ぼくが思う短歌の良さをまとめてみました
この記事は、最近短歌をはじめたぼくが短歌のよさを伝えたいな、と思い書いた記事です。
前提として、ぼくはまだ短歌を作りはじめて3~4ヶ月のペーペーです。
なんならそもそもミーハーなタイプなので、がっつりどっぷりやっている感じではありません。
逆にそのくらいの緩さでもはじめられる、続けられるのも短歌の魅力。だからそのくらいの気持ちで読んでみてください。
ちなみにこの記事は弊社ツクルバが社内で行っていたAdvent Calendar用の記事を(2ヶ月ごしに)一部編集して転載したものです。
そもそも短歌って 🔖
俳句とか川柳とか似ているものがいくつかあるので、はじめにwikipediaをチェックしておくと…
だそうです。
古くは百人一首とかが有名ですね。中学・高校で覚えたよーって人もいるかもしれません。
というと教養が必要なハードルが高い趣味に感じてしまうかもですが、そんなことないんです。五・七・五・七・七が唯一の型と言っても過言ではないくらい自由。
字余り・字足らずもよくあるし、季語が必要みたいな縛りもないので、はじめやすいです。
最近ちょっと若い歌人の方も増えてきて、ブームが来ている気もします。ググったらこんな記事も出てきました。
ぼくが短歌をはじめた&続けているきっかけは 📺
「プレバト」というテレビ番組で、芸能人が俳句を詠む企画があり、おもしろいなあとよく見ていました。
ひょんなことから「プレバト」にも出ているフルーツポンチの村上さんという芸人の方が俳句修行をする、という本を読む機会があり、自分で詠むこと作るの楽しそう!と感じました。(ちなみに村上さんは短歌も詠みます)
ただ俳句は季語の勉強するのがちょっと大変だなということで、短歌がちょうどいいかもと思ったのがきっかけ。
そして一人で続ける自信がないからと、会社のslackで一緒にやる人を募集してみたら何人か手を挙げてくれまして。
いまは月1で集まって歌会(テーマに沿ってそれぞれ短歌を作ってきて、みんなで読みながら良さとか解釈を語り合う会)をやっています。まだ3回だけど、短歌を続ける大きなモチベーションです。
(関係ないけど社内で短歌を一緒にできる仲間が集まるってほんとすごいよね、いい会社だなァと思いました…)
短歌の好きなところ ❣️
というわけで、ようやく本題。
短歌の好きなところを、ぼくの好きな短歌を交えて紹介します。
意外と簡単に始められる
短歌の唯一の道具は、日本語。ほとんどの人が毎日たくさん使っているものだと思います。
学ぶべきルールもないので、紙とペン、もしくはスマホだけあればはじめられるのです。
お題もめちゃくちゃ自由なので、詠みたいテーマで詠めます。
昔からよくあるテーマの一つは恋愛。
現代っぽいお題を扱ったものも。
こんな風な口語表現のものもあったりします。
解釈の余白がたくさんある
定型の短歌はたった31文字なので、解釈の余白がたくさんあるのも良さの一つ。
例えばこちら、ぼくが詠んだ歌なのですが。
歌会の中でこの短歌の解釈について「片思いの相手が結婚した失恋の歌」「不倫している友だちをたしなめている風景」「友人のおめでた報告を聞いているシーン」などなど、多様な解釈が生まれました。
歌会ではそれをみんなで共有し、また詠み手のネタバラシ(でもそれが正解というわけではもちろんなくて)も聴けるので、31文字を起点にどんどん景色が広がっていきます。
日常では価値がないとされるものに、価値を与えられる
ぼくが読んでいる穂村弘さんの『はじめての短歌』という本に、こんな言葉があります。
そこで例示されたのがこの二つの例。
鯛焼の縁のばりの方が、レアステーキよりなんだか良くないですか?笑
普段の生活でどちらを選ぶか聞かれたら、多くの人がレアステーキを選ぶと思います。でも短歌では、それが反転していくんです。
ふだんとは違う言葉のチャネルを開ける
仕事の時のコミュニケーションって、正確に端的に論理的に伝えることが大事じゃないですか。だれにでも同じ意味で伝わること、構造的に整理されていることが価値、みたいな。
でも言葉が乗せられるものって、それだけじゃないですよね。
短歌では、多義的だし遠回りだしロジカルじゃない言葉を扱える、なんならその方が素敵な歌になる、というところが魅力です。
短歌をはじめたいと思ったあなたに 💁♀️
必要なものは
前述のように、紙とペンあるいはスマホがあれば準備はOK。詠みたいように詠んでみましょう。
急にそんなこと言われても、ちょっと学んでから入りたい、みたいな人もいますよね。ぼくもそういうタイプ。
そんなあなたにおすすめなのは、この2冊。(まあぼく短歌の作り方っぽい本はこの2冊しか読んでないんだけどね🙃 )
木下龍也さん『天才による凡人のための短歌教室』
穂村弘さん『はじめての短歌』
ぼくの個人的な短歌の作り方
歌会のメンバーとも一度話したけど、短歌の作り方は本当に千差万別。
正しいとかおすすめとかはないけど、とっかかりとしてぼくがよくやる作り方を紹介させてもらいます。
ぼくは普段生活していて「この題材使いたいな」とか「この単語いいな」「7文字の収まりがいいな」と思ったキーワードをスマホのメモに溜めるようにしています。
そして夜中にその単語を見ながら、どんなシーンにするかを考えて、他の部分を埋めていきます。
前半の五・七・五だけ、あるいは後半の七・七だけ作って、反対側どうしようかなと考えることが多いです。
「クリスマス」というお題で詠んだこの歌は、こんな感じで考えていきました👇
クリスマス当日じゃなくて、クリスマスの前を詠みたいな
「クリスマスまであとxx日」みたいなのが七・七の収まりいいな。15くらいにするか(適当)。
クリスマスは非日常だから、前半は日常っぽいことにしたい。スーパーの風景とかがいいかも。
半額の〇〇、みたいにするとより日常感出そう
文字の収まりがよくて、クリスマス感もある食材なんだろう…値札のトマト、とかもありかなあ。でも「値札」って言わなくても伝わるし、もっといい食材ありそう。うーーーん。あ、サニーレタスが綺麗に入るぞ!
わりと言葉の収まりの良さと日々の生活が反映される作り方なのかなと思います。ご参考までに。
終わりに 🎤
思っていたより長くなってしまった。ここまで読んで下さってありがとうございます。
短歌の良さだけでなく、新しい趣味が見つかって嬉しい気持ち、そして何よりそれを一緒に楽しめる仲間がいることの喜びが伝わっていたらいいなと思います。