黄昏に頼りなく瞬く星を見つけて
曖昧な心の輪郭を指先でなぞった
いつだってそこに在るはずなのに
眩しすぎる光のせいで見えなくなる
魂がこの一瞬を生きようとするとき
わたしという小さな箱を飛び出して
裸の心と手を繋いでまっさらになる
たとえ始まりがどこにもなくたって
たとえ終わりが見えていたとしても
わたしはわたしを生きると決めて
細く繊細な雨が世界を白く曇らせても
青を失った空が永遠に泣いていても
黒く光るアスファルトの切なさだけは
橙色の花模様がなぐさめてくれるから
永く、そこにいて。/ 月乃
#ソネット
#14行詩