![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/40555197/rectangle_large_type_2_49670dd10ba26dfab342f3a1b78453bd.png?width=1200)
深く、そして速く考えるための思考トレーニングー『ゼロ秒思考』
本当に、考えられているか?
頭の中で、「思考」という名の自転車に乗ったリトル自分が、同じところをグルグルと転回していることがよくある。
はたまた何かを訊ねられても、うまく自分の言葉で説明や表現が出来なくて窮することもある。
これらは実は考えているようで、思考が前に進んでいないときに起きる現象だ。
もっと言えば、言葉にできるまで深く考えられていない、ということなのだ。
一方で、優れた経営者は即断即決できる人が多いという。なんと0秒で決めたりもする。
それを人は「直感」や「勘」なんて名付けたりするのだが、その裏にあるのは何度も繰り返し行ってきた思考と決断の訓練の賜物なのだ。
直感とはすなわち、訓練された深い思考経験をものすごい速さでなぞっているにすぎない。
*
今回、紹介する本は赤羽雄二さん著『0秒思考』。
この本、2013年のに発売された本なのですが、2020年に至る現在でも売れ続けているビジネス本です。
僕のように、頭の中でリトル自分をよく迷子にさせてしまいやすい人にとてもお薦めの思考術の本でした。自分の整理も兼ねて、以下にまとめを残しておきます。
本当に考えるための思考法
思考を深める上で、本書で紹介されているのは「紙に書き出すこと」です。
紙に書き出す・・どの本にも書いてありそうなことです。。
だけど、
『なんであの人は〜なんて言うんだろう。
僕が◎◎って言ったから?いや、これか?もしかして、あれ?…まあ、いいか。もう無視しよう。だって…でも…カキカキ…(延々につづく)』
なんて思考をダラダラと書き綴る行為は、これもまた考えているようで、ただ思い浮かんだことを垂れ流しにしているだけ。
そんなふうに同じところを回ったり、ダラダラと流れる思考ではなく、一定の区切りを持って自分の考えを形づくっていくための方法が、赤羽さんの思考術なのです。
具体的にどうやるのか?
方法については以下の通りです。
・A4の紙を横置きで使用
・1テーマ1枚使用
・1テーマにつき4〜6行思いつくまま書く
・各行20〜30文字、1テーマ1分以内
↑これを毎日10枚書く。(つまり10分)
どんなことを考えるテーマにするのかは、もはや自由なのですが、例を挙げると
(仕事)
・このプロジェクトを進めるために必要なことは?
・このプロジェクト成功のために必要な情報は何か?
(恋愛)
・彼女とうまくやっていくためには?
・なんで最近ケンカが多くなったのか?
(将来)
・自分のやりたいことって?
・子供のころは何が好きだった?
など。
とにかく、いま頭の中で堂々巡りしているリトル自転車野郎をとっ捕まえて、思考を前へ進めるのが目的です。
例で書くと、このような感じになります↓(汚い字ですみません。)
考える時間は、1テーマにつき1分以内と決められています。
なぜなら、考えた時間とその結果には相関関係がないから。
1分も10分も1時間も、考えた答えの質には影響がないのです。
それよりも1分ごとに次々とテーマや質問の角度を変えて、アイデアを出していく方が結果的に思考が深まっていきます。
(例)
・プロジェクトを成功させるには?
・成功とはどのような条件をいうのか?
・成功させることで、当社のメリットは?
・失敗すると、どのようなデメリットがあるか?
・プロジェクトを進める上での懸念事項はあるか?
など、「プロジェクトを成功させる」という同じ目的であっても、
テーマや質問の角度を変えることで、抽出されるアイデアは多様になります。
それが思考を「広げ、深めている」ということにつながりるのですね。
結局のところ、表題の0秒思考とは何なのか?
私たちが日々生活のなかで行なっている『意思決定』には、
以下のプロセスがあります。
現状認識→課題整理→解決策→意思決定
0秒思考とは何なのか?
それはすなわち、この意思決定プロセスを限りなく0秒に近づけ、瞬時に意思決定を行うことを言うのです。
そのレベルに達するためには、普段から考え抜く癖をつけておく必要があります。
著者は、先述した方法での思考訓練を繰り返すことで、思考スピードが速くなり、最終的には現状認識→意思決定の特急券が手に入ると主張しているのです。
*
僕は以前から「ずっとやりたいかったことを、やりなさい」という本の「モーニングページ」というものをやっていたのですが、けっきょく前述した思考の垂れ流し状態であり、個人的にはあんまりスッキリとした感覚が得られませんでした。(本自体はめちゃめちゃ良い本です!)
試しに本書で紹介されている方法をやってみると、1分ごとにテーマを変えて考えるから、そのテーマに沿った言葉がどんどん出てきてなんだか良い感じ。
本書を読んでから2週間ほど続けていますが、今では1分が長いと感じるときもあるくらいに言葉やテーマが次々と浮かんでくるようになってきた気がします。
これからも続けてやっていこうと思います。
ちなみに本書で紹介されていた思考術は、心の中のモヤモヤを解消させるためにも良い方法だと述べていました。
例えば
・なんで、あの上司は私にああ言ったんだろう
・仲の良かった友人から連絡がこないはなんで〜?
・本当に自分のしたいことってこれだったのか?
など、仕事や恋愛には関係ないけど、心でモヤっとしてることってありますよね。
そういった心の悩みにも、この思考術は適応してくれます。つまり、メンタルヘルスにも効くってことですね〜。
本当に面白い一冊だったので、気になる方はぜひ本書を手にとってみてください〜!
それではっ!
↑参考になった動画です