
もう知る前には戻れない “エンタメから考える死刑”|犯罪学の視点から語る
立正大学教授 丸山泰弘(犯罪学・刑事政策)が、ニュースでは聞けない犯罪学、刑事政策の話について、分かりやすく解説します。今回のテーマは「死刑を考えるエンタメ」です。
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2024年最後の配信は、死刑執行のない年末を迎えることができるよう、祈りを込めて、死刑を考えるエンタメ3選をお届けします。
スタッフからひとこと
私は(そして私たちは)、年末になると、死刑の執行があるのではないかと、御用納めが過ぎるまで、緊張の日々を過ごしています。国会が閉会した後、12月後半の金曜日に執行があることが多いのです。直近の死刑執行は2022年7月。2年半がたちました。このまま、執行のない日が続くことを心から祈っています。そんな想いから、年末の配信は死刑について一緒に考えていただきたいと思い、テーマ設定をしています。
今年は、「mommy マミー」「正義の行方」といった、死刑にまつわる冤罪事件を取り上げたドキュメンタリー映画が公開され、話題になっただけでなく、多くの観客を集めました。この問題に関心がある人にとどまらず、映画好きの友人に躊躇なくお勧めできる作品だと感じました。だからこその満席続きだったと思います。
また、袴田さんの無罪がやっと確定し、飯塚事件、菊地事件といった、死刑が執行されてしまった事件の再審裁判に大きな動きがあった年でもあります。映画の広がりが象徴的ですが、12月17日にYouTubeLIVEで行った「ツミナハナシdeウラバナシ」でも語っていた通り、死刑制度が今のままでいいのか、今こそ考えなければならない時がきていると思います。
今回は、3人ともが映画以外のエンタメを紹介しています。死刑を考える映画はたくさんありますが、それはまた今度、ゆっくりじっくり語るとして…。この3選が、みなさんの心に届きますように。ご感想もお待ちしています。(み)
こんな話をしています
・第3位「死刑を追うマスコミの葛藤」
・第2位「被害者と加害者が行く希望のためのジャーニー」
・3つめは、まだ1つめ
・第1位「真夏の丸ちゃん放浪記」
・ただいま引き回し中でございまして
・お便りコーナー
※apple podcast、amazon musicでも配信しています。youtubeは後日配信になりますので、是非ポッドキャストからお聞きください。
紹介した作品
ドラマ『エルピスー希望、あるいは災い―』
脚本:渡辺あや、演出:大根仁他、プロデュース:佐野亜由美
出演:長澤まさみ、眞栄田郷敦、岡部たかし、鈴木亮平
2022/日本/全10回
『ジャーニー・オブ・ホームー被害者遺族と死刑囚家族の回復への旅』(坂上香、2024年) ※初版は1999年
・「江戸市中引廻しの道」
・「市中引き回しラリー」
ツミナハナシを話すヒトたち
丸山泰弘:立正大学法学部 教授/知的エンターテインメント・クリエイター
南口芙美:合同会社黒子サポート 代表
山口裕貴:フリーランス(パラリーガルなど)
※3人とも、一般社団法人 刑事司法未来 理事
出てきた用語・人物
死刑存置州
小伝馬町牢獄、北町奉行所
斬首刑、死罪、追放刑
吉田松陰、安政の大獄
もっと知りたい
テーマ別おススメエンタメベスト3
色々なテーマに添ったエンタメを紹介するシリーズ。過去に「法廷エンタメ」「少年犯罪」「被害者問題」を取り上げています。
死刑について
日本の死刑制度については以下から。
「死刑冤罪」を防ぐ「スーパーデュープロセス」について
死刑で起こる3つの「冤罪」を防ぐために、アメリカで実施されている超適正手続(スーパーデュープロセス)について解説しています。
死刑といえばこの一本、映画『デッドマン・ウォーキング』を語る
死刑を考えるならこの一本。映画『デッドマン・ウォーキング』を犯罪学・刑事政策の視点から語っています。冤罪事件ではない憎らしい死刑囚だからこそ「死刑とは何か」という問いが迫ってきます。何とオペラ化も!
(※ #48 2024年12月24日配信)
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