思考回路
「私という個人と他者という個人の云う事はどこかで齟齬がある」
これが正常な思考回路である。これは親子であっても上司と部下であっても上下関係や左右関係関係なく同じである。
親の云っている事や先生や経営者や上司やインフルエンサーの云っている事を信用できないのは正常な証拠である。
むしろ信用しないから大人の付き合いができるのである。これは哲学的に云えば相互にフェティシズムの対象ではないのである。
「私という個人と他者という個人の云う事はすべて一致する」「どこかに私を全受容してくれる人が存在する」これが異常な思考回路である。
教祖やアイドルに全身全霊を尽くす思考回路であろう。仮にその教祖の書物を全巻持っていたとしてそのアイドルのグッズに1000万円かけたとして思考や判断力が向上するものではない。
云っている事で判断をするのではなく「その人の云っている事だから全部正しい。全部正しい人に繋がっている自分は全部正しい」となる。
どこかで「おかしいな」「前と云っている事と違うな」と思う事はあるかもしれないがサンクコスト効果によってそういった疑問は抑圧されて思考がフリーズしていくものだ。
これがマイルドにいえばファンでありシビアにいえば信者である。
教祖やアイドルが悪い事をした場合には現実を直視できず陰謀論的な視点から「本当は教祖とアイドルは被害者だ」と考えるようになる。
教祖AやアイドルAを喪失した場合は教祖BやアイドルBに移行するが
思考回路自体に変化はない。ただ固有名詞が永遠に変わるだけだ。
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