カムカムエヴリバディの感想
カムカムエヴリバディを3話までみた。
太平洋戦争が本格化していくころ、ラジオの普及率が一気に広がっていくが、開戦前から家にラジオがある安子の家庭は、当時割と最先端をいっている部類だと思う。ラジオで戦意高揚を促していたし、戦地の情報を知るのにみな熱中していたのだ。
髪の毛にパーマを当てるのが禁止されたのも、今後に忍び寄る大戦への足音が近づいているのを暗示している。
ラジオ体操を商店街の全員で踊っているのは、関東大震災のときにバケツリレーで地域を守った東京神田あたりの成功例を敷衍して、有事の際に地域で全体主義的に身体を合わせて動かすための仕掛けである。
NHKの英語放送が、1925年頃から始まっていたのは、今回調べて初めて知った。大正デモクラシーを経て、東京ではモダンボーイ・モダンガールが闊歩していたくらい、西洋文化への親しみはけっこうあったのだろう。まだまだ鬼畜米英という雰囲気はいっさい描かれていない。
和菓子屋の息子は、西洋のダンスの修行に行き、娘は英語講座を聞き始める。明治から一気に近代化し、西洋文化を取り入れてきたとはいえ、まだまだ岡山などの地方では特に価値観の対立がえげつなかったであろうことは容易に想像できる。その辺の葛藤などは今後の展開で描かれるのだろうか。
続きが楽しみである。