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健康のカギとなるのは「消化力」
消化力って普段気にされていたりしますか?
アーユルヴェーダに出会う前の私は全く気にしていませんでした。
というか消化力とは何なのか良くわかっていなかった思います。
自分の消化力が強いのか弱いのか、下がっているのか上がっているのか、そんなことを考えたこともなかったですし、消化力と健康が強く結びついているということを考えたこともありませんでした。
でもアーユルヴェーダではこの「消化力」という言葉は何度も何度も目や耳にする頻出単語です。
おそらくアーユルヴェーダを勉強された方は常に消化力のことを意識されているんじゃないかなと思います。
なぜかというと、弱い消化力はアーマ(毒素)を作る原因になるからです。
アーマとは未消化物のことで、これが毒素として体にとどまることで色々な病気を引き起こしたり病気の進行を早めたりします。
アーマができる原因には色々ありますが、弱い消化力、これが主な原因になってきます。
だから「健康になる=消化力を上げる」ということになるわけです。
ここからは「消化力」について少し詳しくお話していきたいと思います。
消化力は人それぞれ違う
アーユルヴェーダでは消化力のことをアグニと呼び、これは火を意味する言葉でもあります。
このアグニの強さは生まれ持った体質によって変わります。
アーユルヴェーダには大きく分けてワータ、ピッタ、カパの3つの体質があり、それぞれに違ったアグニを持ちます。
ワータ体質の人は「ヴィシャマーアグニ」と呼ばれる不規則なアグニを持っています。
お腹が空いたり空かなかったり、たくさん食べたり食べなかったり、一定でないのが特徴です。
消化力はそれほど強くはなく少量ずつ何回にも分けて食事をする傾向にあります。
ピッタ体質の人のアグニは「ティークシュナアグニ」と呼ばれ強い消化力を持っているのでたくさん食べられる人が多く、お腹も空きやすいです。
お腹が空くとイライラする傾向にあります。
カパ体質の人は「サマアグニ」と呼ばれるバランスの取れたアグニ、もしくは「マンダアグニ」と呼ばれる弱いアグニを持っています。
カパのバランスが崩れるとマンダアグニの傾向が強まる為消化するのに時間がかかります。
アーユルヴェーダでは自分の消化力に合った食事を取ることが大切と言われているのでまずは自分のアグニを観察してみるといいと思います。
本やインターネットでアーユルヴェーダの体質チェックをしてみるのもいいと思いますし、お腹が空くタイミングが周りの人より早いのか遅いのか比較してみることで自分の消化力を知ることもできます。
私の場合、家族や友達が「お腹空いた」と言うタイミングで私はまだ空いていないということが昔から何度もあったので漠然と「みんなお腹空くの早いな~」と思っていたんですが、アーユルヴェーダを知ったことでこれは私の消化力が弱いってことだったんだと理解することができました。
生まれ持った消化力は人それぞれ違うので自分の消化力を知って自分に合った食事(消化できるだけの量と食材)をすることが大切です。
消化力上げるには
もし自分の消化力はかなり弱い、消化力が下がっているような気がする、そう感じた時にはどうしたらいいのでしょうか。
消化力の上げ方を理解するにはまずアグニの性質を知ることが必要になってきます。
アグニには次の5つの性質があります。
温かい性質、乾いた性質、鋭い性質、軽い性質、微細な性質
アグニは火のことなので火をイメージすると性質も理解しやすいと思います。
ではアグニの性質を知った上で消化力を上げる為にはどうしたらいいのか。
アーユルヴェーダの重要な理論の中にサーマーニャ・ヴィセーシャ理論というものがあります。
これは「同一性は増やすことをします、特別性は減らすことをします」という理論で、同じ性質のものが集まるとその性質は強まり、逆に特別性(反対の性質)を加えると元の性質は弱まるというものです。
例えば寒い冬の日に氷が入ったドリンクを飲むと冷たいに冷たいが加わり体はさらに冷えます。
反対に温かいドリンクを飲むと冷たいに温かいが加わり寒さは和らぎます。とても当たり前のことのように感じますが、このサーマーニャ・ヴィセーシャ理論はアーユルヴェーダの治療をする上でとても重要なものであり消化力を上げたい時にもこの理論を活用することができます。
アグニは温かい、乾燥、鋭い、軽い、微細、この5つの性質を持っているのでアグニを強めたければこれらの性質をもつ食事を取り入れたら良いということになります。
逆に反対の性質である冷たい、油性、鈍い、重い、大きい、この5つの性質を持つ食事をするとアグニは弱まるということになります。
温かいスープやお白湯、生姜など体を温める作用のあるものはアグニを上げてくれますが、冷たい飲み物やアイスクリームなど体を冷やすものはアグニを下げます。
唐揚げや天ぷらなどの油っこい食事もアグニを下げます。
生姜やネギ、スパイスなど辛味をもつ食材は鋭い性質があるのでアグニを上げてくれますが、砂糖がたくさん入ったお菓子は鈍い性質があるのでアグニを下げます。
良く火の入った野菜は消化に軽いのでアグニを上げますが、お肉など消化に重いものはアグニを下げます。
またどんなに軽い食材でも食べ過ぎるとそれは重くなりアグニを下げます。
微細なものはアグニを上げ、大きいものはアグニを下げるのでよく噛んで食べることもとても大切です。
このようにアグニを上げる為に考えることはとてもシンプルです。
温かい、乾燥、鋭い、軽い、微細、この5つの性質を取り入れ、反対の性質のものを少なくする。
アーユルヴェーダは何かを禁止しているわけではないのでアグニを下げるような食事を絶対に避けないといけないという風に考える必要はありません。
ただ毎日をできるだけ健康でベストな状態で過ごす為にはアグニを良い状態でキープした方がいい、これは間違いないのでこの5つの性質を頭の片隅に置きながら日々の食事を調節していくと少しずつ消化力の変化や体調の変化を感じることができると思います。
冷たい水をお白湯に変えてみたり、生姜やスパイスを日々の生活に取り入れてみたり、腹8分の食事を意識してみたり、少しの変化が健康な体への第一歩になってくれます。
今回は体質別のアグニの種類、アグニの性質、そして性質を知ったうえでアグニを上げる為にはどうしたらいいのか、アーユルヴェーダの理論を簡単にまとめてみました。
次は実際にアグニを上げるために何ができるのかについて書きたいと思います。
最後まで読んでくださりありがとうございます!
日々の生活にアーユルヴェーダの智慧が届きますように。