
政治(寓話)講座ⅴ1591「嘘だろう?『ミサイル燃料に水!』まるで『樽の中のワイン』の寓話みたい」
寓話と同じことが中国解放軍の中国のロケット軍や防衛産業に広がる汚職が原因で汚職に関連した不正として、ミサイルに燃料の代わりに水を注入していた事実があるようである。なぜこんなことが起こったのかを考えたら、寓話の『樽の中のワイン』を思い出した。今回はその報道記事の紹介と『樽の中のワイン』を解説する。
皇紀2684年1月12日
さいたま市桜区
政治研究者 田村 司
はじめに
・全員に責任がある時、誰の責任でも無くなる。無責任状態となる。俺一人ぐらいは水を混入しても分かりはしないという心理の集合がこのような結果を招くのである。
寓話の『樽の中のワイン』の内容
ある山奥のユダヤ人の村に、新しいラビ(宗教主導者)が着任することになりました。村人たちは集まり、ラビが着任する日に、祝いの宴を開くことを決めました。また、祝いの酒を用意するために、ユダヤ教会堂の中庭に空の樽を用意し、前日までに村人それぞれが1瓶分のワインを樽の中に注ぎ入れおくことを決めました。
村人たちが入れたため、当日までに樽はいっぱいになった。そして新任のラビが到着すると村人たちは住まいに案内した。その後、ユダヤ教会堂に案内して、祈りを捧げた。
この後祝いの席となった。しかし、どうしたことでしょう、樽から注いだ液体は全く酒の味がしない。それはまるで水のようでした。長老たちは新任のラビの手前、戸惑い、恥じた。あたりには突き刺すような静寂が立ち込めている。
さて、村人たちは確かに樽をいっぱいにしたはずなのに、どうしたわけであろうか?
隅にいた貧しい村人が立ち上がってこう言いった。
「皆さんに告発します。実は、みんながワインを注ぎ入れるだろうから、私が1瓶分ぐらい水を入れたって、誰にもわからないだろう。そう思ったんです。」
するとどうでしょう、他の村人も次々に言いだした。
「実は俺も同じことを、、、」「わしもです、、」「私もです、、」とうとう村人全員が同じことをしていた。
このお話はタルムードというユダヤ人の教えの中に含まれる小話で、全員に責任がある時、誰の責任でも無くなってしまう、ということを教えてくれます。
皆で一緒に考えよう、皆で一緒にやっていこう、という言葉は聞こえは良いですが、一歩間違えればこのように全く組織として全く機能しなくなってしまう。
誰かの手抜きやさぼりがあっても、それを尻ぬぐいする人がいて、リカバリーが効くうちは大丈夫ですが、許容量を超えた時、突然問題が表面化してしまうのである。
このような状態にならないためにも、組織の上の人たちは責任の所在を明確に、組織の下の人達は「自分一人くらい、、、」と考えるのではなく、しっかりと役割を果たすことが大切である。
さて、次の報道記事が問題の『ミサイル燃料に水』の記事内容である。
中国、軍事行動の可能性低下=汚職原因、ミサイル燃料に水―米分析
【ワシントン時事】米ブルームバーグ通信は6日、米情報機関の分析として、中国のロケット軍や防衛産業に広がる汚職が原因で、習近平国家主席が今後数年内に大規模な軍事行動を検討する可能性は低くなっていると報じた。
一方で米情報機関は、最近の汚職摘発は習氏の共産党内での統制力が依然強固なことを示していると説明。汚職撲滅や規律向上を通じ、中国軍の長期的な戦闘準備に取り組んでいると指摘した。
米情報機関は汚職に関連した不正として、ミサイルに燃料の代わりに水を注入していたことや、中国西部に配備したミサイル格納庫のふたが正常に機能しないものだったことを挙げているという。
米側は中国軍内の汚職で「特にロケット軍に関し、全体的な能力に対する信頼喪失につながっており、優先課題である近代化の一部についても後退させている」と分析している。
寓話の『樽の中のワイン』における“自分一人くらい…”の心理

ケアラー支援カウンセラー|惠然庵
2021/08/13 16:59
イソップ寓話の「樽の中のワイン」という話をご存知でしょうか。
昔、祝い事のために、村人たちがワインを持ち寄ることになりました。
持ってきた人は決められた樽の中にワインを入れておくように、というルールです。
当日、さあみんなでワインを飲もうとなって樽から注ぎますが、
飲んでもワインの味がしません。
なぜかというと。
「高価なワインを寄付なんかしたくない。自分一人くらい水を混ぜても分らないだろう」
という考えを、皆がもってしまい、皆が水をいれていた、という話。
「自分ひとりくらい」と思ってやってしまうことは、結構ありますよね。
しかしそれを思いつくのが自分だけではない。
結局皆が「自分だけズルをしよう」として、皆が同じことを考えていた。
似たようなことはよく身近で起こる気がします。
自分一人くらい、ポイ捨てしてもいい。
自分一人くらい、を手抜きしてもいい。
自分一人くらい。
100のうち1人なら、もしかしたら。
でも100人が100人やれば?
誰もが持ちうる心理だからこそ、自分一人くらいは「ちゃんと」やったほうが、価値がありますよね。
皆がポイ捨てしても、自分は捨てない。
皆が手抜きしても自分はしない。
自分一人だけだとしても。
My Opinions.
日本人は、中国共産党の腐敗・汚職を他山の石としなければならない。
世界中から習近平に独裁者との悪評が絶えないが、このような腐敗・汚職にた中国社会経済を正そうとして孤軍奮闘しているとも見えるのである。これだけの腐敗・汚職のはびこった中国を正常に戻すのには独裁という強権を使わなければならないのか、と同情を禁じ得ない。歴史が習近平氏の綱紀粛正を正統評価するときがいつかは来るのであろう。
今は、残念ながら西側の世界からは強権・監視社会と悪評が漂っている。綱紀粛正している習近平氏は変法を推し進めた「商 鞅」のように憎まれている。しかし、後世で再評価されるか分からない。『大秦帝国』の商 鞅の変法(へんぽう)と呼ばれる国政改革とも似ている。悲しいかな、商 鞅はその法によって処罰された勢力に殺されるのである。その運命は習近平氏の置かれた立場は酷似しているのである。
どんとはらい!
参考文献・参考資料
中国、軍事行動の可能性低下=汚職原因、ミサイル燃料に水―米分析 (msn.com)
“自分一人くらい…”の心理|ケアラー支援カウンセラー|惠然庵|coconalaブログ
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?