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【おすすめの書】洗脳~スピリチュアルの妄言と精神防衛テクニック~の重要ポイント⑦

この本の著者である苫米地英人さんは
2008年の時点ですでに
スピリチュアルはカルトであることを認め、
警鐘を鳴らしていました。

この本の中から重要だと思ったポイントを
紹介させていただきたいと思います。

カルトの教義はシンプル

宗教には、独自の教義があります。
カルトも大きくなると、教義を定めますが、
基本的には三大宗教の教義に手を加えたものばかりです。
オリジナリティは皆無と言ってよいでしょう。
カルトにとって教義は、信者への指針となることはもちろん、
お金を集めるための方便となります。

ライフスペースによるミイラ遺体事件の時も、
信者たちは口を揃えて「彼(ミイラ)は生きている」
と言っていました。ミイラになった男性の家族ですら、
信者であったためにそう主張していました。
彼らがそこまで主張したのは、
自分たちの教義を信じていたからです。
彼らなりに考えた教義に忠実であったと言えるでしょう。
皆さんからすれば荒唐無稽に思えるでしょうが、
彼らの中で疑う者は一人もいません。

カルトの教義はとてもシンプルです。
日本では日本仏教と神道をアレンジした程度が大半です。
逆に、力を入れて複雑な教義にすると、
かえって自分の首を絞めかねません。

第一章でも述べましたが、カルトには必ず魂の永続性や、
生まれかわりの論理が入ってきます。
あとは、カルマが穢れのどちらを取り入れるかでしょう。

カルマは自分自身の生まれ変わり関係していますが、
穢れは道教や神道の概念で、人から人へとうつります。
親から子へ、あるいは周囲の人へと、
伝染病のようにうつると考えられています。
被差別民や月経中の女性を近寄らせず、
忌み嫌ったのは穢れがうつるという概念からです。

日本仏教には、生まれ変わりやカルマ、
あるいは穢れの概念が少なからず入っています。
そのため、日本人はこれらの概念を信じやすいものです。
しかし、何度も言うようですが、これらの概念は
信仰と結びつくことで圧倒的な差別主義を生み出します。

しかし、カルトにとっては、差別主義がどうかなどは関係ありません。
死後の世界における、これらの概念は
日本人には受け入れられやすいので嬉々として取り入れてしまいます。

カルマの論理で言えば、前世という概念を使うかどうかは別として、
魂は永遠です。死後の世界もあります。

「今、あなたが苦しいのは、魂が磨かれている証拠。
その苦しみを受け入れると、あなたの魂は大いに磨かれ、
来世では良いことがあるでしょう」となります。

あとは教義に現世利益を入れるかどうかです。

現世利益とは、文字通り、あの世ではなく
この世でご利益を得ることを指します。
人々にとっては、この世でもご利益があるに
越したことはないので大歓迎の論理です。

しかし、現世利益は、宗教的論理とは合致しません。
現世利益のように「今苦しむと、生きているうちにきっと
良いことがあるでしょう」とすると、
あの世の論理から遠ざかってしまい、自己矛盾を内包してしまいます。

お寺で交通安全の札を販売して、車内に置いておくと
交通事故が減ると謳っているのを見かけますが、
あれは現世利益を肯定する日本仏教の論理です。
安産祈願、合格祈願……。神社ならばともかく寺での販売は、
釈迦の教えに忠実な本来の仏教の論理とは矛盾します。

現世利益は、末端宗派が信者の勧誘をする時によく用いられています。
大元である本家は、彼らの行為を見て見ぬ振り。もし、指摘されても、
末端だからよくわかっていないのだろう、という程度です。

一刻も早く布教したり、お金を稼ぐには、
現世利益は大きな材料となるため、つい手を出してしまいがちです。
ただ、本当に大きくなるカルトは、現世利益を正面から打ち出しません。
あの世の論理ありきです。その代わり、教義の中に入り込まない程度に、
現世利益を上手くまぶしていることはあります。

例えば、次のような内容です。

「あなたが頑張れば、カルマは落ちます。
来世ではもっと素晴らしいステージに上がることができるでしょう。
また、あなたは修行の一環としてヨガにも励んでいました。
ですから、副作用として、諸々の能力がアップしているはずです。
学校の成績が上がったり、お金を稼げたりするようになるでしょう。
それは、ヨガの副産物です」

実際、現世利益かどうかは別として、教義に沿った修行をすることで
集中力がついたり、健康になったりすることはあり得ます。
ヨガはバラモン教の修行体系の一部ですが、
単なる運動として取り入れて健康になっている人はいます。
しかし、ここで説いている論理では、
現世利益はあくまでも副作用に過ぎません。

表向きの目的は解脱であり、来世で良いステージに上がることです。
ただ、そのために修行をしていると、
現世でも思わぬ効果がある、というわけです。
これならば、論理矛盾が生まれません。

さらに、もう一つ教義に何か加えるとしたら、
「執着、煩悩をなくせ」という考えでしょう。

これは一見、もっともな考えと思う方もいるかもしれませんが、
裏を返せば、「全財産を置いていけ」を意味しています。
カルトはお布施をもらわなくてはいけないので、
「この世で苦しんだ方がいい」という論理も認めさせなければなりません。
「この世で苦しむ=お布施を払う」というわけです。
カルトのほとんどは、これも取り入ています。
ただし、表現としてはあくまでもオブラートに包んでいますが。

あとは、誰もが共感する道徳的な訓辞を適当にまぶしておきます。
「皆に親切にしましょう」とか「人には愛をもって接しましょう」
「大きな声で挨拶をしましょう」などです。

基本的にカルトの教義には、良いことしか書いていません。
「金を搾取する」「日本人は皆殺し」と書かないのは当たり前です。
これはスピリチュアリズムも同様です。
霊や占いという不確かなものに、小学校でも学べる当たり前の道徳を
ミックスさせて「なるほど」と思わせています。

鎌倉時代、浄土真宗をつくった親鸞や日蓮宗をつくった日蓮は、
世間では新興宗教、つまりカルト扱いでした。
実際、当時の権力者からの迫害に遭っています。
「南無阿弥陀仏」と唱えるだけで浄土に行けるという浄土真宗と、
「南無妙法蓮華経」と唱えれば仏性が顕現するという日蓮宗。
どちらもシンプルな教義です。しかし、だからこそ人々に受け入れられ、
今では立派な宗教として浸透しています。
浄土真宗と日蓮宗系を合わせると、檀信徒数は三千万人を超えるでしょう。
日本の人口の四分の一です。

かつては、カルト教扱いされ、島流しの憂き目に遭っている両者。
しかし、今や日本における宗教のメインストリームとなっています。
教義をシンプルにすることがいかに大切かということが理解できるでしょう。

もちろん他の宗教でも同様のことが言えます。
キリスト教にしてもはじめはカルト扱いされ、イエスは磔にまでなっています。

洗脳~スピリチュアルの妄言と精神防衛テクニック~ 苫米地英人著

私は今までずっと成田空港周辺のホテルで
避けていたホテルがあります。
マロウドインターナショナル成田です。
ライフスペースのミイラ事件が起こったのがここだからです。

それから、この本の著者の苫米地さんは
とんでもないことを言ってましたね。

ヨガはバラモン教の修行体系の一部ですが、
単なる運動として取り入れて健康になっている人はいます。

これを真に受けて、ストレッチなど単なる運動として
ヨガを取り入れてしまった人もいるはずですし、
口コミで広まってしまった可能性が極めて高いと思います。
苫米地さんの潜在意識が破壊されてしまった原因の1つが
これだったのかもしれません。
原因は複数あると思いますが・・・

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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