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何故、「ふきのとう」を見つけると嬉しくなるのだろう?

寒い冬がようやく終わりに近づき
今年も待ちに待った季節がやってきました。
この「春」という季節は
花や鳥など春の訪れを気づかせてくれる事象は多いですが、
とりわけ、
「食」にまつわる話題は私の中では特別な存在です。

その「食」の中でも
「ふきのとう」の存在は極めて印象的です。
もちろん「ふきのとう」は植物であるのに対して、
勝手に「食」に位置付けていることは少々乱暴かもしれません。
しかし、それほどまでに「ふきのとう」は
春を代表する食べものとしてのイメージがわたしには出来上がっています。

そこで、
今回はどうして「ふきのとう」にそれほど愛着があるのかを
考えてみましたので、宜しければご覧ください。


1.「早春の象徴」&「とても短い期間限定」 これが良いのです。

今年の北陸は雪の日が多く、
寒い日も多かった為か、
例年よりも「ふきのとう」の出回りも遅かったようです。
それでも、雪解けした地面からは
待ってました!と言わんばかりに、
まだ他の植物が芽を出さずにいても
「ふきのとう」だけは黒い地面から可愛い姿を
いつも通りに見せてくれます。

まだまだ、春と呼ぶには早春のころ、
雑草すら生えてない田畑の周りをよく観察すると
あの黄緑色の「ふきのとう」が我先にと顔をだしています。
この光景をもって、ようやく冬から春にチェンジしていることを
私なんかは、改めて実感できます。
そう、新春行事をしての「豆まき」や「恵方巻き」では
春を感じるにはまだ早すぎるのです。
この日を境に、頭が「春モード」に切り替わります。

さらに付け加えると、
出始めから期間を置かず、あっという間に店頭から無くなります。
地物だと、1~2週間ほどしか見かけないので
なんとかこの短い期間で、購入するか、
自分で採取するしかないので、
やはり希少価値の高い食材だと思います。
この期間限定感が、
更に存在感を濃くしているのです。


2.ふきのとう味噌がとにかく好きです

ふきのとうの天ぷらも捨てがたい。
しかしながら、私にとってふきのとうといえば
「ふきのとう味噌」一択なのです。
それも、自作したものが良いのです。

ふきのとう味噌の魅力といえば
山菜独特の強い香り」と「あとをひく苦み」
ですが、これは子供にとってはどちらも苦手で、
わたしも大人になるまで、全く食べることはありませんでした。
しかし、不思議なもので
このフキノトウをはじめ、くせの強い食材は
大人になるとどうしてなのか、美味しく感じるようになりました。
今では、あの苦みが体内を浄化してくれているとさえ
勝手に想像させてくれるのです。
さらに、
この強いクセの食材は、甘辛い味噌に合わせることで
やめられない!止まらない!病みつきになる!最強の一品に化けます。
白飯にも、お酒(特に日本酒)にも相性抜群。

残念ながら、短い春だけの期間限定なので、
貴重なふきのとう味噌は、大事にチマチマを頂いてはいます。
可能ならばシーズン中に
3回は仕込みたいのですが、なにせ生での保存が難しく、
味噌にしても香りや苦みは飛びやすいので
美味しく食べれるうちに、さっさと消費してしまいます。
ということで、
間違いなく、ふきのとう味噌は私にとっては、
春の最高のぜいたく品です。


3.野生の食材って、誰かに共有したくなりませんか?

季節の食材、それも野生の山菜や魚介類などは
とりわけ口に出来る期間が限られていて、
なおかつ、その土地ならではのものなので、
その存在価値が非常に高く感じられます。

特に春ならではの山菜やタケノコなどは
家族や友人、近所の方とも
その時期になると情報が飛び交います。
おそらく、その情報は新鮮さが命!
大事な人に、なるべく早く情報を共有することで、
小さな幸せをなるべく体験してほしいと願うのでしょう。
旬が去ってからでは、まったく意味をなさないから。

そう、
ふきのとうは春を知らせるトップランナーであって
誰もが容易に春の到来をイメージして、
どこか、心が明るくなる気がするんですよね

そんな気がしませんか?


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