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写真日記

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2022年12月の記事一覧

年の瀬

年の瀬

年の瀬になると蟠りを解きたくなるのはなぜだろうか。既に手遅れなのに今まで放置していた雑題をやおら掘り返し、より身軽な状態で新年を迎えようとする下心は験担ぎに近しいように思える。他人と共有できてしまう節目にはどうも価値観が揺さぶられる。

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純真

純真

人目につかない場所にある特色を見つけると像を収めたくなる。ものに溢れる世の中だから、素通りしている光景が自ずと増えてしまうのかもしれない。何もないと高を括っていても、いざ散策に向かうと思わぬ収穫があることがほとんどだ。そうやって風景を探しながら歩いていると、未熟な時期の純真が甦ったような気になる。

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1/13s

生活

生活

変化を好むあまり、自分の生活で精一杯になる傾向がある。改めて周りの人間それぞれに苦悩があることを考えると、社会の複雑さに思わず頭を抱えてしまう。そんな不明瞭な視界に一つの繋がりを見出すと衝動的に縋りたくなってしまうのは、変化には生存手段の一つ程度の価値しかないことを暗に示しているのではないか。もしそうなら手段が目的に転じている現状を再考する必要がある。

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1/13s

闘争

闘争

差別や戦争という言葉を拒絶し、愛や平和ばかりを賛美する組織に違和感を抱いている。確かに格差は対等に縮まった方が良いだろうし、争い事もないに越したことはない。どのような考えも行動も個人の責任の下に自由であるべきだ。しかし、社会で執り行われるのは様々な同調圧力という形式での争いだ。その過激で活発な姿勢たるや闘争を求めているのではないかと疑う程である。いま一度考えると、我々は戦時中に一億総玉砕すべしとい

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重石

重石

辛く苦しい経験のおかげで今を生きることができる。そんな聞き飽きた言い回しはあながち大外れでないから遣われるのだろう。確かに自らに課した重石は未来に訪れるであろう苦難への布石になることがある。しかし、他人から投げられた負荷はただ身を滅ぼすだけだ。かと言って苦行を積んでないことには不安を感じてしまうので、人の心は言葉で説明できないに違いない。

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1/13s

運

過ぎたことを悔やんでも仕方がない。そんな思考で気を転じることができるようになったのはつい最近のことだ。鬱屈とした生き方にも慣れ、運を掴んでかけがえのない宝に恵まれることもあった。あと10年早く身についていたらどれだけ明るい20代になっていただろうか。ああ、また悪い癖が出ている。

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1/13s

異国

異国

まるで時期を見計らったかのような寒波に耐えきれず、ダウンコートを身に纏った。そうまでして夜景を見ることで何か得るものがあるのかを問われると返す言葉もないが、自分を含めて飾られた異文化を愉しむ人間が多いのは、それが日本人的美学に準えているからだと考えている。季節の変遷を感じ、詩を認め、草花を生け、茶を淹れ、旬な食材を嗜みながら暦に酔いしれることは古くから伝わる美である。例え異国から持ち込まれた文化で

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渡航

渡航

もしも今すぐに海を飛び越えたとしても、自分なりに降り立った地の気候や生活を楽しむことができるだろう。ただ、そこから何を得てどの様に運用するのかを考えると、楽しむだけの安易な渡航には費用に見合う価値がないように思えてしまう。腰を据えて自分を中心とした小さな国を擬似的に生み出すのであればそれは有効だろうが、そのために捨てなければならないものを今すぐに手離す覚悟はない。

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代償

代償

薄給で質の高い仕事を要求されることに不満を抱く人間は多い。対して、安価で質の良い製品が溢れる環境に疑念を抱く人間は少ないように見える。限られた需要の中で行われる競争によって価格に対する合目的品質ばかりが上昇し、一つのものを長く大切に使い続けるという心情が人々から失われてしまったからだろう。価値の本質がずれたことで払い続けている代償を我々は認識すべきだ。

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飾り

飾り

古めかしく簡便でないものを無差別に悪と評することには反対だ。確かに昨今加速する情報化には便宜性があり、歯止めをかける理由はない。新たに設計された体系に順応し、旧体制を捨て去る光景はもはや日常に見受けられる。一方で、革新的だから導入するという論理がどこかで拡大解釈された結果、新規性のあるものばかりが持て囃される社会になってしまった。島国として幾世紀も練り上げてきた文化が廃れ、近代の流行り物と同じく遣

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慣れ

慣れ

身体が芯から冷える季節になった。特に夜は立ち止まることさえ躊躇われる。昼夜問わず至る所に明かりが灯り、暖がある環境に染まっているのだろう。時や場所に縛られないためには凍える感覚にも慣れなければならない。

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15s

岐路

岐路

岐路に立つと過去を振り返りたくなる。現在までの変化を再認識することで、今後身に降り掛かるであろう様々に対する覚悟を構築しているのか。それとも、記憶の中に散らばっている経験を手がかりに望みのある道を選定しようとしているのだろうか。

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f16
15s

虚無

虚無

真理を唱えても成果を上げても、その名に価値がなければ戯事と見做されるのがこの社会だ。だが、価値が掛けられている冠には実体がなく、被る人間の価値を示すとは限らない。つまり、高い評価を受けたとしても虚しさを感じるのは不思議なことではない。どうせ虚無感に苛まれるのなら、小さな社会で自身の存在を確かめ続けたい。

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躁鬱

躁鬱

大人には鬱になったら休んだり治療する選択肢がある。世間からのある程度の理解も得られる。それに比べて子供の躁鬱はあまりにも軽視され過ぎてはいないか。精神障害を抱える人間が増え続けているのは心の船底に傷を負った子供に寄り添わないからではないのか。

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1/50s