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しあわせの"三つ葉の"クローバー

父と、城山公園で花見をしていた時のこと。

自宅を出る時に
「オシッコ、行っておいで^ ^」
と声をかけたのに、
「いい」
と言って、行かなかった父。

持参したパンを、半分ほどかじり始めたところで、

「トイレ、どこだや?」

ほら〜〜〜😑

父は、食べている最中に、急にトイレに立つことが多い。

私が、
「も〜も〜も〜も〜💧」
と言っても、本気で怒っていないことをわかっているので、父はどんな顔もせず、
「行ってくる」
と言って、1人でトイレに向かった。

とはいえ、ホントに場所がわかっているかちょっと怪しかったので、慌てて貴重品だけ持って父を追いかける。

案の定、公衆トイレの真ん前で、
なぜか右に曲がった💧

どこへ行く〜😆💦笑

慌てて父を呼び止めて、トイレを教えた。

2人でレジャーシートに戻ってからは、たまに父が
「満開だなぁ〜」
と、ぼそっとつぶやくのに
「そうだねぇ^ ^」
と答える以外は、いつも通り、ほとんど会話もないまま、長い時間、2人でぼんやりと過ごした。

そのうち、父がなんとなく足元の草花を見ていた。

私「これ、なんて名前?」
父「わからん」
私「なんで〜💧ナズナでしょ?w」
父「フフ、そうか」

私「じゃあ、これは?」
父「わからん」
私「んん〜?ハコベじゃん」
父  フッフッフ

私「じゃあ、これは?」
そう言って、クローバーを見せると、この時は即答だった。

父「四つ葉のクローバー!」

私「なんでぇ〜😆⁈w」
私が、思わず吹き出すと、父もクスクスと笑った。

私「葉っぱ、3枚しかないですけど」
父「じゃあ、なんだ」
父はそう言ったあと、ちょっと考えてから
「クローバーか」
と言った。

ハコベは、父が子どもの頃、家畜の餌にしていたと言っていたし、ナズナも恐らく、名前を知っていただろうと思う。

ハコベもナズナも、ちょうど今、わが家の庭にもはえているのだが、忘れてしまったのか、たまたま思い出せなかったのか。

それなのに、父から"四つ葉のクローバー"という言葉が出てきたことが、ちょっと意外で面白かった。

その後、父は、本物の四つ葉のクローバーがないかと、足元を探していたが、結局、四つ葉は見つからなかった。

私たちの目の前の広場には、びっしりとクローバーがはえている。

葉っぱが3枚でも、父と私の心には、大量の"しあわせのクローバー"が広がっていた。

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清水理恵
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