やさしい法律講座ⅴ55「『マスク拒否おじさん』の社会的規範と法律」
社会的規範(社会規範)とは、社会生活における規範(守らなければならない規則)をいう。礼儀、道徳、宗教、慣習および法は社会規範である。法は国家によって強制されるのを原則とする点でその他の社会規範と異なっている。しかし、社会規範という言葉は国家とは区別された社会における規範という意味にも用いられる。国家も社会の一種であるが、それとは別に、ばくち打ちの社会、学者の社会、漁民の社会などを考えることができ、そこには、国家法とは別の規範が行われる。このような規範のことを国家法と区別する意味で社会規範ということがある。
吾輩は日課として家庭のごみを分別して決まった曜日に決められた分別ごみを所定の場所に置いている。時々、誰かわからないがこのルールを無視して分別されないごみを出したり、決められた曜日でない日に分別ごみを出すやからがいる。このような社会規範を守れない人も存在する。ゴミ出しの時に顔を合わせると挨拶するのが普通であるが、会釈しても挨拶しても返答のできない住民もいる。礼儀・道徳の社会規範のできていない人もいるのである。最近、「自由」と「我儘」を混同している。「義務」と「権利」は、「ペアー」であることを忘れている。「相手の権利を守って(尊重して)」の自分の権利であること忘れて「自分の権利」優先する姿は嘆かわしいのである。「自分の権利」のみを主張する、これを「我儘」という。周りの迷惑を顧みない。今回の「マスク拒否」は、他の顧客への迷惑を顧みない大人げない行為としか言いようがない。言うなれば、社会規範の欠如である。
翻って「マスク拒否おじさん」の判決について論じる。
報道記事を掲載する。ただし、報道記事の間違いを指摘しておく。「被告」は民事訴訟、「被告人」は刑事訴訟で使用される呼称である。原文まま掲載。
皇紀2682年12月16日
さいたま市桜区
政治・法律研究者 田村 司
「被告」と「被告人」
テレビの犯罪報道で「~被告」という呼称を聴いたことのある方は多いかと思う。しかし法律的には、この「~被告」という呼称は誤りなのです。法律の世界では、「被告」は民事訴訟で訴えられた人を意味します。これに対して、刑事裁判で検察官により訴追された人は「被告人」と呼ぶのが正解です。なお、「被告人」はあくまでも罪を犯したことを疑われている段階なので、犯罪者であると確定したわけではないことに注意しましょう。ちなみに、「被告人」と呼ばれるようになるのは、検察官によって起訴(公訴提起)された時点以降です。起訴前の段階では「被疑者」と呼ばれています(テレビの犯罪報道では「容疑者」と呼んでいますね)。
“マスク拒否おじさん”に執行猶予4年の判決 閉廷後ノーマスクで裁判官に詰め寄り絶叫「到底、容認できない!」
日テレNEWS - 14 時間前
威力業務妨害などの罪に問われている“マスク拒否おじさん”と名乗る元大学職員・奥野淳也被告に14日、懲役2年、執行猶予4年の有罪判決が言い渡されました。閉廷後、奥野被告はノーマスクで裁判官に詰め寄り、「到底、容認できない!」と絶叫しました。
◇
自ら“マスク拒否おじさん”と名乗る元大学職員・奥野淳也被告(36)。2020年、釧路空港から関西空港に向かうピーチの機内でマスクの着用を求めた客室乗務員の腕をひねりあげてケガをさせたり、飛行機を新潟空港に緊急着陸させたりした威力業務妨害の罪などに問われています。
これまでの裁判で奥野被告側は、「暴力の事実はない」などと無罪を主張していました。一方、検察側は、「奥野被告はマスク不着用の名を借りて各地で乱暴を働いた」などと指摘し、懲役4年を求刑していました。
そして迎えた14日の判決公判で、裁判長は「自らの行いを省みる姿勢に乏しいことは明らかである」と述べ、大阪地裁は懲役2年、執行猶予4年の有罪判決を言い渡しました。
すると閉廷後、奥野被告はノーマスクで裁判官に詰め寄り、こう絶叫しました。
奥野被告(36)(閉廷後)
「まるで何の論理もない、中世の魔女狩り裁判だ! 私は無罪で冤罪(えんざい)! 天地がひっくり返った判決だ! 到底、容認できない!」
中世ヨーロッパの“魔女狩り”に例え、「到底、容認できない」と叫びました。
奥野被告はノーマスクをめぐり、去年4月にも千葉県館山市の飲食店でトラブルを起こしていました。
店員(去年4月)
「マスクしてください」
トラブルを撮影していたカメラには、店員が渡したマスクを放り投げる様子も映っていました。
その後、奥野被告は外で駆けつけた警察官に事情を聞かれていました。
奥野被告(去年4月)
「誰に口きいとるんや」
そして、警察官を殴ったとして現行犯逮捕されました。
今年10月の「最終意見陳述」では――
奥野被告(今年10月・最終意見陳述)
「ここに1枚の絵があります」
そう言って法廷で見せたのは、見方によっては壺(つぼ)にも、向かい合う2人の人の顔にも見える、「ルビンの壺」と呼ばれる絵です。この絵を使い、マスク拒否について持論を展開しました。
奥野被告(今年10月・最終意見陳述)
「マスク不着用は非常識だという偏見で見られ軋轢(あつれき)を生んできた。私は無罪で無実。人は自然に呼吸する権利を持ちます。マスクの着用を求められ、応じなかったことを大変誇りに思っています」
ただ検察側は、緊急着陸はマスク不着用が理由ではなく、奥野被告が客室乗務員の指示に従わず安全な運航を妨げたためと主張しています。
14日の判決で大阪地裁は、「自らの考えを押し通すため犯行に及んだ」とする一方、「腕を強くつかまれたとする客室乗務員の供述は信用できず、暴行の程度は低い」などと指摘。執行猶予付きの有罪判決をくだしました。
奥野被告が控訴するかどうかは現時点でわかっていません。
(12月14日放送『news zero』より)
参考文献・参考資料
“マスク拒否おじさん”に執行猶予4年の判決 閉廷後ノーマスクで裁判官に詰め寄り絶叫「到底、容認できない!」 (msn.com)
奥野淳也の現在!父親・東京大学の学歴・明治学院大学クビの経歴・ピーチ航空でマスク拒否事件とその後まとめ (newsmatomedia.com)
奥野淳也(マスパセ)の職業や経歴を確認!学歴は東大卒の超エリート! | トレンドジャーナル (turntablefilms.com)
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