虚空は彼方へと去り

三年前は…

頭上に靄がかかり始めるように、様々な不安に駆られていました。

そしてー

春の兆しとともに、家族の港だった人が空へと去っていきました。

一昨年は…

厚い雲に覆われるように、身動きが取れなくなってしまいました。

そしてー

季節が変われど元に戻らず、ずっと閉じ込められてしまいました。

去年は…

雷が鳴り響く嵐の中から、自ら動き出すことを決意をしました。

そしてー

大事な物を失うと引き換えに、一筋の光が差し込んできました。

半年前は…

見慣れない色をした空に、思わず心が揺れ動いてしまいました。

そしてー

人生で何度目か忘れるくらいの、自分探しの旅が始まりました。

一ヶ月前は…

見慣れない街と景色の下で、たった一つの戸惑いを憶えました。

そしてー

憧れだった瞬間に出会い、自信が一つの確信につながりました。

昨日は…

覚束ないままだった目と空の焦点が、なんとなくあった気がしました。

そしてー

自分の中に密かに潜んでいた決意が、ようやく固まりはじめました。