元図書館司書の、現在の図書館の使い方
今日は雨の1日でしたが、午後の雨の晴れ間に、近所の図書館へ行ってきました。借りていた本を返却し、新しい本を借りるといういつものルーチンです。
図書館を退職して、図書館の利用が増えた理由
フリーランスになる前は、公共図書館の司書(正規の公務員)でした。
今になって思うと、「何かを調べる」にはとても恵まれた環境でした。もちろん、仕事以外の調査は勤務時間外になるのですが、勤務館の資料が、ほぼ使い放題でしたし、書庫に入って自分で資料を確認することもできました。
司書だったことで、資料調査のスキルが身につきました。図書館業務の中では、レファレンスは好きだったと思います。
ただし、公共図書館なので、どちらかといえば「広く、浅く」の調査になります。専門分野の調査になると、公共図書館の資料では限界があるので……。
司書だった頃も、休みの日に近くの図書館に行って本を借りていましたが、フリーランスになってからは、調査のために図書館に行くことが増えました。
まずは、近くの図書館へ
記事を書く際に参考にするなどで資料が必要になった時は、まずはWeb OPACで図書館にあるか蔵書検索をします。
順番は、「在住自治体の図書館(できれば近所の図書館)にあるか」 → 「東京都立中央図書館にあるか」 → 「近隣の自治体の図書館にあるか」となるため、
1.在住自治体の図書館のWeb OPAC で所蔵調査
2.東京都立図書館のWeb OPAC で所蔵調査
3.東京都立図書館統合検索で、都内の図書館の所蔵調査
となります。もし、「もっと詳しく調べたい」となれば、
4.国立国会図書館に行って調査
5.専門図書館に行って調査
となると思いますが、今のところ、3までで何とかなっています。
ただし、国会サーチや国立国会図書館デジタルコレクションはかなり使っています。個人的には、インターネット公開の資料が増えると助かります。
そして、予想外だったのは、自治体内の図書館が思っていた以上に使えること。自分が思っていた以上に資料がありました。
自宅から一番最寄り(徒歩約5分)の地区館にない場合、所蔵している図書館へ。予約して最寄りの図書館に取り寄せることもできますが、「なるべく、早く手元に欲しい」ので、所蔵館に行き、内容を確認し、貸出手続きをします。片道徒歩20~30分であれば、散歩にもちょうどいい距離? ただし、夏は暑すぎて、日中の散歩は無理でしたが。
資料は、最寄りの図書館で返却できます。返却期限は厳守です。
事典類は、ジャパンナレッジで
概要の確認や基本的調査には事典類が不可欠ですが、私はジャパンナレッジを個人契約して使っています。
『日本大百科全書』『世界大百科事典』といった百科事典や、『日本国語大辞典』『国史大辞典』などの主だった事典類が検索できますし、『日本古典文学全集』なども見ることができるのが便利です。
地元の図書館にない場合は、東京都立中央図書館へ
ただし、発行年の古い資料や専門的な資料は、最寄りの図書館には所蔵していない場合もあります。どうしても資料確認したい場合は、東京都立中央図書館へ行くことが多いかもしれません。
東京都立中央図書館に行く場合は、混雑する土日祝日はなるべく避けて、事前に日時を予約します。
そして滞在時間できる時間が限られているので、効率的に調査をするため、事前にWeb OPACを検索して、以下の3点をしておきます。
・確認したい資料が所蔵しているか?
・所蔵している場合は、どこにあるか?(開架/閉架?、どこのフロア?)
・他に確認したい資料があるか?
→ 気になる資料があれば、書名、請求記号、資料番号などをメモしておく。
資料の検索は図書館のパソコンでできますが、滞在時間が限られているので、検索時間はできるだけ短くし、調査時間を多くしたいためです。資料を探しに書架に行くと、他にも確認したい資料がみつかり、意外と調査に時間がかかってしまいます。資料をコピーをする時間も必要ですし。
東京都立図書館には、資料調査のために月に何度か行きますが、毎回、時間との戦いになり、時には、時間切れになってしまうことも……。
私の場合は、自分で調査をしていますが、「自分が求めている資料がどこにあるかわからない……。」という場合は、図書館のレファレンスサービスを利用することをおすすめします。
国立国会図書館よりも東京都立中央図書館の優先順位が高いのは、東京都立中央図書館の方がアクセスしやすいことがあるのですが、何よりも、開架資料が多いこと。開架資料が多いので、資料請求をしなくても、書架に行って確認できることが大きいかもしれません。
図書館は使わないともったいない施設
図書館は使わないともったいない施設だと思っています。
何よりも大きいのは、無料で利用できること。基本、本の貸出は無料です。
調査の場合は、本を1冊読む、ということは少なくて、本の一部分を参考にする場合がほとんどです。また、調査用資料のほか、書架の間を歩いていて偶然出会った、気になった本を借りることもこともあります。「借りたけれども、結局、読めなかった……。」という場合でも、無料なので、「まあ、いいか。」と返却することも、実は少なくありません。
どうしても読みたい本、手元に置きたい本は購入します。図書館で借りて読んだ後、「やはり、手元に置きたい!」と、Amazonで購入したことも。
「図書館を利用する・本を借りる」と「書店で購入する」をうまく使い分けするのが良いと思っています。