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月紙
2022年12月25日 20:27
まるで時期を見計らったかのような寒波に耐えきれず、ダウンコートを身に纏った。そうまでして夜景を見ることで何か得るものがあるのかを問われると返す言葉もないが、自分を含めて飾られた異文化を愉しむ人間が多いのは、それが日本人的美学に準えているからだと考えている。季節の変遷を感じ、詩を認め、草花を生け、茶を淹れ、旬な食材を嗜みながら暦に酔いしれることは古くから伝わる美である。例え異国から持ち込まれた文化で
2022年10月18日 21:21
冬に向かって転がり落ちていく気温に思わず生肌が震え上がる。コートに袖を通すことに躊躇いがなくなる季節はもっと先のはずだ。軒先から足を踏み出して具合を確かめ、傘を開く。歩みを進めるほど裾や靴下へ雨が染み込んでいくが、さほど不愉快ではない。冷たい空気と雨が肌に纏わりつかないからだろう。潔い環境は心地が良い。ISO400f51/13s
2022年10月2日 15:28
依然として残る陽の暖かさを浴びながらも、空気に触れると涼感がある。五感全てが常に刺激され、活性化しているような気がする。〇〇の秋という表現は人間のあらゆる感覚が過敏になる季節だということを暗に示しているのだろう。ISO100f161/40s
2022年9月28日 17:43
心地よい気温は低気圧を原因とする一過性のもので、再び夏のような気候へ戻るのではないかと思っていた。しかし今、街の空気はすっかり秋の香りに満ちている。季節が変わってしまったという受け入れ難い事実と、秋特有の快適さを同時に突きつけられて困惑している。シャッターに迷いはないが。ISO100f4.51/200s