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ツキノポエトリー

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いつも孤独を抱きしめながら、放課後のほとんどを書店で過ごしていた中学時代。銀色夏生さんの詩集に心がふるえて、詩を書き始めた。 今も孤独を愛し、書くことで心を満たす。 ツキノポエ…
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#詩

詩|バラ色の日々

いのちの重さをはかりながら生きていた のこりのいのちを数えながら生きている それでもそれ…

月乃
2日前
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詩|嘘つきな週末

心の水面におちた月明かりがふるえて 取り返しのつかない土曜日にとまどう 寂しくもないのに…

月乃
2日前
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詩|見えなかった未来で

ふわっと風が跳ねて 瞬いて目を閉じて 午後の優しい光を 瞼の上で受け止める 干したシーツの…

月乃
2日前
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詩|伝えたいのはそれだけ

ずきんずきんと心が疼いた月曜日 つい八つ当たりしてしまった後悔 とめどなく寂しさがあふれた…

月乃
3日前
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詩|いま

今は どんどん過ぎていく 今も 今も 今も さっきとは もう違う 今が 今が 今が 今が…

月乃
3日前
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詩|蠍座の夜に

そよ風のような毎日ばかりは望まない 突風や竜巻や木枯らしの日があるから 人生はおもしろいの…

月乃
4日前
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詩|白い声

真っ白な時間が積もっていく音 たとえ耳が壊れてたって聴こえる 張りつめた空気が静寂を奏でて さらさらと降りつづく雪のリズム まだだれも足を踏み入れたことのない 降り積もった新雪のベッドに横たわって 仰向けになって舞い降りてくる結晶を 切ない気持ちで待ってるのが好きだった 花びらみたいにハラハラと散って 渇いた唇に張りついて溶けていく あの冷たい感触は憶えているのに あの日の空の色だけ思い出せない ずっと詩を書いていた 白だけの世界で たったひとりで 涙を凍らせたまま

詩|風の時代

不思議なくらい身体がふわりと軽くなって 神秘的な解放感に満ちてゆく 自由度がぐんぐん上が…

月乃
5日前
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詩|シロツメクサ

あなたがあの日くれたのは 四つ葉のクローバーじゃなくて 季節はずれのシロツメクサの冠 花言…

月乃
10日前
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詩|雪を待って

冬空の隙間から白い声 ずっと雪を待っている 凍える心はふるえるだけ 燃えているのは太陽だけ …

月乃
11日前
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詩|未来の未来

まだ満ちていない未完成の月 まんまるにはまだ少し足りないけれど いびつなカタチがなんだか可…

月乃
12日前
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詩|I’m clumsy

水平線に落下していく真っ赤な夕陽 受け止める覚悟で飛び込んだら傲慢 掴めないとわかっていて…

月乃
13日前
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詩|コトバの散乱

記憶の蓋をひらいてウミガメの産卵 ぽろぽろと産み落としてく言葉を 丁寧に文字にして並べてい…

月乃
2週間前
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詩|ニーバーの祈りと空の青

空が青いというだけの真実が完璧すぎて わたしはその完璧さに不安になってしまう 作り物みたいに縁取られた雲が笑いながら バカだなぁ君は。そう言って流れていく わたしは今、 どれだけ自分を知っているんだろう わたしは今、 自分を生きてると言えるのだろうか 変えられるものと変えられないもの コントロールできるものとできないもの 十分わかっていたつもりだったのに 我儘になってしまった心を悔やんでいる ただ青いだけの空がそこにあって ただわたしで在るだけの今がここに ニーバーの