政治講座ⅴ1313「墓穴を掘る中国共産党:デカップリングという墓穴。中華民国と国交回復の上に中華人民共和国と断交を決断すべき時期」
中国のバイヤーに買い占められ。買い負けしていた海の幸が日本人にも低価格で美味しく食べられる。災いを転じて福となす。マイナス思考ではなくプラス思考が社会を生きる知恵である。『処理水』を『汚染水』とわざと曲解して、民衆を扇動するのは中国共産党の常套手段である。中国は日米の半導体規制で締め付けられているので、嫌がらせである。このような反日活動をしながら、中国は海外に投資を誘ってくる。中国から海外企業が逃げだすのは当たり前である。墓穴を掘っているのである。アクセルを踏みながらブレーキを踏む。中国共産党は政策・政権能力がなく、中国を統治する正統性はないことが証明されたようなものである。1972年9月に日中共同声明を発表して、日本国と中華人民共和国が国交を結んだが、それが中華民国との断交と言う犠牲の上に成り立つものであった。中華民国と国交回復の上に中華人民共和国と断交を決断すべき時期かもしれない。中華人民共和国は成長の見込みがないほど経済が疲弊して、経済的魅力に乏しく、覇権国家に変貌した中華人民共和国は脅威でしかないのである。今回も「処理水」の報道記事から紹介する。
皇紀2683年8月29日
さいたま市桜区
政治研究者 田村 司
中国漁船を日本近海から追い出すチャンス!? 処理水放出で〝イチャモン〟エスカレート…「天に唾する状況」識者指摘
オピニオン2 時間
中国の「非科学的な狂乱」がエスカレートしている。東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に反発して、日本産水産物の輸入を全面的に停止したのに続き、日本の水産物の加工や調理、販売を禁じると発表したのだ。国際機関が次々と、日本の放出計画を評価するなか、中国と韓国の左派野党などが大騒ぎを続け、風評被害を煽っている。識者の中には、日本近海に侵入する中国漁船を追い出すチャンスと見る向きもある。
「処理水放出についての日本の規制基準は、国際的な放射線の安全基準に基づいている」
世界保健機関(WHO)報道官は25日、日本の対応に問題はないとの見解を示した。国際原子力機関(IAEA)も以前から、「国際基準に合致する」と語っており、複数の国際機関が評価したことになる。
東京電力は25日、処理水の海洋放出後、第1原発の周辺10カ所で採取した海水を分析した結果、放射性物質トリチウムの濃度は「全地点で機器が検出できる下限値を下回っていた」と発表した。
環境省も同日、周辺の海水を採取したほか、水産庁は魚の分析に着手し、科学的な処理水の監視が本格化した。
こうしたなか、中国はイチャモンのレベルを上げた。
中国の国家市場監督管理総局は25日、食品業界の経営者に対し、日本の水産物の加工や調理、販売を禁じると発表した。中国税関総署が前日、日本産水産物の輸入を全面的に停止したのに続き、日本産水産物を徹底的に排除する措置を打ち出したが、これはおかしい。
第1原発が今年度放出するトリチウムの総量は年間22兆ベクレル未満だが、中国・秦山第3原発は約143兆ベクレル(2020年)で6倍以上なのだ。自国周辺の水産物を警戒すべきではないのか。
異様な対応の背景として、中国国内で不動産危機が金融危機に発展するなか、習近平政権への批判の矛先をかわす狙いも指摘されている。
評論家の八幡和郎氏は「中国の対応は、政治的側面が強い。来年1月の台湾総統選や、来年4月の韓国総選挙を見据えて、処理水放出で『反日』ムードを煽って、中国に都合のいい結果が出るように動いている。国内経済の苦境も一因だが、経済回復のためには日本との関係改善は不可欠のため、天に唾する状況となっている。日本としては、中国の矛盾を突くのはどうか。中国が危険だという日本近海には、中国漁船が大挙して侵入して漁をしている。事実上の無法状態となっている。そうした中国漁船の写真や名前を、中国語で発信するのはどうか。日本近海から中国漁船を追い出すチャンスだ」と語っている。
福島の処理水排出で中国人が「塩パニック」、ネットでは「踊らされている」の声も
Record China によるストーリー •11 時間
日本の福島第一原子力発電所で24日に処理水の海洋放出が始まったことで、中国では多くの人々が「海水が汚染されて塩を入手できなくなる」と考えて、争って食塩を購入する動きが発生した。しかしインターネットでは、「皆が踊らされているのさ」などと冷ややかに論じるユーザーもいる。
中国では製塩企業が次々に、塩を買いだめする必要はないとSNSなどを通じて表明した。しかしSNSには、多くの人がスーパーに詰めかけて、塩を奪い合うように買っている光景を紹介する投稿も寄せられた。「塩パニック」を示す動画なども投稿され、別人が転載することで「塩パニック」の情報はさらに拡散していった。通販サイトでも食塩が品薄になり、完売状態なったケースもある。
ただし、多くの人が塩を求める状況を冷ややかに論評する投稿もある。あるネットユーザーは「みんな、授業料を支払わされているのさ、カモだからね」と皮肉った。
中国政府や中国メディアは、福島における処理水の海洋放出を厳しく非難してきた。しかし重大かつ極めて長期にわたることが必至のリスクが発生すると強調しているものの、健康被害がただちに発生するとは言っていない。しかし、中国政府の強硬な対日批判の報道が繰り返されているうちに、人々の恐怖心は増幅されることになった。
あるネットユーザーは、関連報道が続いたことで「日本の今回の廃水は、世界を滅ぼすのと同じようなことになってしまった」と批判した。同ユーザーは、「興味深いことに、民間の激しい抗議の騒ぎの裏で、最も発言力のある国際科学界には、公に反対を表明した権威ある専門家や機関はほとんどない。中国国内でも(反対を表明した専門家などは)存在しない」と紹介し、さらに「国際原子力機関(IAEA)が日本の核廃水を審査する作業部会に、中国の代表者が一人いること、そして現在のIAEA副事務局長も中国人であることを知っておく必要がある」と指摘した。
中国では2011年にも、福島第一原子力発電所が東日本大地震に伴う津波の被害を受け、放射性物質が海に流出したことで、多くの人が食塩を購入しようとする「パニック」が発生した。(翻訳・編集/如月隼人)
処理水放出に激怒、中国で自分の日本料理店を破壊するオーナーにネットでは冷めた声も
Record China の意見•14 時間
東京電力福島第一原発にたまる処理水が海へ放出されたことに関連し、中国SNSの微博(ウェイボー)に26日、貴州省畢節市の男性が自ら開いた日本料理店を怒りに任せて破壊したとする動画が投稿され、注目されている。
男性は、店を破壊したことについて「放射能汚染水が海へ放出され、水産物や関連産業に影響が出るだろうし、民族意識も相まって破壊した。もったいないとは思わない。中国風の飲食店に改装する予定だ」などとコメントした。
中国のウェイボー利用者からは「民族意識というなら、なぜそもそも日本料理店を開いたのか?」「民族意識が急に芽生えた?」「ただのパフォーマンスにすぎない」「もともと店の経営がうまくいってなくて、改装する予定だったのでは?」「宣伝費が浮いたね」などのコメントが寄せられた。(翻訳・編集/柳川)
中国、反日感情が拡大 日本人学校に次々嫌がらせ
共同通信社 によるストーリー •11 時間
中国山東省青島の日本総領事館近くで25日に見つかった「日本鬼子(日本人の蔑称)」などと書かれた落書き(提供写真・共同)© KYODONEWS
【北京、上海共同】東京電力福島第1原発処理水の海洋放出後、中国の日本人学校に石や卵が投げつけられる嫌がらせが相次いだことが27日分かった。日本政府は邦人の安全確保に万全を期すよう中国に求めた。中国では海洋放出に伴い反日感情が拡大し、日本製品の不買が呼びかけられた。訪日団体旅行は予約キャンセルが続出。対日世論は急速に硬化し、日中関係の冷え込みは必至だ。
中国は日本からの水産物輸入を全面的に停止するなど海洋放出に強く反発。当局はSNSへの反日的な投稿を容認しており、過去に起きたような暴力的な反日デモ発生への懸念が高まる。北京の日本大使館など各地の日本公館では厳重警備が敷かれた。
公明党の山口那津男代表が28~30日に訪中する予定は中国が「適切なタイミングではない」とし、延期になった。日本国内の個人や団体には中国から迷惑電話が相次いだ。
今月10日に中国政府が解禁した訪日団体旅行は高い人気を誇っていたが、中国旅行大手の担当者は海洋放出後、中国メディアに「キャンセルが相次いでいる」と答えた。
北京の日本大使館付近を警戒する警察車両=27日(共同)© KYODONEWS
【福島原発・処理水放出】中国の輸入全面停止で魚が安くなる庶民のウマ味
アサ芸プラス の意見•15 時間
福島第一原発処理水の海洋放出が波紋を広げている。中国税関当局は、日本を原産地とする水産物の輸入を8月24日から全面的に停止すると発表。さらに「日本の食品の汚染リスクの確認を続け、日本から輸入される食品に対する監督管理を強化する」としており、水産物以外の食品の輸入にも影響が及ぶことが懸念されている。
これまでにも中国は、福島、宮城、東京など10の都県からの輸入を禁止してきたが、今後は全国に拡大されることになる。また、香港政府も海洋放出が行われた場合、水産物の輸入を全面禁止することを表明している。
日本にとって中国と香港は水産物輸出先のトップ。全面禁止がいつまで続くか分からないが、大きな影響が予想される。
一方で、日本の魚の価格が大幅に安くなるという指摘もある。タレントのフィフィなどは中国の対応により魚の値格が下落するとし、「私は魚大好きです。日本の魚どんどん食べますよ」とツイートしている。
食品ジャーナリストが語る。
「実は日本の海産物の価格を吊り上げている原因のひとつは『輸出』です。かつて中国人は生の魚を食べませんでしたが、近年は特にマグロが人気になっており、バイヤーが直接日本の漁港に買いつけに来ることもしばしば。そんな中国や香港の需要がなくなればそのぶん、日本の消費者は安く購入できるというわけです」
秋の風物詩ともいえるサンマはかつて、1匹100円が相場だったが、近年は高騰が続き1000円の値を付けたこともある。実はこれも中国がサンマの漁獲量を急速に伸ばしている影響もあるためだが、海洋放出を嫌って中国が漁獲量を減らせば、サンマの価格も下落するかもしれない。
(ケン高田)
中国人がマグロの旨さに気づいてしまった…豊洲の仲卸が「セリで勝てない」とこぼす中国業者のエグい買い方
坂口 孝則 によるストーリー •18 時間
食料品の値上げが続いている。調達・購買コンサルタントの坂口孝則さんは「海外のバイヤーは日本の買い手よりも高い価格で仕入れている。食料に対する日本の購買力が落ちているという現実を直視するべきだ」という――。(第2回)
※本稿は、坂口孝則『買い負ける日本』(幻冬舎新書)の一部を再編集したものです。
マグロを買い漁る「中国人バイヤー」
年始恒例のマグロの初競り。2023年には豊洲市場で青森の大間産本マグロに3604万円の値がついた。落札者は「銀座おのでら」を運営するONODERA GROUPと水産仲卸「やま幸」だった。また常連として「すしざんまい」の木村清社長の姿もあわせて全国ニュースで報じられた。
そのいっぽうで、中国人バイヤーの存在が大きくなっている。
水揚げ金額が日本一であると知られる焼津港では中国人バイヤーが跋扈(ばっこ)する。もちろん跋扈といっても違法な行為をやっているわけではない。中国人のあいだではマグロの解体ショーが人気だという。中国の富裕層を中心に日本旅行などの経験から「マグロの旨さに気づいてしまった」ため、日本に質の高いマグロを求めて中国人バイヤーたちがやってきている。
中国人バイヤーは「かなりの量を求め」かつ「金払いがいい」。そうなると仲介業者も売らないはずがない。中国人バイヤーは中国人バイヤーで、中国の消費者が求める金額上限まで仕入れることは経済合理的だ。世界では一人あたりの魚介類消費量が50年で2倍になったのに対し、中国ではなんと約9倍にも伸びている。日本はその魚介類消費量は50年前と比べて下回っており、中国に肉薄されている状況だ。しかも、肉薄されているのは一人あたりだが、両国では人口がまったく違う。
世界中で需要が高まり“買い負け”が多発
水産庁が公表している1988年から2020年の「まぐろ類」の国内生産量は26万トンから11万トンに下がっている。また輸入量は46万トンから28万トンと同じく減少している(農林水産省「漁業・養殖業生産統計」、財務省「貿易統計」)。
各弁当店でマグロが仕入れられずに使用魚を変更したといったニュースが流れた。マグロだけではなく漁業者から卸売業者に販売している魚種は総じて2022年に前年より値上がりした。それは大衆魚にも及ぶ。マグロのような高級魚だけではなく、円安、漁獲量の減少や原油価格の高騰に加えて、諸外国への買い負けが生じているからだ。
2022年には大手回転寿司チェーンが価格改定を発表したのも記憶に新しい。またズワイガニも5年で倍近くの金額になっている。世界中で食する人たちが増えた。需要が急増し、かつ日本は高値で応札できていない。結果、日本の輸入量は2022年までの10年で約2割減少し、そして金額は約2.2倍になった。水産資源だけではない。牛肉も中国に「買い負け」する場合が多い。
中国は牛肉輸入量が激増している。2016年に50万トンちょっとだったのに2021年には233万トンに上った。市場では台湾や韓国などのアジアの国々が牛肉を買おうと争う。日本では手に入らない状況を「ミートショック」と呼んだ。
他国は日本より3割以上高い価格で購入している
他国が買い争う肉を調達しようと努めても「高くて、買ってもその価格で売れないから儲からない」とする日本商社もいた。世界の業者も中国が高く買ってくれるため、日本の企業にふっかけることもあった。しかし日本が買ってくれなくても中国が買ってくれる。むしろ日本から諸外国への牛肉の輸出は急増しているほどだ。
同じく中国を中心としたバイヤーらが日本国内の買い手より3割以上高い価格で購入する。日本の商品を高く買ってもらえる状況は喜ばしいともいえるが、喜んでいいのだろうか。また、低糖質で人気になっている羊肉も中国の火鍋消費の伸びに影響を受けている。日本が羊肉の3割を調達するのはニュージーランドだが同国は中国へも多く輸出する。中国は旺盛な需要を誇る。日本の同国からの輸入は2020年から2021年にかけ一時、減少した。
また、ブラジル産の若鶏肉も値段が高騰している。理由は他国が高値で調達するため、日本が買い負けているからだ。数年前までは日本より高く買ってくれる国はなかった。多くのブラジル養鶏農家は商社を通じて鶏肉を販売する。養鶏農家が言語の違う国に、貿易実務まで請け負って販売するのはなかなか難しいからだ。
養殖魚も大きな影響を受けている
このところ商社のもとには「日本が買ってくれる価格よりも中国が買ってくれる価格のほうが高い」と値上げを交渉されるようになった。日本がその交渉を断ると中国に振り向けるといわれる。これも経済合理性のため養鶏農家を責めるわけにはいかない。
日本では若鶏肉ではなく、これまで無視されてきた親鶏肉がミンチ材料に使われるようになった。それでも日本が買い負けるケースが多くなった。他国はブラジル産を選択していなかったが、ウクライナ戦争でウクライナからブラジルに切り替えたため全面的に品薄になったのだ。たまたま2022年は鳥インフルエンザもあり、鶏めしの素を作っているメーカーは供給不足から生産を停止せざるをえなかった。
これら食肉はもはや調達戦争の色合いさえある。食肉を忌避する宗教はあるものの、国連食糧農業機関のデータでは、一人あたりGDPと食肉需要はおおむね正の相関にある。新興国の経済成長が続く限り肉の奪い合いになる。
なお食料のうち養殖魚であれば諸外国の影響を受けないと考えるかもしれない。しかし昨今に生じたのは養殖業者の呻吟(しんぎん)だった。餌に含まれる魚粉の価格が上昇していたからだ。
肥料や家畜の餌も中国に依存している
魚粉はペルー産のカタクチイワシが原材料だが、そのペルー産を中国が高額で調達していた。中国は世界の豚肉消費量で圧倒的比率を占め、魚粉は養殖業ではなく主に養豚むけだった。
中国の業者は魚粉がいかに高騰しようとも高額で予約注文を入れることで量を確保した。日本にとっては養殖のコストのうち6割強を占めるため影響は大きかった。養殖業者はいかに魚粉を使わないかを研究し、大豆の油かすなどを与える試行錯誤も続けている。
水産庁も新たな飼料原料の開発を目論む。「養殖業体質強化緊急総合対策事業」として養殖コスト低減対策事業に補助金を入れる。おそらく補助を提供するための関係者の努力は相当なものだっただろうが、それまで魚粉が採用されていたのは低コストだったからだ。代替案の低コスト化、安定調達体制など課題は山積みだ。
さらに、日本は食卓に並ぶ食品だけではなく、その農作物の肥料や家畜の餌も輸入に依存している。肥料のうち塩化カリウムはロシアとベラルーシから大量に輸入していた。これらが滞っているのは周知のとおりだ。また尿素は中国とマレーシアから、リン酸アンモニウムは中国からだ。中国からは調達できているが、将来にわたる安定性はあやうい。
大臣級が動かないと問題が解決できない
2022年には農林水産副大臣が急遽モロッコに向かい、リン酸アンモニウムの供給をお願いした。農林水産省によると「安定供給に協力したいとの発言」があったそうだ。この応答は力強いと思うものの、トップが動かないといけないくらい食料・肥料原料の奪い合いが起きている。
地球の収穫量は増えるものの無限ではなく、人口増も大きい。異常気象も食の奪い合いを加速させる。実際に、肥料の国際価格は種類によっては数年前から数倍になっている。さらに窒素肥料の大部分はアンモニアを原料とするが、拍車をかけるように、各国の工場では燃料となる天然ガスなどの高騰で不安定さがにじむ。アフリカでは肥料の投入を抑える農家が増えるほどだ。
農作物でも家畜でもそうだが、育てるコストの上昇分を回収できるかは運しだいといえる。たとえば和牛を育てても、出荷するまでに数年がかかる。途中で飼料の高騰があっても出荷時点の市況価格とは関係がないためロスが生じる可能性があるからだ。
コメが過剰になり、小麦依存が進んだ戦後の日本
よく知られる数字だが、カロリーベースの食料自給率は38%だ。主食のコメは75%で健闘しているものの、小麦は17%、畜産物も16%にすぎない。カロリーベースだけではなく生産額ベースも下がっている。
もともと日本は記録の残る1930年には小麦の自給率は67%だった。戦後まもなくも40%を超えていた。しかし米国からの要請で過剰な小麦在庫を引き受け、学校給食でもパンを採用した。次にコメが過剰となり、小麦は世界への依存が高まっていった。
ロシアとウクライナは小麦の世界輸出量の3割を占めていた。戦争により、あるいは政治的に同二国からの供給が減ったのだから世界的な高騰は当然だった。どの国も世界価格に影響を受ける。アメリカ産やカナダ産も上昇した。政府は農家減少に歯止めをかけようとしたり、国内堆肥の活用、国内での小麦の生産への補助金を出したりしている。2030年までには食料自給率を45%までに伸ばそうとしているが、楽観はできない。
さらに、重要な穀物にトウモロコシがある。2020〜2021年にはトン100ドル強だったのが2023年初頭には250ドルほどに急騰している。中国が米国からの輸入を増やしている。米中経済戦争の結果、中国が交渉の末、米国に米国産の輸入増を約束した結果だ。
食料自給率が横ばいなのはむしろすごい
中国は米国に依存する形になった。そこでウクライナ戦争が起き、取り合いが本格化した。
ウクライナは世界のトウモロコシ輸出の10%強を占めていた。食料生産地帯を被害地とする戦争は市場を高騰させた。さらにウクライナの農家は穀物を長期保存する空調設備を有していない点も痛手だった。また、世界各地で天候不順もあったし、穀物を使ったバイオ燃料の需要も高まった。さらに日本は調達困難を味わった。
日本で食料・農業・農村基本法が策定された1999年から24年が経った。同法は食料の安定供給の確保を狙うものだった。ただ、そこから食料自給率は横ばいで上昇していない。ただ、よく横ばいで踏みとどまったというべきか。
農業に従事する人は123万人でほとんどが60歳以上。さらに廃業を選ぶ人たちもいる。当然、農地も総産出額も減っている。ここ近年、生産資材の高騰で農家は危機的状況に陥った。実際に農業関連企業の倒産状況を見るとコロナ禍が始まった2020年、2022年は過去20年で最多件数になっている。海外からの肥料や飼料は高騰。しかも国内では高く買ってもらえないからコストを自ら負担するしかない。
世界でもっとも農林水産物を輸入する国だったが…
高度成長期であれば文字通り日本は成長していたため、食料が値上がりしても調達できた。しかし相対的な地位は下がっている。もちろん無策だったわけではない。日本は第二次世界大戦を経て、さらに米国の禁輸措置、1973年の「大豆ショック」も経験したため予防的な取り組みを開始していた。他国への調達ソースの拡充や資金援助なども広げた。ただ現在では日本は食料の相対的な購買力が落ちている。
100円で仕入れたものを200円で販売しているとする。仕入原価は50%だ。もし、諸外国の成長やインフレによって仕入れるものが200円になったとする。自国も成長し仕入れ価格の倍の400円で販売できれば問題がない。ただ、日本はそうではないので「調達する力」が落ちている。
昔の経済力のままなら既存の構造で良かったのかもしれない。1998年には世界のなかで農林水産物をもっとも輸入しているのは、533億ドルの日本だった。日本は最重要顧客で誰もが日本を向いていた。しかし人口急増と経済成長により、2021年には中国が1251億ドルとトップになった。なお中国は世界の食料消費量に占める比率として、野菜と豚肉で50%前後、果物・穀物が25%前後と、圧倒的な状況にある。
---------- 坂口 孝則(さかぐち・たかのり) 調達・購買コンサルタント 未来調達研究所株式会社所属、講演家。2001年、大阪大学経済学部卒業後、電機メーカー、自動車メーカーに勤務。原価企画、調達・購買に従業。現在は、製造業を中心としたコンサルティングを行う。『牛丼一杯の儲けは9円』『営業と詐欺のあいだ』『未来の稼ぎ方』『買い負ける日本』(すべて幻冬舎新書)、『製造業の現場バイヤーが教える調達力・購買力の基礎を身につける本』『調達・購買の教科書』(日刊工業新聞社)など多数の著書がある。 ----------
参考文献・参考資料
中国漁船を日本近海から追い出すチャンス!? 処理水放出で〝イチャモン〟エスカレート…「天に唾する状況」識者指摘 (msn.com)
福島の処理水排出で中国人が「塩パニック」、ネットでは「踊らされている」の声も (msn.com)
処理水放出に激怒、中国で自分の日本料理店を破壊するオーナーにネットでは冷めた声も (msn.com)
中国、反日感情が拡大 日本人学校に次々嫌がらせ (msn.com)
【福島原発・処理水放出】中国の輸入全面停止で魚が安くなる庶民のウマ味 (msn.com)
中国人がマグロの旨さに気づいてしまった…豊洲の仲卸が「セリで勝てない」とこぼす中国業者のエグい買い方 (msn.com)
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