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簡単に手に入らないものが好き 強そうに見えて本当は繊細な人が好き 弱そうに見えて芯のある人…
濃紺の夜空に真鍮の三日月が刺さって 傷口からじわりと滲む冷たい血液 わたしを静かに蝕んでゆ…
空に青と紫を溶かしたような宵の口 裸足のままベランダに出て星を掴む 街の灯りを数えながら …
どこかで泣いている心に寄り添うばかり 肝心なあなたの心が悲鳴をあげていても 身を削り 時間…
街の空気はカラカラにかわいて 遠くから微かにサイレンの音 わたしは何を思えばいいんだろう …
いま、伝えたいことを夜空に書いてみる 純白のインクで星のいない夜を選んで 「大好き」と「…
グレープフルーツみたいな満月のほろ苦い香り 冷たい潮風と柔らかい波音が混じった愛は曖昧 繰り返す日々のあちこちに散らばった泡沫の夢 加減を知らない下弦の月は乗れないまま沈没船 一緒に行くはずだったあの島の地図はもうない 心の水槽に青い海月を泳がせたまま忘却の彼方 目を閉じ輪郭をなぞれば新月の温度で凍る指先 君の美しさに見惚れるだけの僕の煩悩を愛でて 自分を守るためについた嘘ならば 貝殻の中に隠しておけばいいから 晴れてもいい 降ってもいい 凪いでもい
荒波のようなこの命を泳ぎきって 最後の最期はわたしでよかったと 心から思えたら大成功なの…
たとえば透明な季節に生まれた恋なら 純粋さだけで泣くことだって許されて 春じゃなくても愛…
ドーナツの穴からこっそり君を覗いても 君の真ん中はちっとも見えやしない 直感とか幻想とか満…
自由であることを自由に選べるのに 自由でありたいと願いながら 不自由を選んでしまっている …
朧げな光がこぼれる25時の上弦の月 優しさの在処を教えてくれていたのに 半分にわれた綺麗な形…
ホットミルクが似合う夜に はちみつ色の月を溶かして 甘い匂いにさっきの嘘を滲ませる あな…
もう夢なんて見たくないと言って 途方に暮れたまま夜明けが来てしまった 永遠に真夜中を願っても朝はいつだって 躊躇うことなく忽然とやってくるのに 太陽があふれる明日の夢を見たくて もうわたしは弱くなんかないよって あなたに証明したくて夢を追いかけた つかまえることなんてできないのに 永遠なんて永遠にわからない 永遠めいたもののすぐ近くにいるのに 夜に鍵を閉めて星の微熱だけを感じたまま 頼りない月の背中で凍った涙を飲み込んで 夢の中に永遠があるのか 永遠の中に夢があるのか