政治講座ⅴ1524「中国脅威論と黄禍論」
政治権力の世界は下剋上の世界である。2番手の者を必ず上位者は地位を奪われる恐怖心から叩き潰す世界である。日本の歴史を俯瞰すると黄禍論による日本脅威論が米国で世論が吹き荒れて、排日運動に繋がった。まさに、歴史は繰り返されているのである。日米の貿易摩擦は繊維・カラーテレビ・自動車・半導体などで米国から相当な外圧を受けて要求を呑んで失われたデフレ経済30年という経済現象を生み出した。米国は常に自国を超えて脅威になる国は叩き潰してきた歴史がある。
今の中国にも同じような事が起きているのである。
皇紀2683年12月1日
さいたま市桜区
政治研究者 田村 司
習近平、やりすぎた…!友好ムード演出も「もはや修復不能」、米中に立ちふさがる「高すぎる壁の正体」
藤 和彦 によるストーリー • 50 分
友好のウラで浮き彫りになる「対立」
「またお会いしましょう」
アメリカのバイデン大統領が中国の習近平国家主席にこう語りかけたのは、11月15日に開かれた米中首脳会談後の別れ際のこと。
ウクライナや中東での紛争対処に追われ、中国との軍事衝突をなんとしてでも避けたいバイデン政権は、融和ムードを懸命に演出した。バイデン大統領は、38年前に訪米した習氏の当時の写真を用意してスマホで談笑する徹底ぶりだった。
しかし、筆者はこの首脳会談で「両国の対立の構図が改めて浮き彫りになった」と考えている。
衰えない「中国脅威論」
特に顕著なのは、経済安全保障の分野だ。
米国が昨年10月に実施した先端半導体の輸出規制などについて、習氏が「中国の利益を損ねている」と不満を述べたのに対し、バイデン氏は「国家安全保障を損なう恐れがある先端技術の利用を防ぐため、必要な措置を取り続ける」と拒否した。
米国主導の国際秩序を作り替えようとする「唯一の競争相手」である中国に対し、米国にも「譲れない一線」があるというわけだ。
このところ経済が急減速しているものの、「中国経済はいずれ米国経済を追い抜く」と予測する米国の経済専門家は少なくない。
中でも脅威に感じているのは、先端技術分野での中国の優位だ。
衰えない「AI技術」が怒りの矛先
首脳会談では、人工知能(AI)に関する政府間対話を立ち上げることが決まったが、米国のIT企業の間では「中国が今後のAI開発をリードする」との見方が一般的だ。
オーストラリアのシンクタンク、豪戦略政策研究所(ASPI)が9月中旬に公表した「先端技術研究の国別の競争力ランキング」によれば、極超音速や水中ドローンなど23分野のうち、約8割に当たる19で中国がトップだった(4分野は米国がトップだった)。
中国は2015年に策定したハイテク産業の振興策「中国製造2025」の中で、建国100年を迎える2049年までに世界の製造強国の先頭に立つことを宣言している。
中国は国を挙げて投資を進め、既に米欧日をリードする事態になりつつあり、危機感を強める西側諸国は、中国への技術流出に対する警戒を強めているのが実態なのだ。
しかし、こうした経済競争や技術競争力への警戒感が高まるのは、まだましなほうだ。
深刻なのは、アメリカ人の中国への不信感が、ここにきて「恐怖」へと変わりはじめたことだ。
習近平、嫌われすぎ…!米中首脳会談のウラで暴走を始めた「中国脅威論」はいったい誰のせいなのか?
023.11.29 藤 和彦
経済産業研究所コンサルティングフェロー
技術革新を妨げる「スパイ活動」
アメリカが必死に融和ムードを演出した米中首脳会談の別れ際、バイデン大統領は習近平国家主席に「また会いましょう」と声をかけた。しかし、バイデン大統領がいくら習氏を受け入れようとも、アメリカの世論は、深刻な中国嫌いに陥っている。
米英など5ヵ国の機密情報共有の枠組み「ファイブ・アイズ」は10月17日「中国が知的財産を盗んでいる」との異例の共同声明を発表した。
中国が官民挙げてファイブアイ加盟国の企業に対してAIを使ったハッキングやスパイ活動を行っている現状について、米連邦捜査局(FBI)のレイ長官は「中国は世界中のイノベーションに『前例のない脅威』になっている」と非難した。
筆者が注目したのは、米航空宇宙局(NASA)のネルソン長官までも「中国が月探査の主導権を握れば深刻な結果を招く」と警告を発していることだ。
このところ月探査に熱心な中国が、従来の国際ルールを破り、経済的利益を独り占めする可能性が高いというのがその理由だ(11月13日付ワシントンポスト)。
中国への警戒感が日増しに高まり…
米国の世論も同様の傾向を示している。シカゴ国際問題評議会が11月17日に公表した調査によれば、米国人の65%が「中国が知的財産を盗んでいる」、32%が「中国は既に米国を超えた」と回答した。
同評議会は「過去30年で最も悪い数字であり、米国の対中認識が劇的に変化したことを表している」と評している。
「中国を侵略国家だ」と捉える米国の政治家たちも中国への対抗策を次々と講じている。
米連邦議会の超党派諮問機関「米中経済安全保障調査委員会」は11月14日に公表した年次報告書の中で、民間技術を使って軍事力を増強する中国の「軍民融合」を警戒するよう改めて主張し、中国による米国企業への投資審査を厳しくするよう要請した。
アメリカで狂乱する「中国脅威論」
米議会の超党派議員も「米国内で実施している自動運転車の走行試験を利用して、米国のインフラに関する機密情報を収集している恐れがある」として中国企業に回答を求める書簡を送っている(11月16日付ロイター)。
電気自動車(EV)を中心に競争力を強めた中国の自動車メーカーは輸出攻勢を強めているが、中国製自動車が「トロイの木馬」の役割を果たしているとの疑いが高まっているのだ。
トロイの木馬と言えば、全米の大学に設置されていた中国語の教育機関「孔子学院」だ。「中国のプロパガンダやスパイ活動の拠点だ」との悪評が立ったため、米国ではほぼゼロになったが、名称を変えて存続していると言われている(11月6日付ニューズウイーク)。
米中関係がぎくしゃくしても、中国人の米国留学熱は収まっておらず、直近の数字でも40万人弱の中国人留学生が確認されている。
米国では中国系企業の農地買収に対する警戒も強まっているが、アーカンソー州のサンダース知事は10月18日「中国系企業に同州の農地売却を義務づける」ことを明らかにした。外国人が州内で農地を所有することを禁止する全米初の措置だ。
発覚した中国系企業の「ヤバすぎる実験」
今年8月、米カリフォルニア州で中国系企業が新型コロナウイルスなどを使った危険な実験を秘密裏に行っていたことが明るみになったが、連邦議会下院の特別委員会は11月に入り、問題になった企業と中国政府との関係を示す調査結果を公表している。
それによれば、当該企業の所有者は中国人民解放軍の軍事プログラムに関与しており(11月16日付ZeroHedge)、中国の複数の銀行から130万ドル(約1億9500万円)もの資金を受けていた(11月21日付ZeroHedge)という。
「中国の侵略を食い止めろ」との民意の高まりは、20世紀初頭に全米で吹き荒れた日本人脅威論の「黄禍論」を彷彿とさせる。
来年11月の大統領選に向けて米国で「中国脅威論」が高まるのは必至だと言わざるをえない。いくら米中首脳同士が対面で融和を演出したところ、対立は避けられないのではないだろうか。
中国経済は日本と同じ轍を踏むのか、中国の政治学者の見解は…
Record China によるストーリー •
2023年11月29日、中国の政治学者で中国人民大学国際関係学院の金燦栄(ジン・ツァンロン)教授が自身の微博アカウントで「中国経済は、日本と同じ轍を踏むのか」について自身の見解を披露した。
金氏は中国経済が現在困難に直面しており、特に米国人を中心に中国経済がすでに天井に達したことを意味する「ピーク・チャイナ」という言葉が出回っていると紹介。また、中国人の中には現状を1980年代の日本と比較し、急激な経済の衰退が間もなくやって来るとする者もいるとした。
その上で「こういった考え方は誤りだ」と主張。「日本と中国では違う。日本の戦略には自主性がなく、米国にコントロールされている。そして日本は国土が非常に小さく、資源や市場が不足している。一方で中国の戦略は自主的で、資源も日本より豊富であるため経済回復の余地が十分にある。当時の日本と今の中国を並列するのは軽薄であり、思考の怠惰だと考える」と評した。
金氏の考え方について、中国のネットユーザーは「時代も環境もモデルも違う」「誰かが日本と同じ轍を踏むことを望んでいるのかもしれない」との声がある一方、「不動産に頼り続けていれば、最終的には日本と同じになる」「中国人のお金のためなら何でもするという信仰心を変えない限りは活路はない」「中国経済はまだ初歩的段階にあるのに、不動産によっていびつになった。国は質の高い発展を推進しなければ」といった声も上がっている。(翻訳・編集/川尻)
イエレン財務長官、過度な中国依存に警鐘-バイデノミクスをアピール
Christopher Condon によるストーリー • 8 時間
(ブルームバーグ): イエレン米財務長官は30日、主要なサプライチェーンにおける過度な中国依存を米国は減らす必要があると改めて強調した。バイデノミクスをアピールするスピーチの中で米国の生産能力への大規模な投資を喧伝した。
イエレン長官は米リチウム化合物生産メーカー、リベントのノースカロライナ州工場で「クリーンエネルギーなどの分野における主要なサプライチェーンは、中国に過度に集中している。数十年にわたる不公正で非市場的な慣行がその一因だ」と述べた。発言内容は事前に公表された。
さらに「中国などへの過度の依存は、自然災害からマクロ経済的な力、経済的な強制措置のような意図的な行動に至るまで、海外生産へのアクセスを妨害するリスクに対して米国をより脆弱(ぜいじゃく)にする」と語った。
イエレン長官は新たなエネルギー源に投資するインフレ抑制法の影響で「米国は製造業のルネサンスを目の当たりにしている」と話した。
原題:Yellen Warns on China Overdependence in Touting Bidenomics(抜粋)More stories like this are available on bloomberg.com
参考文献・参考資料
習近平、やりすぎた…!友好ムード演出も「もはや修復不能」、米中に立ちふさがる「高すぎる壁の正体」 (msn.com)
習近平、嫌われすぎ…!米中首脳会談のウラで暴走を始めた「中国脅威論」はいったい誰のせいなのか?(藤 和彦) | マネー現代 | 講談社 (gendai.media)
中国経済は日本と同じ轍を踏むのか、中国の政治学者の見解は… (msn.com)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?