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【プロ野球】FA権は大切なキャリアチェンジのチャンス、だからこそ温かく見守ろう

ベイスターズの見事な「下克上」で幕を閉じた今年のプロ野球。
台湾ではプレミア12の熱戦が続く中、国内では今年もFA移籍の話題で盛り上がる時期がやってきました。

今年も9人の選手がFA宣言。30年以上続くFA制度の歴史の中で数々の主力選手が移籍し、多くのドラマが生まれてきました。

そもそも、プロ野球選手の契約はかなり特殊なものであるといえます。
ドラフト会議で指名され入団する際には、選手は所属チームを自ら選ぶことは出来ません。
そして、個人事業主として球団会社と業務契約を結んでいる選手たちは、毎年この契約を更新していくこととなります。

球団は選手の保有権を持っているので、選手が自ら他球団に移籍するための交渉をしたり、練習に参加したりすることはできません。

この唯一の例外となるのがFA制度で、一定の期間1軍に登録されているとFA権を獲得でき、この権利を行使することで他球団との自由交渉が可能になります。

つまり、FA権は長年チームを支えてきた選手たちへのプレゼントともいえるわけです。

プロ野球は他のスポーツと比べて選手の移籍が少なく、一球団で成績を残せば生え抜きのスタートして球団の歴史にその名を刻むことになります。
一方で、FAでの移籍は「これまでの球団を裏切った」「お金に目がくらんだ」と言われることも…。FA権といえば、他球団の主力選手をお金に余裕のある球団が大金を出して強奪する…とのイメージもありますが、選手からすれば長年頑張ってようやく手に入れたキャリアチェンジのチャンスなんですよね~。

就活のタイミングでは縁が無かったけど、ずっと憧れていた会社が今の会社よりも高い年収でスカウトしてくれたら。単身赴任している中で、今の会社よりも良い条件で家族が住む街にある会社がオファーしてくれたら。
転職を決意する!と思う方も多いのではないでしょうか。プロ野球選手たちはFA権を取得した際にこんな選択に直面しているわけです。

それからもう一つ。小さい頃は子供ながらにFAする選手を見て「今のままいれば、来年以降もそこそこ出場機会が確約されていて引退後まで安泰なのになぁ」と思っていました。

「今の球団にいればそこそこ安泰なのに」
これはファン目線だとどうしても思ってしまうです。

でも、これはこの歳になって思うことですが、未来が見通せないのはツラいけど、見通せてしまってはまた面白くないなと。
なので、ファンは「この球団にいれば安泰なのに」と思っても、選手にとってはその「安泰」が刺激不足になっているのではと思うわけです。

「この職場にいたら何歳でこの役職に就いて、年収はこれくらいで…」
これを安心材料と思う人がいれば、「なんか面白くないな」と思う人もいるでしょう。
今27歳、社会人6年目世代の僕ですが、何となく刺激不足で転職を考えている同世代は沢山います。

一般人であれば好きなタイミングで転職活動が出来ますが、そもそも他社と接触すらできないのが野球選手なんです。

終身雇用制からキャリアアップのための転職が当たり前となったこの時代。
プロ野球選手のキャリアも温かく見守ることが大事なんじゃないでしょうか。

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三輪浩朔(みわこうさく)@コーヒーショップLaughter(京都)
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