マガジンのカバー画像

写真日記

425
スナップと日記です。
運営しているクリエイター

2024年4月の記事一覧

影

過ぎた道
戻る頃には
影が伸び
落ちる太陽
追うも届かず

過ぎたことはどうしようもない。
僕らの余命は現在と未来のためにあるのだから、常に最善を探す道しか残されていない。
それを善意と曲解して頼ったり、利用しようと企む人間が必ずいる。
これは許すための座右の銘ではなく、捨てるための理論武装だ。
度重なる過ちなど易々と受け入れられる訳がない。
起きた過ちを覆すことは困難だ。
だから僕らは最善を追求

もっとみる
春

春風に
満ちる下界を
見下ろして
冬の名残と
踏み場を探す

冬の山に苦戦しているうちに春が来てしまった。
鼻を刺すような寒さはどこへやら、着膨れる上着も用済みとなったが、それでも使い所を探している。
距離以上に遠くに感じる速度だとしても、着実に進めば必ず景色が変わるのが山の面白いところだ。
雪溶けで泥まみれの道が氷へと変わり、次第に雪が深く、樹林は低くなり、日常を見下ろす高度になる頃には季節の遷

もっとみる
波

波と風
湿った空気に
混ざる砂
ベタつく肌が
塩味を帯びる

この世の物質は全て波を帯びているらしい。
感覚では全く解らないが、海も空気も砂浜も、そして目に飛び込む光も等しく波であるというのは壮大な自然と未知の中で粋がる人間の矮小さを示している。
些細な砂つぶにすら気を立て、敵わず背を向ける僕らは弱い存在だ。

叫び声

叫び声

叫び声
正義虚しく
かき消され
悪を被って
毒を流布する

芸能、音楽やスポーツに関する情報媒体に価値はない。それらは直接触れて楽しむべき事柄だからだ。所詮、道楽に過ぎないものに対して無駄に情報を堆積させては、真に汲み取るべき事実を逃してしまう。
資本主義は未知に触れている先駆者に寄り添って然るべきだろう。大衆化は先駆者からの還元の結果であるべきで、大衆を標的に金儲けをするメディアは文明退廃の重大

もっとみる