見出し画像

働く女性を初めてかっこいいと思った

今日、卒業生(かなりの先輩)の鍼灸院に施術を受けに行ってきました。
お灸がメインの鍼灸院で、お灸の中でも特殊なことをしておられます。
熱くない、心地よい、でも効く。そんなお灸が世の中にはあります。

ところで私、鍼灸師にこれからなろうって勉強しているのに、
とっても緊張しいなのです。力を抜くのが本当に下手。

施術者が緊張していると、患者も緊張が移ってしまうそうで
(先生みんな言う)、私の超重要課題なのです。

年を重ねるごとに、力を抜くのが下手になっていった人間です。
入学直後なんて、新しいたくさんの人と関わらなくちゃいけなくて、
勝手に緊張して、勝手に疲れて、、という有様。(勝手にごめん)

でも皆、鍼灸なんて狭い世界に入ってきた変わり者であろうから、
そんなに身構える必要ないのかもとやっと思えるようになってきました。
これも、やっと落ち着いてきて、先生と雑談して、気付いたこと。

もう一つ、私ごとで恐縮ですが、私、もうすごい便秘持ちなのです。
過去にイレウス疑惑で入院もしているし、自律神経がなんだかなあって
感じなのですが。私の主訴は、長らくこれなのです。
*主訴(しゅそ):患者が自覚している、最も気になる異常
*自律神経(交感神経と副交感神経のバランス)によって、ヒトは、特に考えるる必要も無しに、自分の体の機能を調節し生活することができる

今日先生にお会いして、まず初めに言われたのが、
便秘を治すということは、まずその緊張を取り除くということ。
という言葉でして。
(なんで先生たちは緊張してるのがすぐ分かるんだろう?)

初めに言われた時はピンと来なくて、
施術中もずっとお話をしてくださる中で、
施術後にひとり着替えていた時に、ふと、心の中に落ちてきました。
便秘を治さなきゃと、まず思うのは見当違いだった、らしい。と。

心と体には相関関係があると、授業でも再三言われているのに、
(で、わかってるつもりだったのに)分かってなかったわけです。

施術後、不思議と首肩が柔らかくなって、皮膚がふわふわして感じたとき。
先生がボソリ。
このくらい柔らかくならないと、副交感神経優位にはならないのよ。

(副交感神経が、内臓を動かしているものなのですが)
これを聞いて、ああ、これが副交感神経優位かあ。って
カチカチに慣れきった、私の脳みそが学んだ気分でした。
私にとっての治療ってまずはこういう事なのかもなと思いました。

あと先生。(あくまで外から見た様子ですが)
今日はそんなに身の上を話したわけじゃないのに、
なんというか、私を刺す言葉もいただいた。

恐ろしいとか、厳しいとか、そう言う嫌なものじゃないけど、強い言葉。
なかなか言ってくれる人がいなかったのね、って言われて、あれれだった。
何が見えてるんだろう….?なぜあんなにも核心を突かれるのか。

たくさんのところで鍼灸治療を受けた訳ではないのですが、
先生は、割に自分の話もする方だなと思いました。
別にそれで置いてけぼりにされる訳ではなく、それで理解が進む感じ。
思考が引っ張られるというか。

どうせやっても分からないのだから、
愚直に愚直に40年やり続けたら、突き抜けていた。

頭が下がります。頭で考えすぎてたかな、最近。(ずっとかも…)
前の仕事でも、この世界でも、
簡単に見えるものほど難しいようです。

ある程度なら、へたっぴでも出来ちゃうのは本当のことだけど、
ここまでを目指すと難しいことをやっているのよ。
他の先生はお灸の力を信じてないから、奮闘してるの。

こんな言葉を、サラリと言われていて、かっこいい。

標題の『働く女性を初めてかっこいいと思った』について補足をすると。
私には、今までたくさんお世話になった先輩たちが居ます。
その一人一人と紆余曲折ありながらも、大変お世話になり、
頭の上がらない人々とばかり、縁を持つことができました。
これは一つひとつが本当に大事なものです。

皆が仕事出来すぎだったり、センスが飛び抜けていたり、
自分が目指したいと思えなかったと言うか、目指せないと言うか。
後になって思うと、そういったフシがあります。
なれるまで頑張れなかったといえばそれまでなのですが。
時間を割いてくださったことに感謝しかないです。

先生みたいに簡単になれるとは、到底思えないのですが、
帰り道にしみじみと、かっこよかったな…と思ったのでした。
これが実はめずらしい事だったのです。

鍼灸院に入るとき、お灸の香りがしました。
お灸の香り、すきなんだよな。
またお邪魔したいと思います。

◉補足 お灸について
鍼灸師とは、鍼師と灸師の両方の資格を持った人たちのことで、
それぞれ、鍼と灸を他者に行うことが出来る人たちの事をいいます。
鍼を得意にしている先生と、灸を得意にしている先生がおられて、
体感だと鍼の方が多いように感じます。(併用されてる先生もいます)

ひとえに、鍼、灸と言っても、
施術方法や何の道具を使うかによって、
ずいぶんと施術の雰囲気が変わります。
(鍼だと、細い鍼じゃなくて、太い鍼を刺す方もいる。)

また、お灸は、何を燃やしてるかというと、
蓬(よもぎ)と言う草の一部を精製した、艾(もぐさ)を燃やしてます。
草餅に入れる、道の脇に生えてる草です。
もえぐさ、なだけに、線香の火をちょんと当てると燃えます。

薬局にも売っているような、温筒灸(穴の空いた台紙の上に筒状にした艾が乗っている)もあれば、
あまり見る機会のない、綿状の艾を手で捻って米粒サイズにして肌に乗せるものもあり、形状としても他に沢山あります。

艾の形状の違いだけでなく、大きな分類として、
艾を燃やした後に、皮膚に痕が残るか否か方法によって分かれます。

今回の先生のお灸は、施術者にとって技術が必要なものの、
患者にとっては痕も残らず、何も恐れるものがない、幸せな灸と言う側面もあるのでした…。おしまい。