川の流れのように/編曲:岩田恵子(荻原門下生発表会アンサンブル部門A予定曲紹介)
来年2024年1月13日(土)に開催いたします第1回荻原明門下生トランペット発表会では、ソロの部門だけでなくアンサンブル部門も3つのエントリーパターンをご用意しています。
その中のひとつ「アンサンブル部門A」は、アンサンブルやってみたい!という個人の方が集まり、その期間限定メンバーによって演奏会に参加する、という部門です。
この部門で演奏する曲をどうしようかな、といろいろ考えていましたが、先日悩んだ末に決めましたので、1曲ずつこちらでご紹介しております。
今回ご紹介するのは3曲目、「川の流れのように」です。
言わずと知れた美空ひばりさんの歌で大ヒットした曲。作品に関しては解説不要ですよね。
ずっとやってみたかった編曲で演奏します
今回使用する楽譜はトランペット5重奏+ピアノの編成で、編曲されたのは岩田恵子氏です。
岩田恵子氏というのはこの方。
SNSやYouTube、ライブ配信などでご存じの方もいらっしゃると思いますが、自称変態トランペッターであり、僕の大学の同級生です。
岩田氏は学生の頃から作編曲能力が高くて、絶対音感持ちも相まって五線紙と鉛筆があれば多分どんな場所でも編曲できてしまいまいます。しかも質の高いいわゆる「アレンジメント」された楽譜(工夫を凝らしてオリジナリティのある作品に昇華されている楽譜)を、楽しそうにサラサラとあっという間に仕上げてしまいる様子を学生の頃によく見ていました。
今回ご紹介する「川の流れのように」も、そんな学生の頃に編曲したものです(出版するにあたって手直しがあったのかもしれませんが)。
岩田氏が同級生や後輩で組んでいたトランペット5重奏「れいのるず。」というグループのために書いたのだと認識しています。
この編曲作品を初めて聴いたのは、大学の中で開催したコンサートでした。
オリジナルの良さは決して壊さず、トランペットの特性を活かした幅広い響きのするアレンジで、いつか自分も演奏してみたいと思っていたのですが、なかなかタイミングがないまま気付けば25年近く経ってました(マジか。25年て自分で書いてびっくりした)。
おおそうだ、今度の発表会で演奏させてもらえればいいじゃないか!と、こんな経緯がありました。
音源がYouTubeにありましたのでお聴きください(この演奏もとても身近な人たちがいらっしゃいます)。
上手に、ではなく楽しくがコンセプトの発表会
(以下は前回の曲紹介記事でも書いたものですが、大切なことなので再掲載させてください)
この発表会は上手な演奏をすることを第一の目的として開催するわけではありません。参加される方それぞれの持っている「今の力」を披露し、参加者と客席みなさんで音楽を楽しむ場です。それはアンサンブル部門も変わりません。
アンサンブルや合奏をやりたいと思っても、「自分なんかが参加して他の人に迷惑をかけてしまったらどうしよう」「自分はまだ他の人と合わせるレベルじゃない」「自分だけ下手で笑われたらどうしよう」「集まる人たちのレベルがわからないから怖くて参加できない」と、タラレバ大炸裂する最も代表的なもののひとつです。
確かに躊躇してしまうのはわかります。自分がそういった立場になったら、やはり怖さはあります。けれど、この発表会に関しては本当にレベルとか上手とかどうとか関係ないし、ここまで自信持って言えるのは、毎月開催しているツキイチアンサンブルの雰囲気です。トランペットや音楽を好きな人は本当にみんな優しい。
トランペットは正直難しい楽器だと思います。だからこそみなさんが今のレベルになるまでに苦労したこと、できなくて悔しかったことや大変だった経験を持っているので、一緒に演奏している人が運指やリズムがわからなくなったり、出そうとする音と違う音が出てしまったからと言ってそれを咎めるような雰囲気になったことが一度もないのです。僕がそうした雰囲気を作り出しているのではなく、参加されているみなさんがそうしてくださっています。
技術的に不安なところは演奏箇所を限定してみたり、同じパートの人数を増やしたり、いろいろな方法が考えられますので、大丈夫です。
ということで、アンサンブル部門A、ぜひ参加をご検討ください。エントリーは9月上旬なのでまだ少し先ですが、特設ページに詳細を掲載しておりますので、ご覧ください。
荻原明(おぎわらあきら)