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本:モモ

「懐かしい」
数十年ぶりに本屋で再会した『モモ』。

モモ
ミヒャエル・エンデ 作 , 大島 かおり 訳

https://www.iwanami.co.jp/book/b269602.html  


小学3年生の頃、
転校したての学校の図書館で
この分厚い本を読み切ったわくわく感と爽快感が蘇る。

久しぶりに読んでみて
まったく中身を覚えていないことにびっくり!
ちょっぴり冷っとするところもあるけど
こんなあたたかくて美しい豊かな物語だったとは。
夢中であっという間に読み切ってしまった。

***

『モモ』は、
おとなたちが灰色の男の誘惑に負けて
大切な時間と心をなくしていく世界で、
奪われた時間をとりかえす小さな女の子の物語。

「ねえ、教えて。」
「時間て、いったいなんなの?」

『モモ』P210

もともと心の音を大切にしてきたモモは
人の話を聞くのがとっても上手。
動物や自然、夜空に瞬く星たちの声まで聞き入る。
そんな彼女に時間泥棒の悪魔のそそのかしは効かず、
時間を司るマイスター・ホラに招かれ、
この世界と時間の秘密に迫る。

モモはじっくり考えてみました。
「時間はある
 ーそれはいずれにしろたしかだわ。」

「でも、さわることはできない。
 つかまえられもしない。
 においみたいなものかな?(中略)
 風みたいなものかしら?
 いや、ちがう!
 そうだ、わかったわ!
 一種の音楽なのよ
 ーいつでもひびいているから
 人間がとりたてて聞きもしない音楽なのよ。
 でもあたしは、しょっちゅう聞いていたような気がするわ、
 とっても静かな音楽よ。」

「でも、それだけじゃない。」

「あの音楽はとってもとおくから聞こえてきたけど、
 でもあたしの心の中のふかいところでひびき合ったもの。
 時間ていうのも、
 やっぱりそういうものかもしれない。」

『モモ』P210

時間の本質に気づいたモモに、
マイスター・ホラは時間の秘密を明かしてゆく。

「光を見るためには目があり、 
 音を聞くためには耳があるのとおなじに、
 人間には時間を感じとるために心というものがある。
 そして、もしその心が時間を感じとらないようなときには、
 その時間はないもおなじだ。」

『モモ』P211

"時間"を荘厳なしずけさに感じる"音楽"と表現するモモ。
"時間"を感じるために"心"があると説くマイスター・ホラ。

モモとホラの会話はとっても不思議でとても心地よい。

そしてなにより、モモもホラもなんてロマンチックなの✨

***

今を、
どこで、
誰と過ごすか。

何を感じているか。
どんな心であるのか。
今日1日はどうだったか。

時間っていったい何なんだろう?

小さいモモに聞かれたら、
みんなは何とこたえるかな?

今の私なら
「時間は天からのメッセージ。
 一瞬一瞬にいろんな出会いや願いが秘されてて、
 それにどれだけ気づいていけるか。
 そこにこの世界を生きる喜びがある」
とこたえようかな。

やさしい世界に包まれた物語のなかに
「キラっ」と光の言葉が散りばめられていて、
久しぶりにいろんなことを感じた1冊。

なにより、
この分厚い本を読み切るわくわく感と爽快感はたまらない。
そんな感じを味わいたい方におすすめです🌸


*****

本は時間
と空間を超えて出会える人との出会い。
心に響く光る言葉を知る機会。
知は力なり。

たくさんの人に読んでもらえたらなと思い
本の紹介しています。
気になる本があったら、ぜひ読んでみてください😊

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