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ほくそ笑む | 自由詩
最初は誰からでも笑われても構わない
例えば小学校の一教室からおよそ30人の同級生全員に
膝をついてしまうほどの恐怖感を手肌で感じたうえで
両耳を思わず塞ぎたくなるほどの罵声を一斉に浴びたり
誰もオマエを助けず一人も庇ったり駆けつけようとしないまま
声にならないくらいに泣き叫んだとしてだ
毎晩悪夢のようにオマエの意識に流れ込んだら
悪しき心の重さに体が耐えられるはずもない
そこでひっそりと音を上げてしまえば
全ては連中が編み出した罠にかかること
十中八九…奴等の思い通りと成るだろう
ここで立ち上がらなければオマエは一生このまま
腐敗した誰かの足元に沿って生き続けなければならない
すなわち心無しにとって都合の良い奴隷と化してしまうのだ
そんな人生をこの先ずっと送り続けるのは、イヤだろう?
負けるための人生を謳歌するために生まれてきたのでは無い
オマエの内に秘めた核心が一つの意識に目覚めた時
今こそ自らの足で立ち上がる瞬間が訪れるのだ
たとえその僅かな動きが大したものでなかったとしても
オマエにとっては次の希望に繋がる一歩となるのだ
そうして繰り返しながら確実に進んでいくがいい
いつかオマエが頂点に君臨した時に
影にならぬ角度の茂みからひそひそ話を持ちかけるようにして
たたみかけるように笑いかけていた連中を
どれだけ這いあがろうとしても決して登れることのない場所まで
見下ろしては呆れてしまうくらいに嘲笑うがいい
だが
その行為に躍り出るのは僅かな時間にしておくんだ
いつまでも調子良く下を見続けてばかりいては
せっかく頂きにたどり着いた景色がいつか台無しと化すだろう
それはすなわち、足元を掬われてしまうことと等しい
過去にオマエを嘲笑った連中が苦しむ姿を横目で見たら
あとは前だけ向いて進んだらいい
後ろを振り返ることなく歩めばいい
そして最後は静かに鉄槌を下すように
オマエ自身が笑えればいい
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