【Dear my Amnesia】第六話
第六話 祓魔の神父
街のとある民家では、まだ日が昇ったばかりだと言うのに何度も窓から光が漏れ出ていた。
家主の息子が匿っていたらしい女の中級悪魔を、いつも通りに祓っていた。
普段ならものの数分で片が付くところだが、淫魔型であるらしいその悪魔にすっかり魅入られてしまった息子から妨害を受け些か手間取っていた。
「頼む、殺さないでくれ! 彼女はただ、安心して暮らせる場所が欲しかっただけなんだ!」
悪魔は既に弱っており、あとは止めを刺すのみ。だがすんでのところで男がトーム