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「明るい不登校」を目指すこと

 お久しぶり?に不登校関連の記事です。

 昨今の多様性を受け入れようとする社会の流れの中で、不登校についての見方もずいぶん変わってきたように思います。
 顕著なところでは、(結構前ですが)「登校拒否」から「不登校」へ呼称が変わっているところなど、わかりやすいですよね。

 ただ、不登校を許容する社会の流れがある一方、不登校という選択をした場合、あるいは不登校の状態になった場合に、学校の代わりに子どもが学んだり、経験を積んだりする場が十分でないのが現状です。

 元をたどれば、画一的な学校システムが原因の1つではありますが、今現在、不登校状態にある世代がここを何とかしようというのは現実的ではありません。
※このことについては、別記事で触れましたので、よろしければご参照下さい。


 今回は、学校における不登校の指導を切り口に、どのような「適応」を目指すかについて紹介します。


1 ありがちな不登校指導

 

 よくあるのが、「不登校は良くない」⇒「登校させよう」と支援することです。
 理由が学校生活にある場合は、その原因となるもの…いじめや不適切な環境等を改善することで、不登校状態にある子の状況の好転につながり、再度登校ということもあるでしょう。

 ただ、そればかりではないことも多いです。
 
 例えば、友達関係のささいなトラブルがきっかけで不登校傾向になった…実は、元々家庭環境が不安定で精神的に追い詰められていた、という場合、表面化している友達関係のトラブルの改善を図っても、根本的な家庭の問題が解決していないため、登校には結びつかないケースが考えられます。

 もしくは、そもそも学校という仕組みそのものが、その子にとって生きにくい環境の場合…これも1つ1つの出来事に手を付けても、根本的な改善にはならないですよね。

 それらに気付かず、登校を促しても、本人のしんどさが増すばかりです。
 
 
 しかしながら、とりあえず登校を促す、というケースも多いのが事実です。


2 最悪のケースは…


 

 不登校状態そのものは行為(事象)です。

 その中には、それぞれの原因や理由等があります。
 一人一人の中にある原因や理由等を探ることが重要になってきます。

 
 行為(事象)の中で最悪のケースは、「自死」です。

 子どもが自ら命を絶つことは、防がなければなりません。


 また、「引きこもり」も防ぎたいケースです。

 引きこもり状態になると、「自死」のリスクを高めることにつながります。

 「自死」に至らなくとも、引きこもり状態になることで、実社会との交流の断絶、家族間関係の悪化、自分自身を見失っていく等、良い材料はあまりありません。

 

3 目指すは「明るい不登校」

 

 不登校状態になりつつある、もしくはなってしまった子について、

「明るい不登校」をアリにすることで、かなり視野が広がる場合があります。

 不登校の状態から、根本的な改善がないまま登校(明るくない登校)を促したところで、不登校予備軍であることは変わりません。
 
 不登校のきっかけになるような出来事は、いつでも起こるでしょう。


 しかしながら、学校には行けないが、友達とは遊べる、好きな習い事には行ける、趣味のイベントには参加できる…といった「明るい不登校」状態であれば、

不登校状態ではあるものの、明るく日々の生活を送っている状態であれば、少なくとも最悪のケースである「自死」からは遠ざかります。

 

 専門的な言葉を使えば、「社会的適応」を優先するのではなく、「自己適応」に着目してみよう、という考え方です。


 また、この場合は引きこもってもいません。


 これまでの社会通念からすると、「学校に行ってないのに遊びに行くなんて…」という方もいそうですが、

例えば学校の教員などに、「登校は難しいけど、遊びに行けているならとりあえずOK」という感覚があるだけで、ずいぶん状況は違うのではないでしょうか。


 もちろん、いずれのケースも、子どもに支えが必要なのは間違いないです。
 

 「明るい不登校」を目指し、自己適応をするにも、多少の社会的なつながりは必須でしょう。
 学校以外にどのように社会的なつながりを確保するかは課題となってきます。

 また、その家族も、まだ現状の社会では、通常とは違う環境に置かれている状態になってしまう感は否めません。何らかの支援は必要です。


 大事なのは、「最悪のケースでなければ、とりあえずはOK」として、「明るい不登校」を選択肢に入れること、そして、自己適応、その先にある社会的適応について、幅広い支援の可能性を検討することではないでしょうか。


4 終わりに

 

 この考え方、様々な方の考え方等を集約しています。

 このあたり、わかりやすい研究者として、立命館大学の伊田教授を紹介します↓
(ご本人が不登校⇒登校復帰経験者です)


 学校そのものは、人の成長を促すための仕組みに過ぎません。
 不登校に苦しむことなく、成長していく子どもや、見守る家族の皆さんが増えることを願うばかりです。


 最後までお読みいただきありがとうございました^^
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