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『すぐれたビジネスはシンプルに表せる』が期待以上の良書だった。

音楽配信サイト「CDベイビー」の創業者による経営論をまとめた1冊です。

正直、著者もサービスも初耳でした。ただ、購読している書評メルマガの紹介文に惹かれ、読んでみることに。

読み終えた感想としては、期待以上の良書でした。今年読んだなかでもトップ3に入るかも。

読みながら、心のなかで「たしかに!」を連呼していました。小難しい理論はなく、実体験に基づくシンプルなビジネスの原理原則がとても腹落ちしました。

備忘録を兼ねて、印象に残った内容を抜粋します。

既存顧客へのサービス向上に全力を注ぐ

既存の顧客へのサービスの向上に全力を注げば、ビジネスは成長する。顧客を喜ばせることだけを考えよう。そうすれば、顧客が良い評判を広げてくれる。

当社では既存顧客の売上減少をカバーするため、新規開拓に注力しています。しかし、「既存顧客の満足度向上をやりきれているのか」を、改めて考えさせられました。

自分のスキルをシェアすることから始める

「事業を始めたいが、何をすればいいのかわからない」とよくアドバイスを求められる。僕が知っているおすすめの方法は、たったひとつしかない。「自分が持っているものをシェアすることから始めよう」だ。

やるべきことに全力で向き合うなかで、できることが増え、それをシェアすることで新たなビジネスチャンスにつながる。あれこれ妄想する前に、目の前の課題解決にもっとリソースを割こうと思いました。

本当にターゲットにしたい1%を大切にする

「残りを99%は対象外にする」と宣言することで、本当にターゲットにしたい1%の人たちが向こうからやって来てくれる。その1%の人たちのことをどれだけ大切に思っているかを示したからだ。

ついつい万人受けを目指しますが、フェーズによっては絞る勇気も必要だと思いました。

悪いサービスはセコい考えから生まれる

悪いサービスは、セコい考えから生まれている。

金言でした。短期的な利益を求めたサービスの改悪は、長期的にはマイナスでしかないことを再認識できました。お客さまに喜んでもらうための投資は、惜しまず続けていきたいです。

お金に執着しない

銀行は、お金を必要としない人にお金を貸したがる。レコード会社は、助けを必要としていないミュージシャンと契約するのを好む。人はなかなか会ってくれない相手に恋をしやすい。

お金はいらないという態度でビジネスをしていると、客は喜んでお金を払ってくれる。

言い得て妙だなと。「自分のため」の行動は相手に見透かされてることを肝に銘じます。

1人のミスで、全員を罰しない

たった1人のミスで、全員を罰しない。

ある顧客がとんでもない行為をしたとしても、それ以外の大勢の顧客はそんなことはしていないと肝に銘じよう。

自分も普段から意識しています。起こりうる可能性が限りなく低いミスで、不必要にルールを増やさないよう気をつけたいです。

喜んでもらうためのひと手間をかける

口コミで広がるほどに顧客が喜んでくれるのは、ほんの些細なひと手間であることが多い。

CDベイビーの10年にわたる歴史のなかで、誰かから大好きだと熱烈に言われたとき、たいていその理由は、こんな小さくて楽しい人間的な触れ合いだったように思う。

付加価値につながるひと手間をかけることが、中小企業の生き残る道だと思っています。ウェットな関係構築も大切にしたいです。

上司の意見が、他の人の意見よりもすぐれているとは限らない。でも、上司の意見は、他の人の意見とは意味合いが違う。そう、それは命令になってしまう!だから、ちょっとした「余計な一言」、その「2セント」が上乗せされてしまうことで、従業員の士気は格段に下がる。

役員になってからは、本当に気をつけています。思いつきやノリで発言しない。影響範囲を意識したいです。

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