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ライター・Webライター必見!トラブルを避けるための業務委託契約書の締結ガイド - 交渉例も紹介

「高単価案件を獲得したのに、契約でトラブルに…」
「不利な条件で契約してしまった…」

そんな経験はありませんか?BtoB/IT専門ライターの内藤翼です。

私は1000件以上の記事執筆と多くの業務委託契約の経験から、多くのライターが契約書の内容を理解せずに契約し、後悔していることを知りました。

業務委託契約書は、あなたとクライアントの約束事を記した「仕事のルールブック」ですが、軽視すると報酬未払い、著作権侵害、過度な修正要求などのトラブルに繋がる可能性があります。

本記事では、契約書で確認すべきポイントと交渉術を具体例を交えて解説します。こちらを参考にすれば、もう契約書で悩むことなく、安心して仕事に集中できるでしょう。

1. 業務委託契約書とは? - その重要性

業務委託契約書とは、業務を外部委託する際に、クライアントとライター間で締結される、業務内容、報酬、納期、著作権などを定めた「約束事を記した書類」です。

契約書がない、または内容を軽視すると、「言った」「言わない」の水掛け論や、報酬の未払いや一方的な契約解除といったリスクが生じます。

特にライターは、報酬額・支払日、著作権の帰属、修正回数・対応範囲などを明確にすべきです。これらを曖昧にすると、報酬トラブルや著作権侵害、過度な修正要求に繋がる恐れがあります。

業務委託契約書は、自身の権利を守り、安心して仕事をするために重要なのです。

2. 必ず確認すべき7大チェックポイント

2-1. 業務内容:具体的に書かれているか?

まず、記事の種類、テーマ、文字数、本数、納品形式などを確認しましょう。特にWebライターの場合、Word、Googleドキュメント、WordPress入稿など、納品形式の確認が重要です。

また、修正回数や対応範囲も明確に。「修正無制限」といった記載は、過度な修正要求に繋がる可能性があるため要注意です。

交渉例: 「修正は原則2回までとし、それを超える場合は別途協議させていただけませんか?」

2-2. 報酬:あなたの労力に見合う対価か?

金額、支払日、支払方法、消費税(内税・外税)、源泉徴収の有無を確認しましょう。特に源泉徴収される場合、手取り額が減ることを考慮する必要があります。取材を伴う場合は、交通費や取材費などの経費負担についても事前に確認しましょう。

より踏み込んだ交渉術として、案件の相場感を事前にリサーチしておくことが重要です。

クラウドソーシングサイトなどで類似案件の報酬を確認し、自分のスキルや経験に見合った報酬を要求しましょう。また、継続案件の場合は、将来的な報酬アップの可能性についても交渉時に確認しておくと良いでしょう。

交渉例:
「専門性と実績を考慮し、文字単価を〇円から〇円に上げていただけませんか?」
「この案件は〇ヶ月の継続案件とのことですが、将来的に報酬を〇%アップしていただくことは可能でしょうか?」

2-3. 納品:無理のないスケジュールか?

納品方法、期日、納品形式(Word、Googleドキュメントなど)を確認。納期は厳守すべきですが、厳しい場合は交渉も必要です。

交渉例: 「質の高い記事のため、納期を〇日延長していただけませんか?」

2-4. 著作権:あなたの記事、誰のもの?

通常、著作権はクライアントに譲渡されます。しかし、クライアントによる記事の二次利用(改変、他媒体への掲載など)や実績公開の可否も確認しましょう。

交渉例: 「著作権は譲渡しますが、実績として私のポートフォリオに掲載させていただけませんか?」

2-5. 瑕疵担保責任:納品後の責任範囲は?

検収期間、検収基準、瑕疵があった場合の対応、責任範囲・期間を明確にしましょう。検収期間とは、納品物をクライアントが確認する期間、検収基準とは、どうなったら検収完了(納品完了)となるかの基準です。

交渉例: 「検収期間を〇日延長、瑕疵担保責任の期間を納品後〇ヶ月に短縮していただけませんか?」

2-6. 損害賠償:どこまで責任を負う?

損害賠償責任の範囲と上限金額を確認しましょう。特に、情報漏洩や納期遅延は大きな損害に繋がる可能性があるため、予期せぬトラブル発生時の対応についても、事前に確認しておくことが重要です。

交渉例: 「損害賠償額の上限を、報酬の〇ヶ月分とさせていただけませんか?」

2-7. 契約期間・解除:契約はいつまで?解約条件は?

契約期間、契約解除や中途解約の条件、違約金の有無を確認しましょう。

交渉例:
「契約期間を〇ヶ月から〇ヶ月に短縮していただけませんか?」
「中途解約時の違約金は発生しますか?」

3. 個人事業主ライターが特に注意すべきポイント

個人事業主として活動するライターは、会社員とは異なり、自分自身で契約内容を守る必要があります。ここでは、特に注意すべきポイントを解説します。

3-1. 秘密保持義務:情報漏洩は厳禁!

クライアントの機密情報を取り扱うことが多いため、秘密保持義務は非常に重要です。契約書に秘密保持に関する条項があるか確認し、情報の取り扱いには細心の注意を払いましょう。

3-2. 再委託の禁止:勝手に外注してはダメ!

業務の一部または全部を、第三者に再委託することが禁止されている場合があります。再委託を考えている場合は事前にクライアントに確認し、許可を得る必要があります。

3-3. 契約解除時の条件:急な契約解除にも備えよう!

クライアントから一方的に契約を解除される可能性も考慮し、契約解除時の条件(違約金の有無、報酬の支払いなど)を確認しておきましょう。

4. 契約締結までの流れ - スムーズに進めるための3ステップ

ステップ1: 契約内容の確認・交渉

疑問点は必ず質問し、納得できるまで交渉しましょう。全てのやり取りは、メールや書面など記録が残る形で行うことが重要です。特に、金額や納期に関する交渉は、具体的な数字を提示し、明確な合意を得ることが大切です。

ステップ2: 契約書の締結

双方合意したら、記名・捺印(または電子署名)を行います。電子契約の場合は、電子署名やタイムスタンプの仕組みを理解しておくことが重要です。

ステップ3: 契約書の保管

紛失・破損に注意し、安全な場所に保管。電子データの場合はバックアップも取りましょう。契約書は、トラブル発生時の重要な証拠となります。いつでもすぐに取り出せるよう、整理して保管しておきましょう。

5. トラブル発生時の対処法

まずはクライアントと冷静に話し合い、問題解決を目指しましょう。この際、「いつ、何が、どのように」問題となっているのか、具体的な事実関係を明確に伝えることが重要です。

また、契約書のどの条項に基づいて、どのような解決を求めているのか、あなた自身の考えを整理しておくことも大切です。全てのやり取りは記録を残し、証拠を確保することが重要です。

解決できない場合は、弁護士などの専門家に相談しましょう。費用が心配な方は、法テラスなどの無料相談窓口も活用できます。

まとめ: 業務委託契約書はあなたを守る「盾」となる!

業務委託契約書は、あなたの労働環境や報酬、権利を守る「盾」です。契約前に内容をよく確認し、疑問点は解消して、納得してから契約しましょう。

本記事を参考に契約書を正しく理解し、トラブルを未然に防ぎ、安心して仕事に集中してください。そして、ライターとして、ますます活躍されることを願っています。

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