政治(金融)講座ⅴ1480「今中国は粛清の嵐(金融セクターへの粛清)」
中国大陸を巡る王朝の興亡の歴史をみるとそこの映し出される人間模様は現代においても同じである。「欲」(金・権力・性・地位・嫉妬)の渦巻く権力闘争は政治のみならず、企業内組織・官僚組織などあらゆるところに起こる。
温故知新。
今、丁度、秦の始皇帝のドラマを見ているが、武力での戦闘のみならず、スパイ・陰謀・暗殺など、今の中国に起こっていると思われることが盛んに行われていた。
昔から変わっていない政治模様。事実は小説より奇なり、と言われるが、中国はそのような意味でダイナミックである。習近平氏は中国の歴史に始皇帝に次ぐ逸材として歴史に名を残すのであろうか。
吾輩は「綱紀粛正」「汚職・腐敗防止」に尽力している限り、習近平氏を内心応援をしている。中国が今後、経済飛躍するためには、腐敗した人物の粛清で膿を出しきらないといけないと考える。独裁者などと悪評が立っているが、やっていることは、貧富の格差是正のためであろう。中国の王朝の滅亡は汚職・腐敗が内部的原因と外部的勢力の台頭があるが、組織が腐りだしたときに滅亡しているようである。
ただ、苦言を言わせてもらうと、今の中国の政権は正常に商売をしている者への逆効果(反スパイ法や科学的根拠のない言いがかりで海産物の輸入禁止など)を生みさしている、そして解放軍の他国を威圧・侵略する戦狼外交(東シナ海・南シナ海の傍若無人の振る舞い)には、猛省を願いたい。同時に台湾への武力侵略を明言していることである。これで、海外投資家はドン引きしている。中国経済の更なる発展にはマイナスである。今回はそのような報道記事を紹介する。
皇紀2683年11月9日
さいたま市桜区
政治研究者 田村 司
中国、元工商銀幹部を調査-ドイツ銀とゴールドマンで働いた張紅力氏
Bloomberg News によるストーリー • 21 時間
(ブルームバーグ): 中国は中国工商銀行の元幹部、張紅力氏に対する汚職調査を始めた。61兆ドル(約9120兆円)規模の金融セクターに対する取り締まり対象となるトップクラスのバンカーが増えている。
張氏は2010-18年に中国最大の銀行である工商銀に在籍。その前はドイツ銀行とゴールドマン・サックス・グループで要職を務めた。
中国共産党中央規律検査委員会は4日の短い声明で、工商銀でバイスプレジデントだった張氏が規律・法律違反の疑いで調べを受けていると発表した。
関連記事:
「快楽主義」改めよ、中国共産党がバンカーに警告-西側模倣にもくぎ中国、地方債務リスクの解決図る-「長期メカニズム」構築へ
原題:China Opens Corruption Probe Into Ex-ICBC Banker Zhang Hongli (抜粋)
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中国の輸出、10月は予想上回る落ち込み-輸入は予想外のプラス
Bloomberg News によるストーリー • 42 分
(ブルームバーグ): 中国の輸出は10月も減少し、予想を上回る落ち込みとなった。景気回復の不安定さが改めて浮き彫りとなった。
税関総署が7日発表した10月の輸出はドルベースで前年同月比6.4%減少。エコノミスト予想中央値が3.5%減、9月は6.2%減だった。
一方、10月の輸入は前年同月比3%増加。予想は5%減だった。貿易黒字は 565億3000万ドル(約8兆4900億円)となった。
China's Export Decline Deepens in October | Imports expanded in surprise© Bloomberg
原題:China’s Exports Record Bigger Slump Than Expected in October(抜粋)More stories like this are available on bloomberg.com
中国、地方債務リスクの解決図る-「長期メカニズム」構築へ
Bloomberg News
2023年10月31日 20:58 JST 更新日時 2023年11月1日 11:33 JST
北京で10月30日に始まった中央金融工作会議が終了
「中央・地方政府の債務構造最適化」-公的債務の地方集中是正か
中国は地方政府に関係する債務リスクの解決を図る長期メカニズムを構築する。共産党の習近平総書記(国家主席)が出席し北京で開催された非公開の金融会議で決まった。
10月30日に始まった中央金融工作会議が31日に終了。国営の中央テレビ(CCTV)はリスク解決と質の高い発展を促進するため、金融セクターの監視がさらに強化されると31日夜報じた。
同会議はまた、金融システムに対する共産党の統制を強化するとともに、イノベーション(技術革新)やハイテク製造、グリーンテクノロジー、中小企業向けにより多くの資金を提供する必要性を強調した。
中国は地方政府の債務リスクを解決する「長期メカニズム」を構築する
Source: Bloomberg
中国の61兆ドル(約9230兆円)規模に上る金融セクターの優先課題を決める5年に一度の中央金融工作会議は、長引く不動産不況の中で開催された。
大手国有銀行はデフォルト(債務不履行)に陥った不動産開発会社や地方政府へのエクスポージャーから打撃を受け、ゴールドマン・サックス・グループなど外国金融機関は中国事業の拡大計画を縮小している。
会議内容の要旨は、地方の債務リスクを防止し解決するための「長期的メカニズム」や「中央・地方政府の債務構造最適化」に言及。エコノミストらは以前から、中国の公的債務は地方に過度に集中していると主張していた。
ゴールドマンの魏琪氏らエコノミストはリポートで、「地方政府が隠れ債務問題を解決することでレバレッジを縮小しリスクを減らす一方で、中央政府が資金調達責任を高めさらにレバレッジを上げる可能性があることをこうしたフレーズが示唆している」と指摘した。
今回の中央金融工作会議は、昨年終盤まで中国が続けていた厳格な新型コロナウイルス対策のため1年遅れの開催となった。初開催はアジア通貨危機があった1997年。習総書記は前回2017年の会議に参加したが、それ以前は首相が統括していた。
関連記事
原題:China Vows Enduring Local Debt Cleanup at Key Policy Meeting、China Vows System to Resolve Local Government Debt Risks、China to Set up System to Resolve Local Govt Debt Risks: CCTV(1)(抜粋)
中国の金融危機は間近か?習近平政権は回避できない可能性が高い理由
藤 和彦 によるストーリー • 7 時間
中国経済の低迷が深刻になってきた。不動産不況の長期化で2024年の経済成長率は3%を割り込む可能性がある。
景気テコ入れを狙った住宅ローン金利の引き下げは銀行の経営を圧迫。不動産大手の破綻懸念が金融システムの動揺を招く「負の連鎖」も起きている。
銀行セクターにも国家財政にも金融危機を回避するための余裕はあるとの見方もある。だが、リーマン・ショック当時の状況を振り返ると、習近平政権が危機回避をするのは容易ではないと考えるべきだろう。
(藤 和彦:経済産業研究所コンサルティング・フェロー)
11月2日、上海市で急逝した李克強前首相の告別式が北京市で行われ、習近平国家主席ら7人の最高指導部メンバーらが参列した。当局は追悼の動きが政権批判につながることを恐れ、北京市や李氏の故郷(安徽省合肥市)などで警戒を続けたが、特段の混乱は生じなかったようだ。
だが、習近平政権の心配がこれで収まることはないだろう。中国共産党の一党支配を根拠づけてきた「好調な経済(豊かな暮らし)」に赤信号が灯っているからだ。
中国経済を長年支えてきた不動産市場は一向に改善する兆しを見せていない。
中国政府が発表した今年9月の主要70都市の新築住宅価格動向によれば、全体の77%にあたる54都市で前月に比べて価格が下落した。政府が規制緩和を行ったものの、4カ月連続で半数を上回る都市の不動産価格が値下がりする結果となった。
格付け会社S&Pグローバル・レーティングは「不動産市場の低迷が深刻化した場合、中国の来年の経済成長率は3%を割り込む恐れがある」との悲観的な見方を示している*1。
*1:中国経済は24年に2.9%成長も、不動産危機拡大なら-S&P(10月24日付、ブルームバーグ)
不動産不況は中国人の懐に大きな打撃を与えている。
地方政府にとって主な財源である土地使用権の売却収入が急減していることから、中国各地で公務員らの給与削減や未払いが相次いでいる*2。
*2:中国天津市、嘆く公務員 「2回昇進したのに年収2割減った」(10月23日付、日本経済新聞)
9月の土地使用権の売却収入は前年比21%減と21カ月連続の減少となっており、地方政府は財政破綻を回避するため、リストラをせざるを得ない状況にある。
民間企業の実態は明らかになっていないが、景気悪化を受けて、地方政府以上に過酷な賃下げを実施している可能性が高いだろう。
金融システムの動揺を招く「負の連鎖」
金融当局はてこ入れ策として銀行に住宅ローンの金利引き下げを誘導している。それにもかかわらず、不動産の差し押さえの増加に歯止めがかからない。民間不動産調査企業によれば、今年1~9月の不動産差し押さえ件数は前年比32%増の58万4000件となったという*3。
*3:中国の不動産差し押さえ件数、1─9月は前年比32%増=民間調査(10月30日付、ロイター)
住宅ローンの金利引き下げは効果がないどころか、銀行の経営を圧迫し始めている。
中国の大手銀行の第3四半期の純金利マージン(利ざや)が縮小しており、来年の利ざやはさらに縮小することが見込まれている*4。
*4:中国大手4行、利ざやが軒並み縮小 住宅ローン金利引き下げで(10月30日付、ロイター)
中国人民銀行(中央銀行)は11月1日、「不動産セクター向けの融資残高が9月末時点で53兆1900億元(約1099兆円)となり、1年前から1000億元減少した」と発表した。統計を開始した2005年以来、初の前年割れとなった。
銀行にとって不動産セクター向けの融資は「ドル箱」だったが、「今は昔」だ。それどころか、不動産開発企業の経営破綻リスクが高まっており、不動産セクターにおける不良債権の増加が頭痛の種になりつつある。
不動産開発大手の破綻懸念が金融システムの動揺を招く「負の連鎖」も起きている。
経営再建中の不動産開発大手「中国恒大集団」の取引銀行で、10月14日までに取り付け騒ぎが発生したことが明らかになっている。
取り付け騒ぎが起きたのは河北省の地方銀行だが、「恒大に多額の融資をしている」との不確定情報がネットで広がり、預金者が支店に殺到した。混乱を沈静化するため、一部の支店が札束を積み上げて「現金の壁」を築き、信用不安を打ち消そうとする様子がSNSで投稿されたが、その有様は戦前の日本の金融恐慌を彷彿とさせる。
危機への備えは十分か?
中国の銀行セクター全体が抱える不良債権と不良化一歩手前の要注意債権の合計は7.4兆元(約150兆円)であるのに対し、銀行は十分な資本と貸し倒れ引当金などを備えているとの見方もある*5。しかし、1990年代の日本の経験に照らせば、楽観的すぎる見通しだと言わざるを得ない。不動産不況が長期化するにつれて、不良資産が加速度的に増加するからだ。
*5:中国発の金融危機回避 不動産業の支援が左右(10月16日付、日本経済新聞)
「中国は金融危機を回避するための財政的余力を有している」とする見解も有力だが、リーマン・ショック時の経験がこれに「ノー」を突きつけている。
2008年のリーマン・ショック発生当時、米国の国家債務は約10兆ドル(約1500兆円)だったのに対し、国内総生産(GDP)はそれを上回る約15兆ドル(約2250兆円)で財政的に余裕はあった。だが、破綻したリーマン・ブラザーズの総資産は約7000億ドル(10兆5000億円)に過ぎなかったのに、優秀なスタッフを擁する米金融当局は世界的な危機を防ぐことができなかった。
中国共産党は10月30~31日、5年に一度の全国金融工作会議を開催し、金融システムの安定性を保つため、銀行の健全性を点検する仕組みを整備する方針を打ち出した。
「約60兆ドル(約9000兆円)規模の金融セクターの安定」という重い課題を担うのは何立峰副首相だ。国務院を統括する李強首相がその任を務めると見られていたため、習氏の腹心とされる何氏の抜擢は予想外だった*6。
*6:中国の何副首相、経済司令塔の地位固める 主要党組織幹部に(10月31日付、ロイター)
異例の人選について理由は明らかになっていないが、筆者は「習氏の国務院外しの動きの一環だ」と考えている。だが、専門知識を有する国務院のスタッフを等閑視して十分な対策を講ずることはできない。
中国ではこのところ投資マネーが逃避する動きが顕在化している。9月は539億ドル(約8兆円)の流出超過となり、7年8カ月ぶりの規模になったが、この動きはますます加速することだろう。
残念ながら、中国で金融危機が発生するのは時間の問題なのではないだろうか。
中国経済「あまり懸念せず」、一部地方債務には問題=人民銀副総裁
Reuters によるストーリー • 12 時間
[香港 7日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)の張青松副総裁は7日、中国経済について「あまり懸念していない」と述べた。
香港金融管理局(HKMA、中央銀行に相当)主催の国際金融リーダー投資サミットで講演した。
中国は景気減速と不動産セクターの債務危機に直面している。
張氏はまた、中国政府全体の債務は国際的基準から見ると中位から低位の水準にあるとしつつ、地方政府の一部債務には「構造的な問題」が残っていると述べた。
東部と中部の大半の省は債務への対処が十分可能との認識も示した。
中国政府のレバレッジ比率は2023年第1・四半期時点で79.4%だという。
中国証券監督管理委員会の王建軍副主席も同じイベントで講演し、資本市場の国際的な規制にさらに積極的に参加していくと表明した。
参考文献・参考資料
中国、元工商銀幹部を調査-ドイツ銀とゴールドマンで働いた張紅力氏 (msn.com)
中国の輸出、10月は予想上回る落ち込み-輸入は予想外のプラス (msn.com)
中国、地方債務リスクの解決図る-「長期メカニズム」構築へ - Bloomberg
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