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【分かりやすい資料の作り方】05_[原則1]情報の構造化③

さて、【原則1】情報の構造化の最後の仕上げに、マトリクスを更に分かりやすくするテクニックをご紹介したいと思います。
今回はこちらの架空のイヤホン製品の特徴を表現したマトリクスを題材に解説をしていきます。

イヤホン特徴01

Ⅰ. 改善できるポイント

こちらの表にはA社、B社、C社それぞれのイヤホンの特徴がまとめられています。ひと通り目を通せば各社の製品の特徴が把握できるようになっており、マトリクスの構造的整理としては問題ありません。

このままでも十分ではありますが、これを1歩進んで更に分かりやすくしてみます。

改善できるポイントは表の中の文字が多いところです。
1つ1つのマスの中に文章が記載されている部分があるので、意味を理解するためには(大袈裟に言うと)"読解"しないといけません
分かりやすい資料とは"読み手の頭の中で処理をさせない資料"です。
この"読解"という処理を排除して、一目で分かるようにしていきます。

ポイントとなるのは『数値化』『記号化』です。

Ⅱ. 数値化

文章は読み手に読解を強いますが、数値は一目で伝える事が出来ます
表を分かりやすくするテクニックとして、定量的に表現できる情報は数値のみで記述することを意識してみてください。
上の表では、再生時間などの定量的な数値が文章の中に埋もれており、相手に"読ませる"資料となっています。
これを改善するため、文章で記述されている内容を横通しで見て、共通的な事項を縦軸の項目名(ラベル)に寄せていきます
例えば「再生時間」の項目は「イヤホン単体」と「ケース充電時」について共通して記述されているため、これらを表の縦軸にラベルとしてまとめて記述します。
そうすると、各表のマス(値)には「最大5時間」「合計15時間」というように数値のみがスッキリ入りました。

これで、読み手は縦軸と横軸をはじめに目を通して理解すれば、中身を一目で理解できるようになりました。

イヤホン特徴03

Ⅲ. 記号化

次は記号化です。
まだ文章が残っている「本体操作機能」の項目についても、機能の有無を記号に変えていきます。
数値化と同じ要領で、マスの中の文章に記述されている機能項目を縦軸の項目名に記述し、機能の有無を〇×で表現していきます。
これで、それぞれのイヤホンが具備している機能を一目で把握できるようになりました。

また、表の中の数値から読み解ける考察(メッセージ)を"記号"により視覚化することで、更に分かりやすくすることが可能です。
この数値は他と比べて良い値なのか?悪い値なのか?このイヤホンの特徴は何か?といった考察を記号で表現していくのです。

一番シンプルで分かりやすい記号は"〇 ×(或いは△)"です。
各マスの値を横並びで見て、優位なものを〇、劣位とみられるものを△としていきます。
その際、数値と並べて記号を書いてしまうとごちゃごちゃして見にくくなってしまうので、オススメは薄い記号を背景としてマスに並べる表現です。
このようにすることで、それぞれのイヤホンの特徴、優位な点が一目で分かるようになりました。

イヤホン特徴02

これで抜群に見やすい表ができました。
会議であなたの説明を聞いた出席者は、一目であなたのメッセージを理解するとともに、活発な議論を始めることでしょう。
例えば、忙しいお客様の貴重な時間を頂くようなシーンでは、こういった点に気を配ると大きなアドバンテージになりますので、是非チャレンジしてみてください。

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