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コンサートホール以外での演奏経験でメンタル強くなった話

2006年頃から東日本大震災が起きるまでの間、「ららぽーと豊洲」には巨大なパイプオルガンが設置され、そこで毎日パイプオルガンコンサートが開催されていました。

僕はそのコンサートに1ヶ月に1回のペースで、オルガンと共演するコンサートに参加させてもらいました。

その当時のことを写真付きで書かれていらっしゃる記事がありましたのでシェアさせていただきます。

お客様がいない中での演奏

ららぽーとはご存知の通り巨大ショッピングモールで、コンサートが目的で来る方はほぼいません。ですので、突然定時に鳴り響くオルガンの音に皆さん驚いて一瞬足を止めてくださるのですが、残念なことにそのまま1曲(2,3分)最後まで聴いていただける方は非常に少ないです。

正直なところ演奏していてこれはかなりしんどかった。1ステージMC入れて15分程度だったと記憶していますが、もともと来館者数が少ない金曜の夜などにも演奏したことがありますが、聴いてくださる方が1人、場合によっては終始だれもいない状態、ということのありました。逆に日曜日のお昼のステージではキッザニア入場待ちの親子がオルガンをとりかこむように並んでいたためにみなさん聴く気がなくてもお客さんがめちゃめちゃいる状態で、この時はとても助かりました。

聴いてもらえるにはどうしたら良いか

こんな感じで数年間演奏していたので、毎回とにかく足を止めてもらえるためにはどうすれば良いかを考えてばかりでした。選曲なのか、MCの質なのか(MCも出演者でやることになっていました)、どんなテンションでどのくらいどんなことを話すと伝わりやすいか(音が止まってMCになると立ち去る方が非常に多い)、そんなことをすごく考え、トライアンドエラーの繰り返しでした。

まあでも、確かに自分が買い物に来た立場だったとして、予期せぬ演奏会が行われていたらそれにどのくらい足を止めるかと考えた時に、15分は結構長く感じるし、他に目的があったらスルーしてしまうかも、とは正直なところ思います。じゃあ自分だったらどんな条件であれば足を止めるか…上手な演奏、肩書きが有名である、好きな曲、楽しそうな雰囲気…。考えても明確な答えには辿りつきませんでした。

MCが上手になりました

ただ、こうした厳しい環境での経験は、音楽を聴くのが好きでもご自身では演奏経験がない方が演奏会にはとても多くいらっしゃっているのだ、ということを再認識できました。ついでにMCが上手になりました。

吹奏楽部とか音楽大学とか、そうした環境にいると、周りにいる人はみんな楽譜が読めて演奏ができる、少なくとも音楽に対して興味を持っている人しか基本的にはいないので、まるでそれが世の中のすべてかのように勘違いしてしまうことがあります。
また、コンサートホールで演奏会を開くと、チケットの売り上げや申込状況で事前におおよその来場者数も予測でき、本番中は途中で退席する方もほとんどいない安心感、演奏が終わればみなさん優しいので拍手を必ずしてくださる状況。なんだか演奏者がやりきった感じを持ってしまうのですが、実はお客様に支えられ、それに甘えてしまっているところがあるんですよね。

ららぽーとでの経験は、そういったことがまったくない環境だったので、自分の演奏力の稚拙さや魅力のなさがどれほどなのかを痛感できた貴重な体験でした。結構辛かったけど。

そんな経験を思い出しながら毎朝7:30にSNSに掲載している「 #今朝の一言_ラッパの吹き方 」にこんなことを書きました。

それにしてもららぽーと豊洲での演奏を聴いてくださる方は驚くほど少なかったのですが、一方で駅コンサートとか他のデパートなど、ホールではないところでも演奏をした経験が何度もありますが、結構足を止めてくださるんですよね。少し前に日本橋三越のパイプオルガンコンサートで演奏させていただいた時も各回800名ほどの方が足を止めてくださっていたようです。
何が違ったんでしょう…。


荻原明(おぎわらあきら)

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荻原明(おぎわらあきら):トランペット
荻原明(おぎわらあきら)です。記事をご覧いただきありがとうございます。 いただいたサポートは、音楽活動の資金に充てさせていただきます。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。