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木枯らし0.5号

季節を90度変えようとしている風に包まれると

慣れない冷たさに心が思わず折れてしまいそうで

誰の暖かさが恋しいと思うほど無性に欲したくなる


夏のぬるい空気でしっかりと湿ってしまったマッチが

0と1の間ですらわからないと世間が騒いでいる間にも

落葉すら見せない姿になるまで乾いてしまわぬよう


誰かの体温と誘惑で心と懐を満たそうとしている

この思考は果たして甘いものと捉えられますか?


隣の近所様からお裾分けして貰うのを待つみたいに

貧しい心持ちで相手に期待の眼差しを向けるのは

おそらく間違いなんだと承知の上で視線を合わせる


ただそれはもしも自分が窮地に立たされた時の話で

心から願わくば誰かの手に繋ぎっぱなしで歩こうと

ずっと頼りにしてばかりじゃいられないと思ってて


自分で自分を保つための熱を持ち続けていたいだけ

子供の頃にTシャツと短パンのまま冬空に駆け出す勢いで

北風にも折れることなく耐えられる心が欲しい


それでいくらか冬を越せそうな気がするんだ

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タダノツカサ
最後までお読みいただきありがとうございました。 またお会いできる日を楽しみにしています!

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