見出し画像

他者の成功を願う働き方: 自分を高める最高のモチベーション

皆さんは、なんのために働いていますか?そして、なぜ自分を高めようと思いますか?すぐにバシッと答えられない人もいるかと思いますが、もし考えるきっかけになってくれたら嬉しいです。今回は、他者貢献のマインドについて考えたいと思います。

今回のポイント
1. なぜ人のために自分を磨くのか
2. 求められる働き方とは
3. 他者の成功こそ自分の成功になる

1. なぜ人のために自分を磨くのか

より成果を上げたいと思ったり、高いポジションにチャレンジしたいと思うと自分のレベルを高めたいと考えるかと思います。日本はメンバーシップ型雇用と呼ばれる一括採用で、配属や異動を通して幹部候補を育成する総合職と言う働き方がまだまだ一般的です。このメリットは会社側には大きく、定年まで同じ企業で働く様な年功序列の人材管理においては来るべき昇進のタイミングまでに必要とされるスキルを身に付けていくことが見込めます。一方で、現在はジョブ型雇用への転換を進めていると言うニュースを耳にする機会も増えてきました。これは、総合職の考えとは異なり、与るべき仕事に適性を持つタレントを採用します。そして、昇進などのキャリアは個人の志向と会社の意向のマッチングで達成されます。なぜこの様な話をするかと言いますと、つまり今後の働き方では自動的に昇進することはほぼなくなり、より上位職で働く適性がある(さらにはそれを願う)方がハイライトされる構造になるためです。

1.1 キャリアアップは管理職だけではない

一般的に在職期間が長くなり昇進すると言うことは、管理職になってチームメンバーを持つことと考えられます。しかし、中には管理職を望まず、プレイヤーとして究極的に求めていきたい人もいるわけで、そういった方々は管理職にならない限りは昇進もなく、おそらくは給料も(劇的には)向上せず、組織から一方的に求められる管理職としての期待とのギャップの中で評価を得られず低エンゲージメント状態となってしまいます。私の前職では、従業員のキャリアモデルは大きく分けて二つありました。それは、マネジャーの役割とスペシャリストの役割です。後者は、まさに管理職ではないキャリアモデルの構築で、シニア、フェローとして自身の持つスペシャリティ(例えば研究能力の高い研究者)を持って組織に貢献していく事です。一見すると、管理するメンバーを持たないことで管理職の様な責任は内容ですが、一方でその活動が波及する責任範囲は、よりビジネスインパクトが広がる様に役割が設定されていきます。

1.2 管理職とプレイヤーでは求められる能力も視点も違う

では、管理職についてはどうでしょうか。一般に、プレイヤーとして評価が高く、成績を残してきた人が人事考課の末に昇進して管理職に就くことが多いのではないでしょうか。この時、気を付けなければいけないことがあります。それは、管理職とプレイヤーは全く別の仕事であると言うことです。プレイヤーにとっての成果とはなんでしょうか。それは自身の担当する責任範囲において必要とされる指標をクリアすることです。一方で管理職の場合は、基本的にチームメンバーの成果の総合値が自身の成果の大部分を占めます。つまり、他者に成果を上げてもらわないといけません。名選手名監督にあらずは、まさにこの様な認識が薄いことから引き起こされるわけです。管理と言う言葉から、どうしてもミスを減らすとか余計な事をしないと言う減点方式な行動を連想してしまいますが、管理職に必要なことは逆で、メンバーが成果を達成するために何をサポートすべきか、どう動いてもらうかという社内リソースを獲得する活動こそ重要です。

2. 求められる働き方とは

管理職でもスペシャリストでも、より上位の仕事では責任範囲が広くなり、プレイヤーとしての働き方とは大きく変わる事を説明しました。それでは、今後より上位の仕事を目指す上でどんな事をやっていくことが必要なのでしょうか。つまり、ハイライトされるために求められる働き方とはなんでしょうか。

2.1 自分の責任範囲で傑出することは”前提”となる

これまでは、自身の役割において傑出した成果を残すことは昇進のための十分条件でした。逆に言えば、傑出した成果を残すことこそが出世の解でした。しかし、ジョブ型の働き方では景色がガラッと変わります。外資企業では一般的ですが、ジョブにはそれぞれJob Description; JD(職務記述書)と言う、その仕事で求められる仕事の詳細が明記された物が存在します。つまり、より上位の職位にはそのポジションにおけるJDが存在しており、それは現在の職務のJDとは連続的ではないと言うことです。そう考えると、現在の自身の役割で傑出した成果を出すことは自分のポテンシャルを示すきっかけにはなりますが、それだけでは上位のポジションに必要なパーツは揃っていないと言うことになります(つまり、十分条件ではなく必要条件の一つになる)。

2.2 自分の責任範囲を超えた貢献について考える

それでは、どうすればより上位のポジションが適性であると言う十分条件を満たせるのでしょうか。それは、少し困惑されるかもしれませんが、すでに上位ポジションの働き方が実行できている(あるいはできそうだと判断できるだけの動きをしている)ことです。もしあなたが営業パーソンで、そろそろ営業マネジャーを目指したい場合には、営業マネジャーに求められる働き方を実践していなければ、どんなに売上をあげようともどんなに顧客との関係を良好にしていようとも、ジョブ型の働き方では上位ポジションを掴むことは難しくなります。ここを早期に認識して欲しいと思います。それを踏まえて、自身の責任範囲の中で傑出した成果を残すことに加え、是非ともその範囲を超えたところで組織に貢献できる様動いてみてください。

3. 他者の成功こそ自分の成功になる

ここまで読んでいただくと、このタイトルの意味は理解できるかと思います。つまり、自身の責任範囲を超えた部分で組織に貢献すると言うことは、他者への影響を高めると言うことです。これは管理職ではなくとも、スペシャリストでも重要なことです。例えば上位者としての研究開発シニアは、あるテーマで結果を出すためだけではなく、他のテーマ創出につながったり、分岐したテーマが他の研究者のタスクなる様なインパクトある研究開発を行わなければいけません。フェローレベルになれば、ビジネスインパクトが見込めれる様な意思決定に関与が期待されます。他者の成功を導くために、どの様な働き方ができる様になるか、そう考えるためにはどんなことが必要になるでしょうか。

3.1 自分にいい意味での余裕を持つこと

自分の責任範囲において、傑出した成果を残すことは必要条件の一つであると書きました。つまり、傑出した成果のために自分のリソースが全て注ぎ込まれている状態では、他の必要条件を満たすことができません。この部分にはいくつかの重要なポイントがありますが、ここで挙げるとすれば効率化のためのスキルアップより成果を上げやすくするためのネットワーキングです。前者は、自身の仕事を効率的にこなすことで範囲外のことに時間を避ける様にします。誰にでも共通することとしたら、Excelの使いこなしやデジタル化の対応で業務を簡素化していくことかと思います。後者は、実は非常に重要なポイントになります。Informal Networkingと言う言葉を聞いたことがあるでしょうか。詳細が気になる方は是非ハーバードビジネスレビューのこちらの論文を読んでみてください(https://bit.ly/3dSx7lb)。ざっくり説明すると、組織図の関係性を超えて自分の仕事上の組織を作り上げると言うことです。これは、自身の仕事を進める上で必要不可欠なサポートの相手や影響をお互いに与る役割の人間と強く繋がる事を意味します。上位のポジションでは、組織対組織としてのリソース獲得が重要になります。その際に、自分の組織内(例えば、営業部)でのみ存在感は示せていても、その活動に必要な社内のステークホルダー(営業部の場合の調達部門や法務部など)から敵対視される様な働き方をしていてはいけません。

3.2 ビジネスに対する視座をあげる

ポジションが上がるごとに、求められる責任範囲が広がっていきます。自身の成果が評価に直結するプレーヤーと比べて、職位が上がるごとに自分の成果に占める他者の働きが大きくなってきます。そうなると、目の前の仕事をこなすだけではなく、よりビジネスを俯瞰し、長期的な視点で仕事を組み立てていかなければならなくなります。また、リスクに対する考え方も変わってきます。それは決裁できる規模が変わったり、自分の成果に関わる人数が増えるためです。ここで言うリスクは危機と言う意味合いよりも、不確実性が高まると言う事です。この中で、より成果を高めるためには、ビジネスに対する意識と実力を高めなければいけません。自社はどうやって顧客に認識してもらっていてどこで利益が発生しているか、その利益を産むためにどこにコストが掛かり、利益を最大化するためには何をすべきなのか。目の前の仕事をこなす以上に高い位置から、今後の動きを計画できる様にしなければいけません。

他者のために働くと言うのは、サーバントリーダーシップ(自己犠牲のリーダーシップ)と言う言葉も広まってきています。リーダーシップのスタイルはいくつもありますが、自分の成果に関わる人々のために働くことが、結果的に自身の成果を高めることに繋がり、それがまた新たな他者に成功をもたらす様な存在になっていくのだと考えます。

Twitterのフォローもよろしくお願いします!
https://bit.ly/3uRImBB

過去記事はBloggerにて
https://bit.ly/3s82oG1

いいなと思ったら応援しよう!