そこにいる人は? ~ 舞台 ヴィクトリア ~
どの舞台を観劇しても、そこにいる人が本人では無くなる大竹しのぶさん。
いつでもどんな映像でも、本人にしか見えないと言われてしまう方がいらっしゃいますが、確実にいつも違う人、それが大竹しのぶさん。
(敢えての二度書き)
noteに観劇した舞台の感想を書いていますが、それぞれ舞台となる地域も時代も立場も違いますが、大竹さんは常に「その人」としてそこにいらっしゃいます。
「黒い家」という映画がありますが、これまたヤバイ女全開の大竹さんがいます。法律が改正されているので、「このままのこと」をしても「希望成就」となるかは不明でやんす、多分。
ここからネタバレのある感想ですので、これから観劇予定の方がいらっしゃいましたら、観劇後にお読み頂けましたら幸いです!
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今回の舞台は大竹さんのひとり舞台です。
渋谷のスパイラルホールで200席のこじんまりした劇場でした。
まさかの2列目でヒデキ☆感激!!な気持ちで開演を待ちました。
大竹さん演ずるヴィクトリアはベッドで目覚めます。
まずここであら?っと思ったことは、ベッドにいる人が大竹さんじゃない30代~40代の人に見えたこと。
お化粧もあると思いますが、実年齢の60代と思えないことと、ちょっと違和感を感じる顔立ちに見えました。人形みたいな違和感。
ヴィクトリアは使用人に体調の悪さを訴えて、あれこれと指示を出しては、ベッドから出たくないとグズグズしています。
これからやろうとしていることを先延ばしにしたいがために。
ヴィクトリアは夫の浮気、そして夫との夜の営みが気に食わない。
このことを夫に話してどうにか自分の思いを伝えたい。
夫を部屋に呼び出して問い詰めますが、思うようになりません。
そこから子どもの頃の家族関係、夫とのなれそめ、とあるパーティでの出来事、夫が目の前で自死する衝撃、堕ちていく自分・・。
自分の人生に起こった出来事を淀み無く、とめど無く語り続けます。
ただ、その内容は夢なのか現実なのか、空想なのか。
圧巻はラストシーン。
迫力ある人生の走馬灯を実体化させて、ベッドに倒れ込んでいたヴィクトリアは少女になっています。
舞台中央に歩み出て語り出すヴィクトリアは、少女から老女まで、表情が動きが年数が一気に流れ変化します。
書き方が悪いのですが、ちょっとしたホラー感があり、ゾッとしました。
老女になったヴィクトリアはベッドに倒れ込みます。
その姿は老女として横たわったはずですが、生死も分からず、そこにいる人が本当は何歳なのかも分かりません。
今回はついついラストシーンまで書いてしまいました。
本当にラストシーンが凄すぎました!!
ひたすら語り続け、動き続ける、休憩無しの約1時間10分。
大竹さんファンには、特にたまらないゾクゾクする舞台でした。
終演の拍手によるカーテンコールは、実際の大竹さんにて登場♪
テレビで拝見する大竹さんの話し方と声で、可愛らしくご挨拶下さいました。
「ヴィクトリア」は、そこにもういませんでした。
ある意味、ストーリーもですが納涼感があるかもしれません。
立ち見も出ておりました。
まだチケットがあるか分かりませんが、行ける方は大竹さんを堪能しにお出かけ下さい!!!
帰り道で撮った一枚。
ある意味舞台内容にマッチしておりましたので貼っておきます。