堂上蜂屋柿
つちやの代表銘菓「柿羊羹」に使用される柿について。
「柿羊羹」の原料の堂上蜂屋柿は、岐阜県美濃加茂市の郊外、蜂屋が原産地になります。干し柿に適した質の良さ、極上の甘さは平安時代にはすでに広く知られ、美濃の特産物として朝廷に献上されていました。そこで昇殿を許された柿ということで、その後各地に生まれた柿と区別するため「堂上蜂屋柿」と呼ぶようになりました。
誉れ高い堂上蜂屋柿ですが、第二次世界大戦によって柿を作る農家が激減。このままではなくなってしまうという事態に陥ってしまいました。この状況に心を痛め、危惧を感じたのが「柿羊羹」を看板商品としていたつちやの7代目祐七です。原産地の美濃加茂から苗木をわけてもらい「どうかつちやのためにこの柿を育ててください」と近隣の農家をまわって頭を下げ続けました。そこで結ばれた農家との絆が、堂上蜂屋柿の、つちやの危機を救い、以来大切に受け継がれてきて、現在契約農家と自家農園で貴重な柿作りが続いています。柿羊羹の伝統の味を守り続けるために、この先も受け継いでいきます。
つちやの自家農園では約800本の堂上蜂屋柿の木を育てています。3月寒さも緩み始めた頃に新芽が顔をのぞかせ、若葉が見え始め、4月にはぐんぐん成長し5月に花を咲かせます。柿の花は、黄色を帯びた白色の小さな花です。今年は花が咲くのが、例年より早かったです。5月中旬より摘蕾の作業を始めます。大きな柿を育てるために、周りの蕾を取ることです。数を制限することでひとつずつにより多くの栄養がいきとどくようになり、果実が大きく、美味しくなります。
現在2センチから3センチほどの小さな柿の実ですが、今後成長を続け、大きくて立派な柿になることを願っています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?