見出し画像

女子エリートトスプリンターとサブエリートの違い【下肢筋肉量と垂直跳躍力の観点から】

どうも、さかもとです。
今回は、この論文から

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36170567/

「女子エリートトスプリンターとサブエリートの下肢筋肉量と垂直跳躍力の違い」というテーマで投稿します!

今回は女子スプリンターを対象とした論文の紹介です。

短距離パートは試合期も終わり、冬季練習に入っていると思います。

特に来シーズンに向けて、パワーアップを目指す女子スプリンターにはお役に立つ内容になっていると思います!

男子スプリンターの参考にもなる内容ですので、ぜひ一読ください!

研究の目的とデザイン

【研究目的】
「エリート女子スプリンターとサブエリート女子スプリンターの下半身筋量および垂直跳びパワーを比較し、これらの特性とスプリントレースおよび加速度パフォーマンスとの関係を評価すること」

【対象者】
5名のエリート(100mシーズンベスト [SBE100]: 11.16 ± 0.06 秒)
17名のサブエリート(SBE100 11.84 ± 0.42 秒)の女性スプリンター

【方法】
MRIによる23の脚筋/コンパートメントと5つの機能的筋群の体積測定
カウンタームーブメントジャンプ(CMJ)および30m加速度テスト
MRIによる23の脚筋/コンパートメントと5つの機能的筋群の体積測定

結果

いくつかのポイントにまとめて紹介します。

※紹介するもの全て:エリート > サブエリート
【下肢総筋肉量】
絶対値が15%↑

【股関節屈筋の筋肉量】
絶対値28%↑、相対値[対体重]19%↑

【膝関節伸筋の筋肉量】
絶対値21%↑

【CMJパワー:反動をつけたジャンプ】
絶対値が大きい

絶対値、相対値の違いが分からない方へ

↑ こちらのサイトでわかりやすく解説されています!

抑えておきたい5つの筋肉

下肢全体を通して、エリートスプリンターの方が有意に筋力量が多いことがわかりました。

その中でも、シーズンベストタイムとの相関が高い
5つの筋肉が挙げられており
・大臀筋
・縫工筋
・大内転筋
・外側広筋
・腸腰筋
となっています。

縫工筋が入る論文は、個人的に初めてでした。(そもそも対象にならないことが多い??)
また、ハムストリングスは含まれないの??とも感じました。

大内転筋、めっちゃ大事

シーズンベストタイム(SBE)との関係を見ていくと
上記の下肢筋量の数値とともに、大内転筋の筋肉量が多いことと
SBEとの関連が見られたと報告しています。

過去にスプリントパフォーマンスと筋を調べていた際も
「内転筋群」はポイントとして挙げられていました。

内転筋群をどう鍛え、どう走りに活かしていくのかは
スプリントパフォーマンスを指導する中で
非常に重要な筋だと感じます。

内転筋群としてみた時に、面白い作用を持っていて
股関節屈曲位では伸展方向へ。伸展位では屈曲方向へ。
と言うふうに、「走る」と言う点で、欠かせない筋肉なんですよね。

まとめ

今回は、女子エリートスプリンターとサブエリートスプリンターの筋形態の違いについての論文をレビューしました。

下肢筋力に特化したもので、体幹や上肢筋との関連も気になるところですが
面白い論文でした。

冬季に入り、筋トレ時間も増えると思います。
満遍なくやることがもちろん大事ですが、この記事を見て
「この筋肉もやっておこう」と言う気づきになれば幸いです。

応援しています!頑張ってください!

いいなと思ったら応援しよう!