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映画『夜空はいつでも最高密度の青色だ』街の風景の中で

東京の街とその中で生きる男女を描いた作品です。個人的な話も街の風景とつながっていて、最果タヒの詩が美しい。「船を編む」の石井裕也監督・脚本。最果タヒの同名詩集原作。2017年製作。Amazonプライムで鑑賞。

主人公の慎二(池松壮亮)は工事現場で日雇いの仕事をしていますが、左目の視力はほとんど失っています。他人との会話のテンポも上手くいきません。緊張状態にあるとずっと話してしまうのです。けっして器用には生きられていません。

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もう一人の主人公美香(石橋静河)は看護師で、毎日人の死に向き合うなか、自分自身の母親の自死についての葛藤を抱えています。実家への仕送りの為、ガールズバーでもアルバイトをしています。

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二人の出会いはガールズバーでした。

初めは、美香の前で話を止められなかった慎二ですが、心の距離が近づくと口数もおちついて心からの会話になって行きます。

ことあるごとに「俺はへんだから」と言う慎二。池松壮亮は人間味あふれる繊細な人として慎二を表現していて、とても良かったです。

美香の実家を訪ねた夜、二人乗りの自転車で走るシーンがあります。

「私のお母さん自殺したんだ。私は捨てられたんだよ」
「そっか、、、まあ、オレにまかせろ」
「何をまかすの?」
「嫌なことはオレが全部半分にしてやる」

自転車に乗りながら前と後ろで交わす会話がとても優しい。

上手く話すことが苦手な彼が言った言葉。

いいですね。こんなこと言ってもらったら、この言葉だけでずっと大丈夫な気がします。

好きな作品です。







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