻ってくるだろう。

これまでは、父が夜中に外に出てしまった時は、一緒にくっついて行っていたが、たいていは、幻聴で父にだけ聞こえるスズムシの鳴き声を探して、庭先で立ち止まって耳を澄ましているだけのことも多く、

まあ、たぶん、大丈夫だろうと、私はそのまま家の中にとどまり、父を暗闇に一人放流した。

が…

おや?

思ったより、なかなか戻ってこない😅

最近は、昼間は妄想から、1kmくらい行ったところまで行って戻ってくるという徘徊も増えてきている(GPSを持たせています)。

しまった。どっか行っちゃったかな😅?

油断しすぎたかもと、ここで私も慌てて庭へw。真っ暗闇にある金魚の水槽のあたりには人影がない。

あら?
これは、マジで失敗したかな💧?

深夜の静けさの中で、父を探して耳と目を凝らす。

すると、微かに音が…。

金魚のいる庭とは反対側に行ってみると、父がいた。片手には、金魚の餌が入った瓶を持っている。

ん?

様子を見ていると、父は金魚の餌を、家の壁に沿って、バラバラと地面に蒔いていた。

私「何してるの?」
父「肥料をやってるんだ」

私「お父さん、それ、金魚の餌だよ?そんなところに蒔いて、どうするの💧?」
父「違うよ。肥料なんだよ!」

深夜に
パジャマ姿で
家の周りで、地面に金魚の餌を撒くじじい。。。

花咲か爺さんじゃあるまいし🌸🌸🌸笑

がぜん、アホらしくなってきた私は、そのまま父の好きにさせることに。

もしかして、家の周りに、ぐるっと金魚の餌を蒔いたのかな?
益々、アホらしい。

少しすると、満足したのか、父は"肥料まき"をやめて、家の周りをぐるっと向こうのほうへ。

私は、反対側から回って、金魚の前で父を待つ。ぐるっとまわって戻ってきた父は、定位置ではない場所に餌を置いた。  

明日の朝、父が餌がわからなくなってしまわないように、すかさず、定位置に餌の瓶を置き直し、その後は、父の後ろを、ピッタリと尾行。

すると父は、
「なんでついてくるんだ」
と、後ろを振り向き振り向き不機嫌そう。

(ふっふっふ。お前がどこかに行ってしまわないようにだよ)

私の腹の中で、子どもを捕まえたやまんばの声のようなものが響いたけれどw、

私は、
「何時だと思ってんの!」
と、一応、怒った"てい"で父に言い

幸いにも、父はそのまま家に入ると、自分でのこのことベッドに戻り、まるで何事もなかったかのように布団に入って眠った。

おやすみ、花咲か爺さん。

そのうち家の周りに、オランダシシガシラみたいな花でもはえてくるのかもしれない。長生きしないと、花が咲くのを見届けられないよ?笑

まったく、もう😆!

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清水理恵
サポートしていただいたお金は、認知症の父との暮らしを楽しみながら、執筆活動を続けていくのに使わせていただきます。