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ツキノポエトリー

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いつも孤独を抱きしめながら、放課後のほとんどを書店で過ごしていた中学時代。銀色夏生さんの詩集に心がふるえて、詩を書き始めた。 今も孤独を愛し、書くことで心を満たす。 ツキノポエ…
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#詩集

詩|咲かない春

空をぜんぶ、ひとりじめしたくなる あの青をぜんぶ、わたしのものに どれだけうばってもなくな…

月乃
6日前
98

詩|冬の花

草木が雨に濡れた匂いで空が咲いた さよならが心に到着するのを待って 水色と薄朱色がマーブル…

月乃
10日前
85

詩|星の夜

氷の涙は満月の裏側に隠している。 泣かないと決めて歩いてきた いばらの道は、 痛いほど煌め…

月乃
11日前
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散文|青い月と僕。

小川に笹舟を流すような優しさだけで、詩を書いていられたら幸せだったけれど、時々、言葉は風…

月乃
3週間前
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詩|青と白の真ん中で

午前7時の月をつかまえて 不安そうにうつむいている 閉じたカーテンの向こう側 聞こえてくる太…

月乃
2か月前
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詩|月の雫

そんなふうに言葉だけで わたしの心に触らないで あなたの声は雨のように 心の細部にまで染み…

月乃
3か月前
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詩|永く、そこにいて。

黄昏に頼りなく瞬く星を見つけて 曖昧な心の輪郭を指先でなぞった いつだってそこに在るはずなのに 眩しすぎる光のせいで見えなくなる 魂がこの一瞬を生きようとするとき わたしという小さな箱を飛び出して 裸の心と手を繋いでまっさらになる たとえ始まりがどこにもなくたって たとえ終わりが見えていたとしても わたしはわたしを生きると決めて 細く繊細な雨が世界を白く曇らせても 青を失った空が永遠に泣いていても 黒く光るアスファルトの切なさだけは 橙色の花模様がなぐさめてくれるから

詩|Twilight

ローズマリーとチョコレートのケーキを はんぶんこして食べる あなたの膝と膝のあいだで わた…

月乃
3か月前
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詩|ひつじ雲の憂鬱

もうどんなに手を伸ばしても あのひつじ雲にはとどかない ビードロの目に映る 透明な街が泣い…

月乃
5か月前
47

詩|心を楽しむ

慌ただしく過ぎていく日々 その端っこからぽろぽろと こぼれ落ちてしまったもの そういうもの…

月乃
5か月前
39

ひとたまりもない

突然あなたは わたしの人生にやってきて 白と黒しかなかった世界に 色をつけていくものだから …

月乃
5か月前
31

わかりにくい恋

まだ恋というものを知らなかった頃 わかりやすい恋 という詩集を読んで 恋について考えたりし…

月乃
6か月前
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好きの周波数

そうやっていつも 言葉を使わずに 眼差しだけで わたしを抱きしめる あなたはずるい その度に…

月乃
6か月前
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わすれもの

わたしがあなたを思うとき 体じゅうの細胞たちが 好きよ 好きよ と飛び跳ねる あの日 あなたが わたしの心に忘れていった 恋という泡のようなものが "わたしというカタチ" そのものを 舞い上がらせてしまうのね 可愛らしい桃色の 甘酸っぱくて繊細な 小さなハートの粒々たち 早く忘れ物を取りにきて 手におえない切なさに 途方に暮れてしまう前に わすれもの / 月乃 今夜もあなたに星が降りますように。