#32 戦略に必要な顕微鏡とレーダー
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今日のテーマは、戦略に必要な顕微鏡とレーダーです。
はじめに
毎年1月は決算です。振り返りをしながら、来期の計画を立てなければなりません。もちろん、2~4月の短期目標も設計しなければなりません。「月末の金曜日」といったところでしょうか。 バッタバタ💦
ところで皆さん、生きていく上で持っている「戦略」ってありますか?過去に行っていたことでも構いません。
わたしは、ビジネスにおいて、盆と暮れのご挨拶や手書きの年賀状やお礼状を大切にしています。人とのつながりだけはお金じゃ買えませんから。買えるつながりもあるけど。
もっか、ビジネスにおける「戦略」について学んでいる最中でして、興味深い話がありました。
経験曲線によるコスト・マネジメント
経験曲線によるコスト・マネジメントは、特定の活動やプロジェクトを繰り返すことで、コストの削減や効率の向上を実現する戦略的アプローチです。このアプローチは、経験に基づく学習と効率化を重視し、同じ作業やプロセスを繰り返すことで、時間と共にコストを削減し、品質を向上させることを目指します。
このグラフは、生産量の増加に伴って単位当たりのコストがどのように減少するかを示しています。経験曲線の原理に基づくと、生産量が増えるほど、生産プロセスが効率化され、コストが下がる傾向にあります。
この戦略の危険性
この戦略が取れるなら、誰でもコストが下げられるはずです。では、どうやってマネジメントするかというと、以下です。
コストのあらゆる要素に集中する
長期にわたって単位当たりのコストを記録する
経験と累積との相関を調べる
このように、コストについて、細かい部分ひとつひとつに非常に力を入れなければなりません。こうなると、髪の毛1本のゴミ処理コストまで算出した方がいいでしょう。
これは、つまり「フォーカス」です。一つのことに徹底的に焦点を絞るということです。顕微鏡に例えると分かりやすいでしょう。
しかし、フォーカスするということは、自分だけの思考様式や、自分だけのシステムに縛られた大きな箱の中でビジネスを行っている危険性があるのです。
顕微鏡とレーダー
フォーカスの危険性は、周囲の状況を見えなくしている、という点にあります。顕微鏡の出力を最大にして、〇〇ミクロンの世界まで覗けるように研究すればするほど、周辺の視野は失われます。
周辺の情報を拾う装置といえば、レーダーです。最近だとOODAループのような「状況をよく観察せよ」というのも、レーダー的な働きに近いかもしれません。もちろん、レーダーの能力をMAXに近付ければ近づけるほど顕微鏡の能力は失われます。
では、レーダーの機能を失う(つまり顕微鏡に没頭する)と、どんな悪いことが起きるかというと、自社のビジネスが誰かの手で時代遅れにされてしまうことです。ビールや缶コーヒーは、スチール製からアルミ製に変わりました。さまざまな分野で、アナログからデジタルに移行していることは、周知の事実です。ビジネスが成功する戦略として「フォーカス」を選ぶわけですが、どこかで失敗するという矛盾を表しています。
しかし、企業(ビジネスマン)が、顕微鏡とレーダーの2つの機能・両軸を持つのは、なかなかむずかしいでしょう。これは「イノベーターのジレンマ」とも呼ばれますが、ビジネス理論としてすでに解明されています。
まとめ
ビジネスにおいて、フォーカスはとても大事です。しかしフォーカスし過ぎもだめで、周辺の視野を失わないようにしなければなりません。
その、バランスはどんな感じ?と気になりますよね。
そもそも、経験曲線によるコスト・マネジメントで目指していたものは、市場シェアの最大化だったのです。市場シェアを取りに行かなくても勝てる戦略がありますので、またの機会に。