2024年夏の終わりの金沢ひとり旅(その4):成巽閣の企画展で、前田家奥方の夏衣裳を見る
2024年8月下旬の金沢ひとり旅。2日目の午前中は、金沢城公園~兼六園を散策しました。
兼六園も通り抜け
金沢城公園を通り抜けた後は、兼六園へ。今年は残暑が厳しくて、午前中から日差しが強く、暑かったので、兼六園もほぼ通り抜け状態となりました。時々写真を撮りながら成巽閣を目指しました。
兼六園も人が多かったと思います。みんな、暑そうでした。
散策するのに良い気候であれば、兼六園の風景をもっと楽しむことができたと思います。
建物自体も見どころの多い成巽閣
成巽閣は、文久3(1863)年に13代藩主・前田斉泰が母の真龍院(鷹司隆子)のために造営した2階建ての奥方御殿(隠居所)です。大名書院造り(1階)と数奇屋風書院造り(2階)の二つの様式を持つ建造物で、国の重要文化財となっています。
この建物は当初、巽御殿と呼ばれました。金沢城から見て巽の方角(=東南)にある事、京都の鷹司家が辰巳殿と呼ばれていた事にちなんで、こうした名前がつけられました。
明治7(1874)年に、「成巽閣」という名前に改められたそうです。
1階は公式の御対面所の「謁見の間」、御寝所の「亀の間」、御居間の「蝶の間」など、大名家に相応しい風格を備えながらも、障子の腰板には部屋の名前の由来となった春の絵が描かれていて、大名家の奥方の格に優雅な雰囲気が加わった素敵な空間でした。
1階が公式の場という雰囲気がある一方、2階はもう少し自由に、部屋ごとに天井の様式や壁の色が異なり、その色を生かした空間となっていました。建物自体は和風ですが、どことなく異国の雰囲気が感じられたり、細かいところが凝っていたり。
フランスから輸入されたマリンブルーの顔料が天井の色に使われた「群青の間(書見の間)」。(この色は、石川県立図書館のグレートホールの円形の天井に使われていました。)
網代天井が特徴の「網代の間」、天井に富山の立山杉が使われた「越中の間」など、趣向を凝らしいます。
成巽閣の企画展「前田家伝来 夏衣裳と調度展」
建物自体が素敵な成巽閣では、企画展「前田家伝来 夏衣裳と調度展」が行
われていました。
前田家に輿入れした将軍家、紀州、尾張徳川家鍋島家や公家の姫君が所持された単衣、麻を素材とした夏衣裳と、簪などの小物類、調度品が展示されていました。展示されているものは状態の良いものだったと思いますが、金糸銀糸を用いた高度な刺繍は、見事でした。模様も、大名の奥方らしい、格がありながらも品の良いものばかりでした。
今回の展示は、成巽閣の建物の雰囲気にも合っていて素敵でした。着物好き、文様好きなので、建物も含めてじっくり見て回りました。
展示品のそばにおいてあった手作り的な解説(用紙に印刷したもので、持ち帰りができる)をこの記事を書くにあたって改めて読んだのですが、前田家の歴史を知る資料だと思いました。資料の解説のほか、前田家の系図などもありました。
金沢城公園、兼六園、成巽閣はおすすめの観光スポット
成巽閣は立ち寄って良かったです。定期的に展示替えが行われていて、前田家に伝わる衣裳や調度品などの展示が行われているようです。
成巽閣の後は、近くの金沢神社にお参りをして、御朱印をいただきました。
金沢城公園も、兼六園も、散策するのに良い気候の時期にゆっくり散策したいと思いました。次に金沢に行くときは、金沢城公園と兼六園を訪問先としてきちんとスケジューリングしようと思っています。