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そういうことか、と思った話
オープンの頃、ネーム(ブランド力)やストーリー性(物語)がお店の深みを付加すると思っていた。
でも、いままでの仕事はそういうものを避けるようなやり方でやってきた。
自分の考え方と、実際にやっていることの乖離があるよな、と自分で思っていて、だけどそれが自分にとって合っている道だとも思っていた。
つまりメインロードを歩くような、そういう正統派の仕事を自分はできないのだな、向いてないのだなと思い、いつも裏道を歩いてるような気分だった。
正しい道筋はたしかにそこにあるが、それを辿らなければいけないものではないだろう。
舗装してるしっかりした道路を歩かずに脇に伸びた細い草道に入ったっていいわけだし、山に入ってもピークハントせずに巻いた道を歩いてもいいじゃないか。
だってそっちの方が性に合っている。
そういう考え方。
物語を語るのはなんだか気恥ずかしい。
ブランド力といわれるほどのもんでもない。
飲食店に来て情報を喰うのほど、中身のないものはないんじゃないか。
月日を重ねるほど、そういう思いがつよくなった。
そんなときふと目にした、
「名前や物語が消えるときに生まれるものがある」という言葉がすっと自分の中に入ってきた。
ああそうだ、自分が求めてきたのって、そういうものなんじゃないかと思ったのだった。
その体験がなんだか忘れられないので、ここに書いておこうと思う。