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空をぜんぶ、ひとりじめしたくなる あの青をぜんぶ、わたしのものに どれだけうばってもなくな…
草木が雨に濡れた匂いで空が咲いた さよならが心に到着するのを待って 水色と薄朱色がマーブル…
氷の涙は満月の裏側に隠している。 泣かないと決めて歩いてきた いばらの道は、 痛いほど煌め…
小川に笹舟を流すような優しさだけで、詩を書いていられたら幸せだったけれど、時々、言葉は風…
午前7時の月をつかまえて 不安そうにうつむいている 閉じたカーテンの向こう側 聞こえてくる太…
そんなふうに言葉だけで わたしの心に触らないで あなたの声は雨のように 心の細部にまで染み…
黄昏に頼りなく瞬く星を見つけて 曖昧な心の輪郭を指先でなぞった いつだってそこに在るはずなのに 眩しすぎる光のせいで見えなくなる 魂がこの一瞬を生きようとするとき わたしという小さな箱を飛び出して 裸の心と手を繋いでまっさらになる たとえ始まりがどこにもなくたって たとえ終わりが見えていたとしても わたしはわたしを生きると決めて 細く繊細な雨が世界を白く曇らせても 青を失った空が永遠に泣いていても 黒く光るアスファルトの切なさだけは 橙色の花模様がなぐさめてくれるから
ローズマリーとチョコレートのケーキを はんぶんこして食べる あなたの膝と膝のあいだで わた…
もうどんなに手を伸ばしても あのひつじ雲にはとどかない ビードロの目に映る 透明な街が泣い…
慌ただしく過ぎていく日々 その端っこからぽろぽろと こぼれ落ちてしまったもの そういうもの…
突然あなたは わたしの人生にやってきて 白と黒しかなかった世界に 色をつけていくものだから …
まだ恋というものを知らなかった頃 わかりやすい恋 という詩集を読んで 恋について考えたりし…
そうやっていつも 言葉を使わずに 眼差しだけで わたしを抱きしめる あなたはずるい その度に…
わたしがあなたを思うとき 体じゅうの細胞たちが 好きよ 好きよ と飛び跳ねる あの日 あなたが わたしの心に忘れていった 恋という泡のようなものが "わたしというカタチ" そのものを 舞い上がらせてしまうのね 可愛らしい桃色の 甘酸っぱくて繊細な 小さなハートの粒々たち 早く忘れ物を取りにきて 手におえない切なさに 途方に暮れてしまう前に わすれもの / 月乃 今夜もあなたに星が降りますように。