わたしのバックグラウンド 〜リベラルアーツの話〜
初対面の方とお話する機会が増えてきました。
「”政治の勉強”って具体的に何しているんですか?」
「え、えっと・・・いろいろ・・・?」
わたし自身、なにをどこまで勉強すれば「政治の勉強をしました!」と胸を張って言えるのかまったくわかりません。今日はそんなお話です。
わたしのバックグラウンド
わたしは、およそ20年前にリベラル・アーツの大学教育を受けました。「リベラル・アーツ教育」とは、「学際的な学び(学問と学問の間をつなぐ学び)」や「教養(専門課程に進む前に習得されるべき広範な一般的基礎知識)」と似ているようで少し違います。「ある時代を生きた人間の一生があり、ときにその一瞬が歴史的な事実になる。その背景には、逃れられない技術や社会革新のうねりがあり、同じ時代を生きた人々の思想があり、その思想の表現として音楽・絵画彫刻建築・文学・広告表現などのアートがある。これらをすべて一体として捉えようとする学問」・・・と表現すればよいでしょうか。
世界に対して向き合う姿勢のようなもの
「すべての学問は人間理解に通じ、また人間理解はすべての学問に通じる」。
学生時代のわたしは、美術史と流行りの金融工学をかじっただけのしょうもない学生でした。それでも、この人生に対する基本姿勢ができたおかげで、わたしはステキな人でもイヤな人でも「この人はどんな人なのかな〜(一生かけても終わらない自由研究のN=1が増える喜び)」とワクワクしながら話すことができます。
また、「わたしとはどんな人間か」という永遠の命題は、「わたしを的確に映してくれるだれか」がいないと解き明かせないものです。世俗の価値観に惑わされないフラットな視線を持ち続けられたこと、身近な人との関係性を大事にすることができたのも、リベラル・アーツ教育のおかげだと感謝しています。
銀座鉄道999のメーテルになって考えること
某財団のご支援をいただき、東西の政治哲学史、日本を含む世界の近現代史、日本のメディア・経済構造史をこの2年ほど学んできました。これからは、テクノロジーやエンタメ領域の業界知識と世界の法整備動向を勉強して、自分の得意分野を作っていきたい。学べば学ぶほど視野が広がり、学ばなければならないことが増えるスパイラル。それはさながら、人間が神(形而上的な「人智を越えた完全な存在」の意)に近づこうとする普遍的な営みのような気がします。あ、「神」はちょっと引かれてしまいますよね(わたしは無宗教ですが、西洋哲学がベースにあります)。『銀河鉄道999』のメーテルになって、この世界を見渡せるようになると、今やらなければならないことが自然と見つかるのです。
どうか一緒に考えてください
さて、政治の世界から、皆さんにも考えて欲しいホットな命題がいくつかあります。
「貧困に苦しむ人はなぜなくならないのか」「わたしたちは自分やだれかの生命を”コントロール”してよいのか(生殖技術や安楽死の問題)」などなど。わたしなりに解決の糸口は掴んだつもりなのですが、あまりにも途方もない命題すぎてわたし一人ではどうすることもできません。現場の福祉行政や医療の専門家の方々も同じ心境でしょう。
できるだけたくさんのみなさんと一緒に考えたい。いや、あなた自身のことなんですから、どうか一緒に考えてください!!
・・・我ながらだんだん政治家っぽくなってきたなぁと苦笑しながら、このへんでおしまいにします。