7ヶ月ぶりのカフェ再開に思ったこと
こちらフランスでは、今日なんと実に約7ヶ月ぶりに飲食店がテラス限定で営業を再開しました。とはいえ、天気はあいにくの雨。晴れ間も幾度かのぞいたものの、かなり気まぐれに、且つかなり激しい雨模様でしたので、私は結局外出はせずでした。
フランス、とりわけパリに来てみて最初の疑問は、「こんなにカフェが必要なのだろうか?」ということでした。日本のコンビニ並み、否、それ以上に同じ通りに何軒も軒を連ねていたり、また円形の広場ともなると、中央のスペースを囲むようにカフェがぐるりと隙間もなく並んでいるのです。
フランス人にとって、「カフェテラス」というものが、どれだけ意味のある場所なのかは、こちらに暮らし始めて少しずつ実感とともに理解できました。
日照時間の短いヨーロッパ。特に北部では、多少気温が低くても、そこに太陽の光が降り注げば、喜び勇んで亀の甲羅干しのように太陽の下で過ごすのです。何を食べるかとか、何を飲むかが問題ではなく、「太陽の下で時間を過ごす」ということが重要なのです。
さらに、日本と違うところは、いわゆる「仕事終わりの会社の飲み会」というものが存在しません。平日は概ね家に直帰です。金曜日の夜にカフェバーでピーナツやオリーブをつまみに「軽く一杯」ということもありますが、大体は本当に一杯か二杯くらいを文字通り軽く席にもつかず、カウンターやテラスのある道端で立ち飲みするという感じです。
つまりそれくらい、日光と交流の場としてテラスカフェは重要なのです。
喫茶店・カフェ好きというよりも、人生の中でカフェで過ごす時間があまりに日常化していた私にとって、今回の約7ヶ月間、読書や物思いにふける場所としてカフェに入れないことの物足りなさ、そしてそういう時間がいかに人生において重要な時間だったかを、人生で初めて味わうことになりました。
敬愛するカフェへ感謝を込めて、過去のパリのカフェスナップをいくつかご紹介します。(※写真は私の過去のストックからですので、現在のパリではありません)
それでは。今日も一杯のコーヒーと共に、よい一日でありますように。