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損得勘定を遥かに超えて。

親の知り合いで、何だかわからない謎の方がいらっしゃいます。

親の知り合いはその手の方が多くて、大手企業の偉い人や陰に日向に偉い方など不思議な人脈があります。

「今は立派」な方々の若い時のお茶目さん具合を昔話として聞くことがありますが、なかなか感慨深いものがあります。

その方たちも親とは「ぺーぺー状態」の時に仲良くしていらしたようなので、かなり気さくなお付き合いの様子。

自分は社交性が低めなので、そういった場に出向くことは頼まれて車を出したりする以外交流はあまりありません。


そういった人々の中で群を抜いて謎の方がいます。

自分より少し年下で初めてお会いした時は、ジャージでビーサンの出で立ち。運動部の苦学生の方なんだろうと思っていました。事実は激烈に真逆だったと後に知ります。

親の仕事を手伝って下さっていたそうで、親はその方が学生さんの頃からのお付き合い。

自分は最初の会社を転職してから流浪の転職人生となり、今のひとり親方状態の仕事へ流れ着きましたが、そこで謎の方とちょこちょこと接点を持つようになりました。

今でこそボチボチ生活出来るようになっていますが、一時期はどうにもならない状態の時期があり、その際に謎の方に非常にお世話になる機会がありました。地獄に仏とはこれ如何に状態で、本当に助けて頂きました。

謎の方にとってはあの親の子供だから、ちょっとやっとこうか・・くらいのことだったと思います(多分)。

年下に・・・と思ってしまうところはありましたが、自分に力が無かった事実には抗えず。ヘコヘコする訳では無いのですが、フランクには付き合えない方でした。

謎の方がおマヌケ一家に何でそんなに?と思う位肩入れして下さるのか、ますます謎は深まりました。


謎の方の推定される出自からは恐らく「普通に接する人」がいないから、あまりにも普通にフランクに接するおマヌケな自分たち一家に親しみを感じているのかも・・とマヌケ家族内で密やかに話しています。

数年前に、その方が海外勤務になったと親から聞いて、スペシャルな人はそうだろうと「そうなんだぁ」位の返事をしていました。


ところがある日。


謎の方から「申し訳無いのですが、とある物資を送って貰えませんか?」とSOS的海外メールが届きました。

何が必要でしょうか?と伺うと、お子さん用の食品などでした。

日本ではそこらじゅうにあるものでも、海外では手に入りにくい品々な様子。身内の方に頼むでなく(色々と事情があるらしい)、自分に連絡を入れるということは相当困っているに違いありません。

海外に物を送ったことなんかありませんが、コロナの足音が響き始める時期だったりもしたので、早急に希望の品々と自分の思いつく「お子さま喜びそう品々」「奥さま助かりそう品々」も買いに回って、手こずりながら書類と送り状を作成して、チャリチャリと自転車で郵便局へ持ち込み。

通常なら5日くらいで着く荷物が、1週間を超えても現地に到着しない状態だったりで、コロナの影響は物流にヒタヒタと。。

毎日郵便追跡をしていると、10日目位に現地へ到着して税関を通過、ようやくお手元へ到着と相成りました。

「自分の書いた書類で海外に荷物が着くんだぁ!!」と喜んでいると、謎の方から「荷物が到着しました!宝物です!!」と感謝感激なお写真がバッシバシ送信されて来ました。


それ以降、リクエストを伺っては時々発送するようになりました。

母と特に親しくされているようなので、母から頼まれた品も入れて送ります。荷受けをする度に、母と自分に丁寧にご連絡を下さいます。

でも、あの自分が地獄状態だった時の仏の手助けには一生到達することは無いと思っています。それくらい、ガチの手助けだったので。。(泣)


お金じゃないことって、こういうことなんだろうと思います。

親をとても慕って気にして下さることも嬉しいし、自分もやっと少し恩返し的に動けることで、あの時の肩の荷が少ーーーーーーし下せる気がします。

ようやく喜んで頂けることが出来ることも嬉しいです。

お子さまがだんだん成長する写真も楽しい。

遠い親戚より近くの他人、身に染みる言葉です。



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