久しぶりに小説を読んだ
ある先生からメフィスト賞を取った作品をいただいた。
最近のミステリはどんなものかと読んでみたが、面白くはなかった。
よくできた物語ではあったが、面白さがわからなかった。わざと面白くないように書いているのだろう。二作目、三作目と書いている内に、次第に面白くしていく、という方法なのではないか。
その方が、ビジネスとして良いはず。
人が創作の物語を書く時、一作目を面白く書く。そして、二作目が書けなくなる。
この原因はこうだ。
一作目は、今までの人生や経験全てを参考にできるし、資料にできるし、素材にできる。文字通り、真っ白なので、初めての創作には、可能性が最も広がっている。
しかし、一作書いてしまうと、そこに含まれている素材を使うことはできなくなる。
それだけ、書く幅が狭くなるということだ。
そして、往々にして人は、初めてのことに全てのエネルギを注ごうとする。完璧に仕上げようとする。だから、ほとんどの場合、いつまでも一作目が完成しない。
プロの作家は、何十作と書く。
ミステリというジャンルで言うと、東野圭吾、森博嗣、京極夏彦、有栖川有栖などは、多作だ。
なぜそれだけの数の作品を書けるのか。もちろん、プロだからなのだが、そもそも創作活動というのは、日記のようなものではない。
自分が経験したことをそのまま創作に使用していたら、書けても三作くらいだろう。
僕たちの人生なんて80年生きたところで、物語として面白い経験など、ほとんど無い。
創作というのは、「新しい物語」であり、ほとんどの場合、作家の経験とは関係がない。
ミステリ作家は、事件に巻き込まれたことなど一度も無いだろうし、ましてや、複雑なトリックを考えて犯罪を行う人間なんて、現実には皆無と言って良いほどだ。
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つきのまどの【つれづれゴニョゴニョ】
最低でも、月の半分、つまり「2日に1回」更新します。これはこちらの問題ですが、それくらいのゆとりがあった方が、いろいろ良いかと。 内容とし…
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